奈々の これが私の生きる道!

映画や読書のお話、日々のあれこれを気ままに綴っています

「源氏物語」の魅力、最終回

2011-02-01 12:26:33 | 源氏物語
それでは、柏木はいかにして光源氏と女三の宮の間に分け入ったのでしょうか。

柏木は、女三の宮が光源氏と結婚する前から、彼女に恋心を抱き、求婚していました。
しかし、女三の宮の父である朱雀院は、人物としては申し分ないが、若くて身分が低いという理由で断っていたのです。
ところが、柏木は女三の宮が結婚した後も忘れられず、悶々とした日々を送っていました。
そして、女三の宮が光源氏とあまり夫婦仲がうまくいってないようだという噂を聞くたびに、自分なら、女三の宮に、決して淋しい思いはさせないのにと、一人気をもんでいたのです。

そんな折り、六条院で、光源氏の呼びかけにより、夕霧、蛍の宮らとともに、蹴鞠(けまり)に参加する事になります。
そして、その様子を、女三の宮は、興味深げに御簾の奥から見ていたのです。
すると、追いかけっこしていた猫が何かの拍子に御簾の端をひきあげてしまい、女三の宮の姿を柏木に見られてしまうのです。
その時の、言いようもないほど、気高く、可憐な女三の宮の姿に、柏木はますます恋心を募らせます。
そして、せめてもの心の慰めにと、彼女が可愛がっている猫を手に入れて、朝に夕に大事に可愛がるのですが、柏木は恋が叶えられない事から、女三の宮の代わりに、同じ血を分けた妹の女二の宮と結婚してしまうのです。
だけど、どうしても女三の宮への恋心を断ち切れず、彼女の側でお世話をしている小侍従に、女三の宮との逢瀬を熱心に頼み込むのです。

そうして、柏木は小侍従のはからいで、夜中に眠っている女三の宮と逢瀬を遂げるのですが、目覚めた女三の宮は、突然、現れた見知らぬ男性の姿を恐れ、怯えてしまいます。
柏木は、初めは自分の恋心を打ち明けるだけのつもりでしたが、彼女の優しくて、かわいらしい様子に、冷静に自分を抑える気持ちをなくし、あげくの果てに、われを忘れて、女三の宮を無理やり犯してしまうのです。

その後も、柏木は何度となく、女三の宮と体の関係を持ち、ついに彼女は妊娠し、不義の子供を産んでしまいます。

この出来事に、光源氏は怒りを隠せないのですが、でも、それは遠い昔、彼が、義理の母親藤壺を無理やり犯して、子供を産ませた報いでもあったのです。

こうして、光源氏、紫の上、女三の宮、柏木、その他の人々をも巻き込みながら、「源氏物語」は悲劇へと進んでいくのですが、ここから先はかなり重要な部分になりますので、あえて書かない事にいたします。
その理由は、あなた自身に読んでいただいて、源氏物語の魅力に、直接ふれてほしいからです。





長らく書いてきた私の「源氏物語」のお話、これをもちまして終わらせて頂きたいと思います。


人間の業と、その深淵にひそむ、はかなさと哀しみ。

時代が、どんなに変わろうとも、人を愛する喜びや悲しみは、未来永劫に変わる事はありません。

愛に悩み、真実の愛を求めて苦悩しているあなたに「源氏物語」を、ぜひお勧めします。



長い間、私の「源氏物語」のお話にお付き合いいただいて、心から感謝申し上げます。


ありがとうございました。













 

最新の画像もっと見る