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読んだ本の感想と旅行の日記を書いていきます。
後、その他なんかあれば・・・

46冊目:「ゴーマニズム宣言Special 台湾論」

2011-04-19 00:07:38 | 
総評:★★★★☆ 「リーダーシップ」に感動
面白い度:★★★★☆ 意外と面白い
読みやすい度:★★★★☆ 読みやすい
ためになる度:★★★★★ とてもためになりました
また読みたい度:★★★☆☆ ぶ厚いんで、またの機会で


次はこんな本です。

台湾という国には特に今まで特別な興味はなかったのだが、この機会に読んでみることにした。
そしたら結構面白く、日本と深い関わりがあることが分かった。


台湾は日清戦争後、日本の租借地(悪く言えば植民地)となり、日本の支配を受けていた。その間、太平洋戦争に負けて中国に返還されるまで、40年くらいの月日があり、その間、台湾には多くの日本人が移住したり、日本語教育などが行われていた。

なので、台湾に住んでいるおじいちゃん世代の人たちなどは、普通に日本語で話しが通じるらしい。


日本の支配といっても、当時の列強が行っていた、虐げたり差別したりする支配ではなく、台湾という国を人道的に扱い、日本と一緒に発展をしていこうと、台湾を近代化させるべく多くの政策が実施され、一時、かなり治安が良くなり、家に鍵をかけなくても大丈夫なほどの治安にまでなっていたらしい。

しかし、日本が戦争に負けて、台湾が中国から来た蒋介石に統治されることになると、略奪、強姦などが頻発し、ひどい有様となったらしい。
凄惨たる極みは2.28事件などに現れている。


その後、台湾は中国と同じように共産主義の国家となるが、日本の統治時代を良としていた人たちが台湾再生の名乗りをあげ、次第に民主化の波が訪れる。

民主国家となったのはつい最近の1990年から2000年代である。
その大きな原動力として活躍したのが、李登輝前総統であった。


李登輝前総統は昔の日本を良しとし、その精神を良しとし、類まれなるリーダーシップにより、台湾を民主化に導いた。
今の日本人よりよっぽど日本人のようだと筆者も言っている。
この本で初めて知ったが、とても魅力的な人だと思う。


台湾の人たちは日本統治時代の経験もあるからか、日本にはわりかし良い感情を持っているようだ。
戦争を行った日本は悪いと、今では色んな方面で言われているが、この点などは、日本の良い面であるだろう。

自分は日本が戦争に負けて、今までの日本の領土は前と変わらないし、結果的に良かったんじゃないの?って思っていたが、この台湾が日本の支配から離れていったことによって、日本にとって、また台湾にとっても大きな喪失であるのだということが分かった。

この本を見て、今まで知らなかった台湾の歴史、それも日本につながる大きな歴史を知ることが出来た。
こんなことは今まで教えてもらわなかったし、知らない人も多くいるだろう。
筆者の考えは結構偏ってはいるが、本を読んで面白くそんな空白の歴史を学ぶことが出来る。
それはとても良い機会に思っている。


この本で大きく感動したのは李登輝前総統のリーダーシップである。
こんなリーダーシップを発揮してくれる人が日本にも現れたら・・・とも思うが。
この本から、台湾と言うよりかは、日本の事をまた深く知ることができました。

そして最後に、今度是非とも台湾に行ってみたいなぁと思った。
コメント
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