塗装を行ないました。サーフェイサーで下地を作り、次いでミスターカラーの39番のダークイエローを吹き付けました。薄く3回塗り重ねました。
黒森峰女学園チームのⅢ号戦車J型の車体色は、ガルパンカラーセット黒森峰女学園Ver.の3色のいずれにも該当せず、パンターG型と同じ色調のカラーです。厳密にはパンターG型のダークイエローよりも僅かに明度が高いのですが、彩度は同じですので、パンターG型の時と同じ39番のダークイエローにしました。転輪のゴム部分以外は全て同じ色ですので、履帯以外の全てのパーツに吹き付けました。履帯は28番の黒鉄色で吹き付け塗装しました。
次いで、転輪のゴム部分をポスカの黒で塗りました。
転輪を車体に取り付けました。
全ての転輪を接着し終わりました。この状態で一日置いて乾燥させました。
予備転輪2個を左側フェンダー上にセットし、機銃や装備品の金属部分を28番の黒鉄色で塗りました。ジャッキも同じ色に塗っておいたのを接着しました。劇中車では、道具箱の金具も黒鉄色になっているので、その通りに塗りました。S型シャックルの上にはジャッキ台がつきますので、取り付け前にS型シャックルも塗りました。
S型シャックルの上にジャッキ台を取り付けました。ジャッキ台の木製部分は43番のウッドブラウンで塗りました。その後、履帯も装着しました。今回のキットの履帯パーツは軟質なので、車輪へのはめ込みも大変に楽でした。
右側フェンダー上の装備品を、劇中車の状態に合わせて塗り分けました。金属部分を28番の黒鉄色、木製部分は43番のウッドブラウンで塗りました。テールランプは47番のクリアーレッド、48番のクリアーオレンジで塗りました。
塗装が完了した状態です。
エンジンフード左右の通気口は、劇中車の状態にしたがって28番の黒鉄色で塗りました。黒でも良かったのですが、エンジンの排気で煤けた状態であるので、その色感を出すべく、黒鉄色を薄めてわざとムラが出るように適当に塗りました。
デカールは、キットについているものを使用しました。1番の小さな黒森峰マークを3枚使いました。
3枚のうちの1枚は、上図のように背面パネルの左側に貼りました。
1枚は左側側面に貼りました。位置は、フェンダー上の工具箱の裏側にあたります。
1枚は、右側側面の起倒式アンテナ基部の横に貼りました。いずれも小さいので、あまり目立ちません。砲塔部分には全くマーキングがありませんので、デカールも必要ありません。
なので、一見するとアフリカ戦線のドイツ軍Ⅲ号戦車に見えてしまいます。カッコいいです。とにかくカッコいいです。
今回の製作で左右のフェンダーの歪みを完全に直せなかったのですが、実際のドイツアフリカ軍団第15装甲師団の所属車の写真などを見ますと、フェンダー部分が曲がったり歪んだりしている車輌が少なくありません。それはそれで臨場感があるな、と気付きました。
ですが、ここでのⅢ号戦車J型はドイツ第15装甲師団ではなく、ガルパンの黒森峰女学園チームの所属車です。ここは黒森峰女学園時代の西住みほに登場願いましょう。
一年生にして副隊長となった西住みほ。彼女が初めて参加した全国大会の試合にも、Ⅲ号戦車J型が出ていたことはプラウダ高校チームとの対戦シーンによって知られます。そして崖から落ちて谷川に水没してしまったのもⅢ号戦車J型でしたね。
ここではそうしたショッキングな出来事の前、という設定で、西住みほ副隊長にⅢ号戦車J型に搭乗してもらいました。みほの搭乗車ってティーガーⅠじゃなかったの、などという突っ込みはこの際ナシにしましょう。
「左方に目標視認、砲撃準備、砲塔旋回」というシーンの積りです。西住みほは、だいたいの試合にてキューポラ上に上半身を出して周囲を目視で確認していますが、それは黒森峰女学園時代からそうだったからでしょう。
続いて「右方にも目標視認、砲塔旋回急げ」のシーンの積りです。Ⅲ号戦車における砲塔バスケットはH型以降に採用されましたので、今回のJ型は当然ながら砲塔バスケット装備です。砲塔内の砲手も装填手も余計な移動の手間がかかりません。射撃も迅速に行えたことでしょう。
「さらに数目標、指向射撃続行、進路そのまま」のシーンの積りです。ドイツ軍戦車兵の体験記に「戦車戦で行進中に射撃する場合は、原則として進路を変えない」という旨の記述があったのを思い出します。戦車に限らず軍艦の撃ち合いでも同様で、日本海軍の駆逐艦の砲雷撃戦は直進時に次撃まで行うのがベスト、とされていました。いずれにしても、進路を変えると照準が大きくそれてしまうからです。
西住流の継承者候補でもある西住みほは、コミック版のストーリー世界をもあわせれば、小学生の時から戦車道をこなしていることになります。なので、高校一年生の時点では相当のベテランであったわけです。隊長の西住まほが、みほを副隊長にしていたのは同じ西住流の妹だから、というのではなく、みほ自身がやはり卓越したセンスを備えていたからでしょう。
そうでなければ、大洗女子学園に転校してから、戦車道チームをゼロから立ち上げて率いていける筈がありません。
なので、西住みほが副隊長だった時期の黒森峰女学園チームは、翌年の同チームよりもはるかに強かったのではないかと推察されます。ただ、思わぬアクシデントによってプラウダ高校チームとの決勝戦に敗れますが。
もし、味方が崖から落ちて谷川に水没するという件が無かったならば、フラッグ車に乗ったまま行進を続行してプラウダ高校チームを撃破したのかもしれません。
いずれにせよ、西住姉妹が率いた時期の黒森峰女学園チームの力強さは、翌年の同チームの有り方とは比べ物にならなかった筈です。厳しい言い方ですが、逸見エリカが、西住みほと同等の能力を発揮出来たとは、とても思えないのです。エリカの、やや度を超した敵愾心ともみえる対抗心も、そのことを示唆しているようです。
以上、西住みほとⅢ号戦車J型、でした。ガルパン世界は本当に楽しいものですね。
ともあれ、黒森峰女学園チームのⅢ号戦車J型が完成しました。製作日数は、2015年9月19日から10月5日までの17日間でした。組み立てに6日、塗装に2日、塗装後の組み立てに1日かかりました。途中で京都や大洗へ行きましたので、予定していたよりも日数が延びました。
今回のキットはプラッツの公式品ですが、割合に気楽に組めました。ガルパン仕様への改造や追加工作は小さなものばかりで、溶接痕や合わせ目を消す作業の方がむしろ多かったです。車体はカバさんチームのⅢ号突撃砲F型と共通ですので、以前にⅢ号突撃砲F型を作ったときの経験もある程度役立ちました。
黒森峰女学園チームの所属車輛のなかでは、パンターG型とともに作りやすい部類に属します。普通に組み立てるのであれば、初心者にもおすすめのキットだと思います。