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奈々の これが私の生きる道!

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映画「宇宙戦争(1953)」ジョージ・パル

2012-07-29 06:45:04 | 映画・テレビ
ちょっと前に、私が親しくさせて頂いている方が、映画制作者のジョージ・パルのお話を書いていらっしゃいました。
なんでも、ジョージ・パルは、今日のSF映画の基礎を築いた人として有名らしいのです。

私も、一応この人の名前だけは、かなり前から知っていたのですが、作品はまだ一つも観た事はありませんでした。

でも、この人が得意とする特撮は子供の頃から関心があって、主にテレビで特撮番組を楽しんでいた思い出があります。
その訳は、たぶん私が不思議で神秘的なものに興味があったからだと思います。
なかでも、私が熱中していたのは「ウルトラマン」で、巨大化して怪獣と戦うところが面白く、ウルトラマンと怪獣がミニチュアセットの中で暴れまくり、次々に建物を壊す場面では爽快感にも似た感動を覚えていたのです。(笑)

しかし、おしとやかだった私がそういつまでも特撮番組に熱中している訳がありません。
だんだん飽きてきてしまって、おまけに恋するお年頃という事もあり、恋愛ものにうつつを抜かそうと思っていた矢先、ジョージ・ルーカスが、最先端の特撮を駆使して、「スターウォーズ」を作り、そのせいで私は再び特撮の素晴らしさから抜けられなくなってしまったのです。(笑)

で、このジョージ・パルは、そのジョージ・ルーカスや、スティーブン・スピルバーグ、あるいはジェームズ・キャメロンらの先達と呼ばれている人で、「宇宙戦争」の特撮がどれほど素晴らしいのか前々から気になっていたのです。
ちなみに、この作品はアカデミー賞の特殊効果賞を受賞しています。
ですから、ストーリーは二の次だったのですが、なんでもアメリカ映画協会が過去100年間の最優秀映画を100本選んだ時に、28位に見事ランクインしていると言うのですから、もしかしたら特撮以外にも観るべきものがあるのかも知れません。(笑)

ところで、私が「宇宙戦争」で真っ先に思い出すのは、1938年にオーソン・ウェルズが作ったラジオ番組で、この放送を聞いてパニックを起こし、逃げ惑う人々が大勢いたという実話なのです。
その番組は、音楽番組の形式から始まり、途中で突然、火星人が地球に攻めて来たという臨時ニュースが入り、時の大統領そっくりの声で、国民に語りかける内容だったらしいです。
そんな由緒あるSF小説を、ジョージ・パルはどう映画化したのでしょうか?

1938年のアメリカではまだ火星人はいると思われていたみたいですが、この映画が制作された1953年には一人も信じる人はいなかったかも知れません。

でも、映画を面白くする以上、火星人はいると信じてくれた方がいいに決まっています。(笑)
そこで、冒頭に第一次世界大戦と第二次世界大戦の実際のニュース映像を流してから、虚構の世界に観客を引き込んでいく手法が取られています。

つまり、今までは地球人同士の戦争でしたが、これからは宇宙の侵略者と戦争するようになるであろうと言うふうに。
そうして、なぜ火星人が地球を侵略しに来るのか、太陽系の惑星を例に取り、次々に説明していくのです。

火星は太陽の近くにあり何世紀も前から消耗していた。
夜間は赤道でも、気温がマイナス18度を割る。
火星人は人類が夢想もしないほど優秀な観測器具を使い、移住する天体を物色した。

冥王星にはいけなかった。
極度に寒くて、大気すら凍っているからだ。

暗黒に閉ざされた海王星や天王星へもいけなかった。
メタンやアンモニアのガスに包まれているからだ。

美しい輪を持つ土星は、火星人にとって魅力的だった。
しかし、気温がマイナス180度近く、表面が厚い氷に覆われている。

最も近い木星には、溶岩と氷の崖や、酸素の火柱がある。
気圧も恐ろしく高く、何千気圧もあるから移住出来ない。

太陽に最も近い水星には空気がなく、気温は灼熱の鉛に近い。

つまり、火星人が観察し、研究出来る宇宙の中で、我々の地球だけが緑に包まれ、実りをもたらす水と、豊かな大気に包まれていた。

だが、人類は知らなかった。
迫りくる運命も、宇宙の彼方から監視され、狙われていることも…


どうでしょう?
すごい説得力があると思いませんか?
このナレーションとともに各惑星の映像が映るのですが、その元になった絵は、現在、美術館に置いてあるほど芸術的にも素晴らしい出来栄えなのです。


SF好きとしては、これだけでワクワクしちゃいますね~♪

しかし、ここで気づいた方がおられるか分かりませんが、金星が出て来ないのは、なんと脚本家が金星をすっかり忘れちゃってたからで、お茶目な面もついでに堪能出来る仕掛けになっています♪

それはともかく、その次に大きな光る物体が地球に飛来して、山奥に落ち、人々は何事かと探しに行くのです。

そうして発見した物体は宇宙人の乗り物と判明するのですが、コブラみたいな得体の知れないものが、乗り物から顔を覗かせ、光線を発射して人々を襲い、恐怖のどん底に突き落とすのです。

この恐怖の盛り上げ方が、とても秀逸だなと私は思いました。

地球側は徹底抗戦して、軍隊も出動し、あろう事かついに原爆まで使うのですが、それでもなお火星人はびくともしないのです。


その火星人に立ち向かっていくのが、科学者のジーン・バリーとアン・ロビンソンという女性で、この二人を軸にストーリーは展開していき、ロマンスっぽいところもあって、女性でもそこそこ楽しめる工夫がこらされています♪


さて、地球の運命はどうなる!?


ジーン・バリーとアン・ロビンソンの恋の行方は?



特撮も素晴らしいけど、ストーリーも絶品でした~♪


そして、私達人類を恐怖のどん底に突き落とした火星人の最期の姿の演出の妙と言ったら!!


歴史に残る名作と言われるSF映画に感動しまくっちゃった私なのでありました♪











 

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