


キャーッ!
大変!
大変!!
大変~!!!
「一体、どうしたって言うの?」
私、今年中にどうしても書かなきゃいけない記事があるの!
な、なのに、今年はもうあとわずかしか残ってないわ。
わ~ん!
どうしよう?(涙)
今の私はまるで「不思議の国のアリス」の、帽子屋のヤマネさんと気違いお茶会をするために家路を急いでいる三月うさぎさんの心境そのもの!
つまり、とっても慌ててるって事!
しくしく…しくしく…
「だったら、どうして今まで、ずっと書かなかったの?」
だって、お仕事がめちゃくちゃ忙しかったんですもん…
最近、上司に気に入られて、どんどんお仕事を、私にまわすもんだから、ずっとてんてこ舞いしてたの。
私が好きだからって、度が過ぎるって言うの!
でも、でも、私、がんばる!
だって、その記事、来年じゃダメなんだもん。
それはね、今年が古事記編纂1300年にあたる年だからなの。
え?
なぜ、私が古事記について、書いてみたいのかですって?
それは、私の住んでいる宮崎県は古事記に書かれた神話と伝説に彩られた古式ゆかしい場所がいくつもあるからなんです。
しかも、私の地元の都城市も、古事記と、とっても深い関係にあるんです。
と言いますのも、仁徳天皇の妃の髪長媛(かみながひめ)は、私の郷土出身の美女なんです。
一番初めの写真の美女が、私の地元にある髪長媛のブロンズ像です。
古事記の仁徳帝妃にこんな記述があるそうです。
日向(ひゅうが)の国におとめあり
名を髪長媛、すなわち諸県(もろかた)の君 牛諸井が女なり
天皇専使を遣わして髪長媛を召し給う
また、この髪長媛は日本書紀では、美貌のうわさが高く、応仁天皇が使いを出して迎えたが、皇子のおおさざきのみこと(後の仁徳天皇)が媛に恋心を抱き、皇子に与えたと書いてあるとか。
私の郷土にすごい美貌に恵まれた女性がいて、仁徳天皇の妃にまでなった。
私はそれが、どれほど嬉しいか知れません…(涙)
もしかしたら、私って髪長媛の生まれ変わりじゃないかしら?
わ~!
冗談ですってば!
呆れて、読むのやめないで下さいませね♪
宮崎県はこのほかに古事記に書かれた場所がいくつもあるんです。
例えば、天孫降臨の地と言われる高千穂の峰に、天の岩戸に、海幸彦、山幸彦のお話の舞台になった鬼の洗濯岩、青島神宮、鵜戸神宮でしょう。
それに実在しなかったのではと言われる神武天皇ゆかりの地もあちこちにあるんです。
神武天皇が誕生した際に建てられた産屋あとに建立された小林市の皇子原神社、幼少期を過ごしたとされる日南市の駒宮神社、皇居と伝えられる宮崎市の皇宮屋、東征する時、船出した日向市美々津にある立盤神社などなど…
ね?
不思議でしょう?
実在しなかったはずなのに、こんなに沢山ゆかりの地があるって。
しかも、皇居まで、ちゃ~んとあるんですから。
だから、神武天皇は宮崎では実在したと信じられています。
そして、もしもですよ、その神武天皇が天下をおさめようと、東征さえしなければ、今頃、宮崎県は日本の首都になっていたかも知れない!
宮崎が日本の首都!!
つくづく残念だわ…
冗談はさておき、そろそろ映画のお話を始めますね♪
今回、私が「日本誕生」を取り上げたのは、古事記を題材にして作られたからなのです。
この映画は東宝が、映画製作1000本目を記念して、1959年に作ったそうで、スタッフや出演者も素晴らしい人ばかりです!
監督は「宮本武蔵」「無法松の一生」など、数々の名作を世に送り、世界的に認められた稲垣浩監督!
稲垣浩監督は大作映画を次々にヒットさせた人で、東宝の信頼があつく、東宝30周年記念映画も撮っています!
脚本は黒澤明監督作品も多く手掛けた菊島隆三さんと、日本シナリオ作家協会理事長の八住利雄さん!
撮影は、後に三船プロを支えた山田一夫さん!
音楽は「ゴジラ」で有名な伊福部明さん!
特撮監督はやはり「ゴジラ」で有名な円谷英二さん!
ねぇ、すごいでしょう?
だけど、役者さんだって、負けてはいません!
