
今月10月1日は、「ウルトラセブン」が放送されて、ちょうど50周年だったそうです
。
そこで、主役のモロボシ・ダンを演じた森次晃嗣さんやアンヌ隊員役のひし美ゆり子さ
んを始めとした当時の出演者やスタッフさん、そして大勢のファンの方々が集まって、盛
大なイベントがあったようです。
私も、今年は放送開始50周年ということで、6月に「ウルトラセブン」を観て、ブロ
グに書いたこともありました。
ですから、今回も何か、書かなくちゃなと思っていまして、前々から気になっていた平
成版の「ウルトラセブン」を観てみることにしました。
私が観たかった主な理由はモロボシ・ダン役の森次晃嗣さんとアンヌ隊員役のひし美ゆ
り子さんのほかに、フルハシ隊員役の毒蝮三太夫さんがご出演されていると知ったからで
す。
実は私が「ウルトラセブン」の中で一番好きだったのはモロボシ・ダンで、二番めは毒
蝮三太夫さんが演じたフルハシ隊員だったのです。

まず、なぜ、モロボシ・ダンが好きだったのかと言うと、美形で、安心感があって、信
頼出来ると思ってたからです。
それは、今年「ウルトラセブン」を観た時も、やはり、そう感じたんです。
実際、「ウルトラセブン」を制作すると決まった時、モロボシ・ダン役は、子供たちの
ヒーローであることから、第一に目がきれいな人でなければならないというのが、絶対条
件だったらしいです。
それで、森次晃嗣さんを選考するとき、満場一致で決定し、誰も異論を挟む人はいなか
ったとか。
今見ても、森次晃嗣さんはきれいな目をしてますよね。

世俗の垢に汚されずに、きれいな目を保ち続けている森次晃嗣さんは、本当に素晴らし
い人だなと思います。
だったら、なぜ、私は二番めに当時、石井伊吉という芸名を使っていた毒蝮三太夫さん
が好きだったのか、ちょっと不思議に思うでしょう?
それはね、この私自身、不思議だったんです。(苦笑)
数ヶ月前に「ウルトラセブン」を観た時は、キリヤマ隊長(中山昭二さん)、ヤマオカ
長官(藤田進さん)、タケナカ参謀(佐原健二さん)、ウルトラマンのスーツアクターを
つとめたアマギ隊員らも素敵だなと思ったのですが。
でも、今考えると、そうした人達はみな美形のタイプですよね?
だから、美形で言えば、私はモロボシ・ダンが一番好きだったので、同じタイプの人は
子供の私の眼に入らなかったのかも知れません。
ところが、フルハシ隊員の場合は、とても美形とは言いがたく、私の美意識とまったく
、かけ離れていたので、かえって内面の魅力がストレートに伝わったからじゃないかなっ
て気がしてるんです。(笑)
そんな訳で、子供の頃はフルハシ隊員の姿を見つけると、モロボシ・ダン同様すごく嬉
しかったんです。
あの~、くれぐれも勘違いしないで下さいね。
私、フルハシ隊員のこと、好きだって書いてるんであって、決してけなしてる訳じゃな
いですから。(苦笑)
そういえば、アンヌ隊員を演じたひし美ゆり子さんも、毒蝮三太夫さんが好きだったみ
たいで、撮影が終わったあと、よく一緒にお酒を飲みに行ってらしたそうです。
それを知ったほかの出演者で、「俺のほうが断然、いい男のはずなのに、なんで、いつ
もフルハシ隊員なんだ?」って、やっかんだ人もいたとか。
そのエピソードは、「アンヌからの手紙」にも書いてありますが、毒蝮三太夫さんは女
性が大好きで、雰囲気作りが非常にお上手だった何よりのエピソードのように思われます
。
そして、私は毒蝮三太夫さんを大人になってから、やっぱり、素敵な人だったんだなと
、あらためて思ったことがあったんです。
もうかなり前になりますが、テレビのワイドショーを観てたら、毒蝮三太夫さんが、ラジオ番組で、お年寄り相手に毒舌で、大人気だと紹介していたんです。
なんでも、毒蝮三太夫さんの毒舌に、お年寄りは怒るどころか、笑い転げて、元
気になっちゃうんだとか。
実際、その様子をテレビで映していたのですが、お年寄りはみな大笑い
して、曲がってた腰がシャンとなるくらい、若返ったように見えました。
その様子を見て、私は毒蝮三太夫さんて、すごいなあと心底思わずにはいられませんで
した。
毒舌を言って、怒られるどころか、大笑いさせて、元気になり、感謝されちゃうんですもん
。
これは、なかなか出来ることではありませんよね。
そういうことも、私は知ってましたので、なおさら毒蝮三太夫さんが平成に入ってから
演じたフルハシ隊長を見てみたかったのです。
そこで、「太陽エネルギー作戦」から観たのですが、まず、真っ先に登場したのは、モ
ロボシ・ダンでもなければ、フルハシ隊員でもなく、何と我らがアンヌ隊員だったのです
!

これはアンヌ隊員が「ウルトラセブン」にとって、重要なキャラクターだという証しで
もありますし、彼女が出ると、画面がパッと華やかになりますので、「ウルトラセブン」
の開幕を告げるのに、これほど絶好のキャラクターはいないということで、誰よりも早く
登場したのでしょうね♪
そのアンヌ隊員は、「太陽エネルギー作戦」では、ウルトラ警備隊を退き、一児の母親
になっていました。
私はアンヌ隊員が、我が子の名前を呼ぶ場面で、早くも涙ぐんでしまいました。
だって、その男の子は「ダン」という名前だったんですから。
きっと、アンヌ隊員は、モロボシ・ダンと別れたあとも、彼のことが忘れられず、生ま
れてきた男の子に「ダン」と名付けたんですよね。(涙)
だから、私はハンカチじゃ足りないくらい最初っから、ワンワン泣いてしまいました。
ところで、フルハシ隊長ですが、そう、フルハシ隊員はあれから、ウルトラ警備隊の隊
長になっていたんです!

