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奈々の これが私の生きる道!

映画や読書のお話、日々のあれこれを気ままに綴っています

マンガ「バナナブレッドのプディング」大島弓子

2011-02-28 05:40:51 | 読書
この作品は、少女マンガ通の人に言わせると、萩尾望都さんの「トーマの心臓」と並んで、少女マンガの最高傑作と呼ばれているそうです。
でも、私はなぜ、この作品がそう呼ばれているのか、よく分からないのです。
もしかしたら、この作品の抽象的で難解な部分が、謎解きの楽しみが味わえるので、その点が高く評価されているのかも知れません。
この「バナナブレッドのプディング」を読むと、私は遠い少女時代の、大人になる事の恐れと焦燥感を募らせていた頃が鮮やかによみがえって来ます。
主人公の女子高生、三浦衣良は、敬愛していた姉の結婚を機に、精神に変調をきたしてしまいます。
そこで、友達の御茶屋さえ子が考えた特効薬とは、衣良にボーイフレンドを与える事でした。
つまり、恋する楽しさを味わっているうちに、姉がいなくなった淋しさを忘れちゃおうって訳♪
ところが、衣良の好みの男性のタイプを聞いて、さえ子はびっくり!
それもそのはず、「世間に後ろめたさを感じている男色家の男性が私の好みなの」と、衣良が答えるのですから。
という事は、何?
自分は愛されなくてもいいって事なの?
相手は男性だから、その点は申し分ないけど、それでは恋愛関係に、まるで発展しないじゃない?

そんな難しいリクエストに答えてくれる男性なんて、そう簡単には見つかりません。
さえ子は悩んだあげく、プレイボーイの兄、御茶屋峠に、世間に後ろめたさを感じている男色家の男性を演じさせ、衣良に勧めます。

そうして、衣良は、峠と付き合い始めるのですが、衣良が普通に女性が好きな男性ではなく、世間に後ろめたさを感じている男色家の男性に惹かれる点に、この作品の重要なテーマが隠されています。
それは少女から大人の女性になる過渡期に、誰しも避けては通れない道なのかも知れません。

御茶屋峠という名前の峠の由来は、越えなければならないものという意味が隠されているからです。

だけど、大人になるって、一体どういう事なのでしょう?

自分の意見や行動に責任を持ち、自らの意志で生きる事がまず考えられますよね?

それと同時に、この作品は、人を愛する事や、性に正直に生きる事の大切さも教えています。
実は、タイトルのバナナブレッドは、男性のシンボルを、プディングは女性のシンボルを、それぞれ表していると言われています。

だけど、頭では分かっていても、なかなか実行に移せないのが、乙女心というものですよね?(笑)
そのか弱き乙女の胸のうちを、この作品は主人公の衣良に代弁させているのです。

思えば、私も衣良みたいにイライラして、不安定な時期がありました。(苦笑)

いつまでも子供でいる訳にはいかない。
誰かの敷いたレールを言われたまま歩くのでなく、いつかは自分の意志で歩かなければ。
だけど、羞恥心やそれまで教わった道徳心で、素直に自分を表現出来ないし、また周囲の目が気になって、よく反発したものでした。
男性が、みんなエッチに思えてきたりしてね。(笑)

だって~、体育の授業の時、バレーボールなんかしてるとですね、先生からして、鼻の下を伸ばして私たちを見てたんだもん。(笑)

私も一応、性への興味はありましたけど、なんか違う。
そういう目で、私を見ないで!という反発心あったなぁ…

また一途にある事を思い詰めて、周りが見えなくなったり。

そして、周りの人達に理解出来ないちっぽけな事が、私にはとても大切な事だったり…

大人になるって、もしかしたら汚れる事なのかも知れない。

だったら、私、大人なんかになりたくない!


そんなあれこれ、思い悩んでいた少女時代が、この「バナナブレッドのプディング」を読むと鮮やかによみがえってきます。


でも、悩んでばかりで、どうするの?

と疑問に思ったあなた、その心配はご無用なのです♪


なぜなら、その解決法は、この作品のエンディングにちゃんと書いてあるからです。


まるで、ゆりかごに揺られているみたい…


そうして、私たちは母になり、次の世代への橋渡しをしていくのですね?





