ガルパンの聖地 ・ 大洗を行く28 その2 「大貫から曲松に行きます！！」

　和泉屋米穀店の次に、タヤマ石油に寄りました。このガソリンスタンドで毎年販売しているガルパンカレンダーを購入するのが目的でした。タヤマ石油のガルパングッズの一つとして知られるカレンダーは、2013年の12月に2014年度のものを買ったのが初めてでしたが、2015年度および2016年度のものは買わなかったため、二年ぶりに今度の2017年度のものを買いました。

　続いて梅原屋に立ち寄りました。ここ数回の大洗行きでは、よく寄っているお店のひとつです。以前にお会いしたNさんの筆になる商品案内のガルパンイラストが、いつも見ていて楽しいです。

　そして今回は、上図左の左衛門佐の誕生日記念イラストが新たにレジ横に飾られてありました。赤備えの甲冑姿に描かれるのは、もちろん真田幸村の一般的なイメージに合わせてあるからでしょう。
　しかし、私自身はこの赤備えの甲冑姿に違和感を抱きます。真田幸村こと信繁の遺品として知られる甲冑の実物には、こうした赤備えの鹿角の意匠のものは伝わっていないからです。私自身の覚えている限りでは、いま和歌山県の高野山蓮華定院に所蔵される「頭形兜」が、真田幸村の遺品として信憑性が高い、ということであった筈です。
　あと、大阪城天守閣にも真田幸村の遺品とされる甲冑一式があった筈ですが、そちらは意匠が江戸期以降の造りであるうえ、松代藩真田家から出たものらしいので、幸村の遺品云々は後世の付会とみられます。大体、本人は大坂夏陣の乱戦中で壮絶な討死を遂げていますから、まともな甲冑一式の遺品が残っているわけがないのですね・・・。
　赤備えの鹿角の意匠、というのはどちらかというと徳川家家臣の井伊家の甲冑のイメージが私の中では強いですね・・・。

　リゾートアウトレットに移動しました。敷地内の遊具施設などがいつの間にか撤去されて無くなっていました。リニューアルするのでしょうか。

　とりあえず、ガルパンギャラリーに向かいました。

　珍しいことに、今回の訪問時にはギャラリー内に客が一人も居ませんでした。私一人だけでした。そして販売コーナーには、欲しい品物が一つもありませんでした。アニメイトやらしんばんの方が品揃えが豊富ですし、欲しいものがあったりします。

　展示コーナーも入れ替えや組み換えが一切ありませんでした。少しずつ変化を持たせれば活性化すると思いますが・・・。

　階下のまいわい市場のコーナーには、ガルパン関連商品が豊富に並んでいました。ここでは幾つか購入して友人知人への土産物も調達しました。

　役場横の和久に立ち寄って、海野さんに挨拶して近況などを話しました。食事処は地元住民らしき方々で満席になっていました。それで、ここでの昼食は諦めました。

　それで、近くのカジマに行っていつもの惣菜弁当を買いました。500円で缶バッジ付きですが、おかずが日替わりになりますので、今回は何かな、と楽しみだったりします。この日は珍しく代表の梶間さんがカウンターに居られたので、少し話をしました。
　以前に大阪の万博記念公園にて開催された「まんパク」にカジマが出店した際に私も食べに行き、そこで梶間さんにタラバガニの焼きたてを馳走させていただいた折、ガルパンや大洗の話題で盛り上がったことがありました。その際に配布していた「蟹」のオリジナルバッジがあれば貰いたかったのですが、残念ながら無くなったとのことでした。

　買った惣菜弁当を、鳥孝の店先のテーブルにていただきました。毎度のことなので、稲石さんの奥さんがお茶を出して下さいました。
「今日はどこかにお泊り？」
「いそやさんです」
「あっ、食事が豊富だって評判の」
「ええ」
「みなさん、食べられない、食べきれない、って話してくるよ。星野さんはどう？」
「普通に全部平らげてますけど・・・」
「普通って、あははは」

　そのやり取りを、店先にやってきた二人組の若い女性が聞いているのに気付き、二人のバッグにガルパン缶バッジが数個付けられているのが目に入りました。ガルパン巡礼だな、と察した途端、背の低い方か「あの、星野さんですか？」と問いかけてきました。
　私が応ずるより先に稲石さんが「そうです。ここらではとっても有名な方ですよー」と言うので、有名ではありません、と打ち消したところ、背の高い方が「めちゃ有名ですよお、気分はガルパンの人だ、ってすぐに分かりましたもん」と笑いました。

「あのう、以前にどこかでお会いしましたかね？」
「いえ、初めてですよ。でもこちらは、ブログでお姿を拝見してますから・・・」
「なるほど・・・・。お二人ともガルパンに興味がおありのようで・・・」
「はい、すっごくハマってます。それで、やっと休みを合わせて大洗に初めて来たんです」
「それは最高に楽しいでしょうな・・・。で、お二人さんは、どちらから？」
「京都です」
「えっ」

　その後、お二人にテーブルについてもらって話を伺ったところ、私と同じ京都からの夜行バス便を利用していたそうで、その時点から私の存在に気がついていたそうでした。大洗へ行くにあたっては拙ブログを読んで参考にしたそうです。
「記事は、少しでも役に立ちましたか？」
「少しだなんて・・・、書いてあること全部、こちらに来てそのまま実感出来てますよ」
「恐れ入ります」
「大洗のことと、あと戦車プラモデルのことも毎回読ませてもらってます」
「えっ、プラモデルも作っとられるんですか」
「はい。私たち模型のサークルやってますんで。星野さんの評判は近藤先輩からも聞かされてます」
「えっ、貴女がたは、近藤エリさんの後輩でしたか・・・」
「はい、大学時代の」
「すると・・・、上ヶ原？」
「ええ」

　これでお二人が、かねて交流のあるモケジョチームのメンバーと知り合いであり、兵庫県在住のモケジョであることが分かりました。

　それで、鳥孝の店内に展示してある三つの八九式中戦車甲型のプラモデルについても話が盛り上がりました。磯辺典子のフィギュアに関しては一切の言及が無かったので、フィギュアにはあまり興味が無いのかもしれないな、と思いました。
　二人とも、八九式中戦車甲型は作ったことがあるそうで、そのガルパン仕様のポイントなどを幾つか質問されました。

「もしかして、八九式はそのままストレートに組んだんですか？」
「ええ、初めての戦車やったので」
　背の低い方が答え、背の高い方も頷きました。最初はガイド通りに組み立てて、戦車のプラモデルってこういうものか、と学んだそうです。そのうえで改めて再度キットを買い、次はガルパン仕様に仕上げる予定なのだそうです。
　それで、問われるままに、八九式中戦車甲型のガルパン仕様の組み方を説明し、私の制作では見落とした箇所も説明しておきました。

　フリューのプライズ品のダージリンが寄贈展示してありました。お二人ともダー様が好きなようで、これ欲しいわあ、ゲーセンで獲るの難しいから買おう、などと話していました。

　同じくフリューのプライズ品の秋山優花里もありました。この種のプライズ品が最近は次々に登場していて、意外なほどに良いクオリティと安い価格帯とによって、これまでのガルパンフィギュア群を駆逐しそうな勢いです。

　お二人が東町まで一通り案内して欲しい、と言うので、案内役を務めることにしました。私自身も行くルートは同じだったからです。
　一通り回るのであれば、レンタサイクルという方法もあるよ、と話したところ、背の高い方が肴屋本店向かいの敷地内にあるガルパンレンタサイクルを指差して、「ああいうのに乗るのは、ちょっと恥ずかしいですよ」と笑っていました。　（続く）