三船敏郎さん、司葉子さん、水野久美さん、香川京子さん、田中絹代さん、乙羽信子さん、杉村春子さん、久保明さん、宝田明さん、中村雁治郎さん、東野英治郎さん、平田昭彦さん、田崎潤さん、志村喬さん、上田吉二郎さん、藤木悠さん、左卜全さん、山田巳之助さん、天本英世さん、小林桂樹さん、加東大介さん、三木のり平さん、有島一郎さん、柳家金語楼さん、榎本健一さん、朝潮太郎さん、鶴田浩二さん、そして原節子さん!
夢の超オールスター・キャストと言って過言ではありません!!
これで面白くない訳がな~い!!!
この映画はイザナギとイザナミの神様が国を生むところから始まり、ヤマトタケル(オウスノミコト)を主人公に、古事記の神話世界を描いています。
そのなかで、私が最初に取り上げたいのは天照大御神(アマテラスオオミカミ)の天の岩戸隠れのお話です。
天の岩戸は実際に宮崎の高千穂町にあるのですが、このお話は日食をモチーフにしていると言われ、天照大御神の弟のスサノオノミコトが乱暴な振る舞いをしたので、天照大御神が天の岩戸にお隠れになり、この世は闇に包まれ、多くの災いが次々に起こったそうです。
そこで一計を案じたヤオヨロズの神様達が、天の岩戸の前で宴会を開き、アメノウズメノミコトが裸踊りをして、賑やかな様子に気になった天照大御神が覗いて、再び光が地上によみがえったのだとか。
ここで、私はどうしても言いたい事があります。
アメノウズメノミコトの裸踊りをストリップと勘違いしてはいけないという事です。
と言いますのも、私は映画評論をされる川本三郎さんがストリップについて、こんなふうに書いていたのを読んだ記憶があるんです。
あるお客がストリップ劇場で笑いながらショーを観ていたところ、「真剣にやってるんだから、笑わないで」と、踊り子さんにたしなめられたそうなのです。
まあ、そうですよねぇ。
自分の大切なところを見せる訳ですから、笑いながら観るのは失礼ですよね。
たぶん、その踊り子さんは、お客さんに生つばゴックンして興奮しながら観てほしかったのでしょうね?
でも、宴会でする裸踊りというのは基本的に宴会を盛り上げるためにするものですから、笑っても全然オッケーなんじゃないでしょうか?
私は人生で、3回、実際に宴会で男性の裸踊りを観てますが、いずれも地位のある人が女性のふりをして、笑われて、人間関係の潤滑油の目的でしているように思えましたから。
少々、お話が脱線してしまいましたが、天照大御神を演じたのは、あの大女優原節子さん、その人なんです。
そのお姿の気品あふれる神々しさに、私は思わず泣いてしまったんです…
そして、原節子さんはまさに天照大御神にぴったりだと思いました。
日本にはヤオヨロズの神様と言って、沢山神様がおられますが、そのなかで最高の神様が光を司る天照大御神なのです。
この世で、一番大切なものは光なんですね。
原節子さんは小津安二郎監督の作品に多く出演されてますが、この映画の原節子さんを観て、私は原節子さんに、いつも女神様を観ていたのだなと、はっきり気づかされました。
ところで、最初に書きましたように、この映画はヤマトタケルを主人公にストーリーが進んでいくのですが、正義感が災いして、父親の景行天皇にうとんじられ、熊襲征伐(私の地元には実際に熊襲が隠れ住んだと言われる洞窟があり、熊襲を征伐した時に舞った熊襲踊りが今に伝わっています)や、東国十二国のあらぶる神を征伐するように言い付けられ、悲劇的な最期を迎え、白鳥になってしまいます。
私は古事記の成り立ちを考える時、このヤマトタケルのお話に、私たち祖先が持っていた深い思いやりや、あたたかい眼差しをどうしても感じずにはいられないのです。
と言いますのも、古事記は天皇の権威を増すために書かれたと言われているそうですが、天皇にうとんじられたにもかかわらず、ヤマトタケルが愛情深く描かれているからです。
やまとは 国のまほろば たたなづく 青垣 山こもれる やまとうるわし
ヤマトタケルが詠んだと伝えられる歌です。
日本人の精神を、考えてみるためにも、この「日本誕生」はとてもいい映画だなと、私は思いました。
あ~、なんとか書き終えたわ。
心配して下さった方もいらしたみたいなので、ほっとしちゃった♪
最後に、日ごろの感謝を込めて
チュッ♪
それではよいお年を~♪