追伸
Yちゃんさん、今も私のブログ読んで下さってますか?
もし読んでらしたらコメントいただけると嬉しいです♪
別に何でも構いませんので。
私は、Yちゃんさんが、大島弓子さんがお好きだと聞いて、懐かしい人に会ったみたいで嬉しかったです。






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10 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (Yちゃん)
2011-02-28 21:13:45
奈々さま、ありがとう。なんだか涙が出てきた。

「バナナブレッドのプディング」を大事に読んでくれている人がいることは、
私にとっては自分を大切にしてもらっていると同じことなんです。
私は自分の心の闇をだましだまし、どうにかうまく生きてきていますが、
「バナナブレッドのプディング」を読んでこそ、なのです。
連載開始の1ページ目で「きょうはあしたの前日だからこわい」という
衣良の言葉を読んで、勝手に自分の分身と感じてしまい、
それ以来、別名を三浦衣良にしてしまったくらいでした。
連載は5回しかなかったのですが、毎号心待ちにして、
どうか衣良にハッピーエンドをと願っていました。
その毎回の1ヶ月が長くてね。
最後に沙良の夢の中で、自分のおなかの中の赤ちゃんへの
「まあ生まれてきてごらんなさい」「最高に素晴しいことが待ってるから」
という呼びかけを読んで、自分にこれまで起こったすべての悪いことに対して
許容できるような気持ちになれるような気がしたと思います。
本当にすべてを許容できるようになるのは、まだまだ先で死ぬまでかかえてしまうかもしれませんが。

この作品の謎解きや解釈は、読んだことがないのですが、
御茶屋峠さんという名前はね、私は険しい山道の途中にある峠の茶屋で、
ひとやすみできる場所だと思ってました。

作者の意図とは違ったかもしれませんが、感じ方は人それぞれで、いいですよね?
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Yちゃんさんへ (奈々)
2011-02-28 22:11:29
Yちゃんさん、今も私のブログを読んで下さっていたのですね。
ありがとうございます♪
私は、Yちゃんさんが「バナナブレッドのプディング」が好きだと教えて下さった時、うっかりしていたんです。
私は、この作品をリアルタイムで読んだ事はないのですが、ちょうど高校生の時に連載されていて、もしかしたら私と年齢が近いのでは?と思っちゃったのです。
もちろん、私の方がいくらか上だとは思いますけど。(苦笑)
私は、この作品が少女マンガの最高傑作だと知ってから、何度も読んでいます。
衣良の気持ちは、私の高校時代を思い出させてくれますね~。
私も衣良みたいに一途に思い詰めるタイプで、しかも読書ばっかりしていて現実をあまり見ない生活を送っていたのです。
自分が何に向いているか分からないし、どう生きればよいかも分からない。
そして、一見、どうでもいいような事が自分にはとても大切に思えたりしていました。
この作品の解釈は、いくつか読んだ事があるのですが、みな人それぞれですので、Yちゃんさんなりの解釈で構わないと思います。
この作品が描かれた頃、ピーターパン・シンドロームという大人になりたがらない子供の事が話題になっていましたので、そんな子供たちへのメッセージなのかな?とも思いました。
衣良の姿は、忘れかけていたものを思い出させてくれて、なんだか心が浄化される気がします。
大島弓子さんは、ほかにも沢山好きな作品がありますので、これからも感想書いていきますので、引き続き、お読みいただければ嬉しいです♪

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Unknown (奈々さまへ)
2011-02-28 22:27:26
お返事ありがとうございます。
実は私もちょうど高校生の時に連載されていたのでした(笑)。
高校生の頃、私も現実離れしていました。というか現実逃避。大学も一番現実から遠ざかるような学部を選択したりして。
ときどきBLOGを覗かせていただいてますので、これからもよろしくお願いいたします。