でも、涙もろくて、情に厚い性格や風貌に加え、ちょっと荒っぽい台詞を聞いたら、「隊長」よ
り、「親方」とか「大将」と呼びたい気がしないでもなかったです。(苦笑)
でもですね、フルハシ隊員、「平成ウルトラセブン」で、隊長として出てきたかと思っ
たら、あれは4作目だったかしら?すぐに参謀に昇格したんです!
昭和の「ウルトラセブン」で佐原健二さんが演じたタケナカ参謀は、この作品では長官
として登場していて、お元気なお姿を拝見出来たのも嬉しかったです。
そういえば、「太陽エネルギー作戦」には、ほかにも懐かしい人が沢山、出てらっしゃ
いました。
「ウルトラマン」の出演者のハヤタ隊員役の黒部進さん、フジ・アキコ隊員役の桜井浩
子さん、イデ隊員役の二瓶正也さんなどです。
でも、肝心のモロボシ・ダンは出てなくて、代わりに森次晃嗣さんはナレーターを務め
ていました。
モロボシ・ダンが登場したのは第2作めの「地球星人の大地」からで、運動して体を鍛
えてらっしゃるのか、すごくがっしりした体つきで、上半身裸の場面もあって、思わずド
キドキしちゃいました。(真っ赤)
そういえば、ガッツ星人やエレキング、メトロン星人、キングジョーなど、敵役にも懐
かしい顔ぶれが揃ってましたし、主題歌やBGMも昭和の「ウルトラセブン」のものを、そ
のまま使用していて、平成の「ウルトラセブン」をすんなり観ることが出来ました。
そういう訳で、平成に制作された「ウルトラセブン」を全部で11本、(そのうちテレ
ビスペシャル2本、ウルトラセブン30周年記念3部作、1999年最終章6部作)を観
たのですが、総括しますと、初めのうちは環境問題がクローズアップされ、自然エネルギ
ーとしての太陽に光を当てる姿勢が鮮明に打ち出された非常にメッセージ性の強いものを
感じました。
特撮について言えば、制作開始当時の1994年は、バブル崩壊直後の平成不況下にあ
り、昭和の「ウルトラセブン」と比較すると、怪獣と戦う場面が建物も何もない山奥ばか
りで、ちょっと物足りない感じがしないでもありませんでした。
ところが、1999年最終章6部作の第1作め「ウルトラセブン栄光と伝説」はその当
時最新の特撮技術を駆使し、怪獣が都会で大暴れして、いくら特撮にお金かけたんだろう
?って思うくらい破壊の限りを尽くしていて、それまでの溜飲が一気に下がって、すごく
すっきりすることが出来ました♪
もしかしたら、この爽快な気持を味あわせるために、それまでの作品で、あえてお金を
かけなかったかもなと思わないでもありませんでした。(笑)
また、1999年最終章6部作から、主題歌を佐々木功さんが歌うようになり、「ウル
トラセブンのバラード」というエンディング曲も付け加えられ、昭和の「ウルトラセブン
」を彷彿とさせるSF色が強い作品になり、それまでのウルトラセブンにばかり固執するの
でなく、優れた面を踏襲しつつも、新たなウルトラセブンを創造しようという意欲が感じ
られて、私は、このシリーズが一番、面白く感じました。例えば、「空飛ぶ大鉄塊」では
20年前に書かれた物語のロボットが現実に現れますし、「約束の果て」は昔話の浦島太
郎をモチーフにしています。
でも、それは1994年の「太陽エネルギー作戦」あればこそですから、初めから順に
観たほうが絶対いいです♪
そして、私が平成の「ウルトラセブン」をいいなと思った理由に、30周年記念3部作
の「失われた記憶」のモロボシ・ダンのセリフがあります。
「私たちの存在を証明するのは積み重ねられた記憶の一つ一つ。
そこには楽しい記憶ばかりでなく、辛い記憶、悲しい記憶もあるかもしれません。
それでも人はそんな記憶とともに生きていくのでしょう。
また、新たな記憶を求めて・・・」
それに、佐々木功さんが歌うエンディング曲の歌詞も心に響きます。
♪いつの日か 光射して 生きる喜び満ちるまで
熱い思い 胸に抱き 明日の夢に生きよう
ね?
私たちは生きている限り、辛いことや悲しいこと、またどんなに苦しいことがあっても
、少しづつでもいいから前に進まなくちゃいけないんです。
あの頃はよかったなと、くよくよ過去ばかり振り返ってばかりでは、決して幸せが訪れ
るはずはないですから。
あの、もう少しで、この記事、終わりにしたいのですけど、最後にもう一つだけ書かせ
て下さい!
実は、1999年最終章の1作めの「ウルトラセブン 栄光と伝説」で、フルハシ参謀
は亡くなってしまうんですが、最後の6作めで奇跡が起きちゃうんです!
まさか、まさかの展開!
最後の締めくくりに、フルハシ参謀が!!

私は、その場面にモロボシ・ダンとフルハシ参謀の熱い男同士の友情を見た思いで、子
供の頃、モロボシ・ダンとともに、フルハシ隊員が好きだった私の目に狂いはなかったと
感激でいっぱいになっちゃったのでした♪
これにて、オシマイ♪♪♪