「ゆっくら健康館」から宿に引き返しました。途中の街並みは昭和の風情をよくとどめています。
交差点がやや喰い違いになって折れているうえに、角に建つ民家が古い建物なので、大洗の街中でも古い方に属する街区だろうと思われます。由緒ある「肴屋本店」の付近ですので、江戸期からの街道筋に接して大洗明神への参詣道に連絡した宿場町の名残りをとどめているものと思われます。
宿に帰りつきました。二階に掛けられた看板の明かりが既にともされていました。
ロビーのコーナーを再び見物しました。奥の隅壁には、ガルパンの監督や声優さんたちの来店記念写真が並べてありました。
2012年10月に初めての放送が決まった頃の宣伝ポスターも、今では大変貴重なものになっています。街中に貼られている同じポスターの多くは退色したり劣化したりしてはがされていますので、比較的原状をとどめているポスターが珍しくなってきています。
展示品のなかでは、扇子が良い雰囲気を出していました。販売品であったなら、間違いなく購入しているはずです。
19時30分から夕食をいただきました。大洗の多くの宿泊施設では、食堂でいただく形が一般的ですが、こちらは部屋食でした。1月に「小林楼」に泊まった時も夕食が部屋食でしたが、朝食も部屋でいただけるのは「肴屋本店」が初めてでした。
白魚です。大洗のイメージキャラクター「アライッペ」を連想させますが、「アライッペ」はシラスの方です。シラスと白魚はよく似ていますが全然別の魚です。
お造りです。大洗の宿の基本メニューですね。ウニが添えられているのが珍しいです。
この宿では、夕食のメニューを「常陸牛の石焼」、「あわび踊り焼き」、「ほっき貝しゃぶしゃぶ」のいずれかから選べます。今回の宿泊では「常陸牛の石焼」を申込みましたので、メインは焼き肉となりました。
常陸牛のお肉は見るからに美味しそうでした。女中さんに「まず石板を火で熱しますんで、最初にキノコを載せて焼け具合を見てからお肉をどうぞ」と教えていただき、その通りにしました。
こちらはシラスの釜飯でした。これも火を入れて数分待ってから食べるということで、その間に他の料理をゆっくり味わいました。
こちらは確か「アンコウの干物」だったかな・・・。初めて食べましたが、これが干物か、と思うほどに独特のまったりした味でした。
出ましたね。大アサリのお吸い物です。丸山紗希の「大勘荘」で味わって以来の感動でした。
色々食べているうちに、石板の上のお肉も程よく焼けてまいりました。ひとつつまんで噛んでみると、肉汁がフワッと口に広がって柔らかな身がコロッと舌に乗っかりました。飛騨牛とも但馬牛とも異なる、案外にあっさりとした味でした。常陸蕎麦もあっさり味なので、常陸の産物は素朴な味わいが特徴なのでしょうか。
かくして「肴屋本店」での夜のひとときを、楽しく食べて過ごしました。 (続く)