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Yちゃんさんへ (奈々)
2011-02-28 22:46:26
Yちゃんさんも、この作品が描かれた頃、高校生だったのですね?
だったら、私のおおよその年齢お分かりですね。(笑)
この年齢で、こんな文章書いてるのって、大笑いでしょ?(笑)
こんな私ですけど、これからもよろしく♪


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お邪魔します (ちはる)
2011-03-01 06:39:54
全くマンガを読まない私が登場してごめんなさい。
でも実は昔、里中満知子さんのマンガが好きで読んでいたんですよ。
結構男と女のドロドロ内容が多かったような気がします(笑)

大人になると言うことは、器が大きくなると言うことで、私は年を取ることは決して嫌ではないのです。

実は奈々さんに教えてもらいことがあってコメント欄に書かせて頂いています。

アメブロのペタの拒否の仕方を教えて下さい。
お願いしますね。
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ちはるさんへ (奈々)
2011-03-01 10:29:45
ちはるさん、里中満智子さんのマンガ、お好きだったのですね?
私はあんまり読んでいないのですが、芯の強い女性が主人公のお話が多いみたいですよね。
どろどろした人間関係、う~ん、大人になる事は、いくつもの試練を乗り越える事なのかも知れませんね~。
アメブロのペタの件ですけど、ちはるさんのペタ帳を見せてもらったら、足圧関係者の方が沢山ペタを捺しているじゃないですか。
しかも、谷川先生まで。
ちはるさんの場合、お仕事のために、アメブロを書いている訳ですから、お仲間との連帯感を高めるためにも、ペタは続けた方がいいと思いますよ。
谷川先生はペタをチラシみたいなものって、おっしゃっていましたし。
ちはるさん、ペタを積極的に使ったら、どうでしょう。
プロフィールで、札幌在住の人を検索して、ペタをどんどん捺しまくる。
そうすれば、ちはるさんのブログを読んで、お店に来る人がいるかも知れない。
ちはるさん、ペタを拒否しないで、積極的にお仕事に活かす方法を考えた方が得策ですよ♪
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Unknown (ちはる)
2011-03-01 19:18:26
奈々さん、ありがとう。
でも、なんだか片っ端からペタを押すやり方がどうも好きでないのです。
本当に私のブログが好きで読んでくれているgooのブログに比べてアメブロは自分のブログを読んで欲しいからペタを押しまくる人が多くて・・・内容なんて殆ど読んでいないと思います。私は知っている人のブログしか読まないし、ブログで集客に繋げるなんて可能性薄いと思っています。
現に3年以上gooのブログをやっていて親しくなれた人は奈々さんと鹿児島のえいこさんだけですもの。お二人とも九州なのでお客様になんて無理でしょう?(笑)
ブログで集客なんて出来ると思いますか?
そんな労力を使うくらいなら、自分の足でチラシを配ったり営業した方が私的には気が楽なんです。
そんな気持ちがあって聞いてみたのですが、今日知っている人が私のブログを見つけたみたいで初めてペタを付けてくれました。
だからやはり奈々さんの言う通りこのままにしてようと思います。
奈々さん、ありがとう!
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ちはるさんへ (奈々)
2011-03-05 10:08:56
ちはるさん、私がペタ帳を作っていた時は、アフリェイトをやっていて、ブログで商品を販売している人が多かったです。
私は、それを見て、世の中には商売熱心な人が多いんだなと思っていました。
ペタ帳の有効利用って、いろいろありそうですね?
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漫画同好会(名前検討中 (キャンディ・キャンディ&村石太事件)
2011-03-05 15:50:24
最高傑作で 検索しています。
男の中年が 読んでも おもしろいかなぁ?
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リコメ、遅れてごめんなさい! (奈々)
2011-03-06 13:35:23
キャンディキャンディ&村石太事件さん、最高傑作にご興味があるのですね?
それは素晴らしい心がけだと思います♪
私も、このマンガが最高傑作なら、ぜひ読まなくては!と思って読んだのですから。
もちろん、あなたが読まれても面白いと思いますよ。
この作品の主人公は大人になるのに、不安と恐れを抱いていて、揺れる心理状態の清純な乙女心を余すところなく描いています。
きっと、中年男性のあなたにも気にいっていただけると思います♪
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