

今回は、私がリアルタイムで読んで、一番好きな手塚治虫先生の漫画「ブラックジャック」のお話をしたいと思います。
この作品は手塚先生の漫画家生活30周年を記念して、少年チャンピオンに掲載されていました。
この頃から、手塚先生は生きながらにして、「漫画の神様」と呼ばれていたのですよ♪
漫画の神様の描いたものだったら、読まなくちゃダメですよねぇ。(笑)
この漫画は、無免許医のブラックジャックが、神業と呼ばれる腕前で、回復不可能な患者を助けるストーリーで、毎週読み切りという形で、手塚先生が創作したキャラクターが総登場していました。
例えば、ヒゲオヤジとか、サファイアとか、ロックとかが出てくるんです。
だから、私はこの登場人物はどの漫画に出てたのかと当てっこするのが、とても楽しみでした。
それに、この作品は少年漫画にもかかわらず、女の子に興味のある恋愛ものやメロドラマ風のものもあって、私は毎回、感動して泣きながら読んでいたのです。
また、ページの余白に編集の人が書いた手塚先生の近況が載っていて、それを読むのも楽しみにしていました。
ところで、「ブラックジャック」といえば、忘れてならないのは、ピノコです。
ピノコは、ある女性の腫瘍(できもの)から、生まれた女の子で、見た目は7~8歳程度にしか見えませんが、実際の年齢は18歳なのです。
ピノコは、ブラックジャックが大好きで、ある時は手術の助手であり、自称恋人や奥さんでもあるのです。
そのピノコが巻き起こす事件も数知れず、往々にして窮地に立たされるブラックジャックなのですが、いつもあたたかく見守ってくれて、本当に二人が結ばれたらいいのになあと、私はよく夢想していました。
ところで、初めに載せた画像は、「ピノコ・ミステリー」で、ピノコがブラックジャックの机に置いてあった小説の原稿を読んだのが原因で、騒動を起こし、ブラックジャックにお仕置きをされる場面です。
私は今でも、このお仕置きをどれほどうらやましいと思っているか知れません。
先生、お願い。
私のお尻も丸だしにして、お尻ぺんぺんして下さらないですか?
ところが、実を言うと、ピノコは幼い頃の私そっくりなんです!
実際、その当時の私はピノコの年齢より、少ししか離れていなかったのです。
では、私がピノコにどれくらい似てるのかピノコ語を使って文章を書いてみますね♪
ピノコのモデユは、手塚先生の娘のルミ子さんと言わえてゆやしいけろ、本当はこの私なんでちゅから~!
少年漫画はいよいよあゆけど、恋愛あり、メロドラマありの「ブラックジャック」が最高なのよさ。
「ブラックジャック」はね、手塚先生の漫画で、もっとも好かえてゆ漫画なのよ。
その証拠は古本屋さんに行けば、「ブラックジャック」が沢山置いてあゆのでもわかゆわ。
あれっ?
あのさ~、なんで一旦買った「ブラックジャック」を手放すのよさ。
座右の書として、あゆいは家宝として、手放しちゃダメれしょう。
アッチョンブリケ~!!
どうでしょう?
そっくりでしょう。(笑)
ところで、この「ブラックジャック」はそれまでの手塚先生の作品と違って、深い人生の苦悩がいくつも書かれています。
それは、当時、手塚先生は漫画とともにアニメにも携わっていて、虫プロが倒産するという苦難を受け止めなければならなかったのと決して無縁ではないと思います。
虫プロが倒産し、世間では手塚はもうダメだと見捨てる人も多かったと言います。
だけど、先生は何とか立ち上がろうと必死に「ブラックジャック」を描き続けたのです。
幾多の人生の苦渋や辛酸を嘗めながらも、死に物狂いで描き続けた「ブラックジャック」が感動を呼ばないはずがありませんよね。
この漫画は手塚先生の後期を飾る大ヒット作となり、足掛け11年間も続きました。
実は手塚先生の少年漫画の最後の作品「ミッドナイト」にも、主要な役割としてブラックジャックは登場しているのですよ。
これに私は最後の最後まで人を救いたかった手塚先生のあたたかい気持ちを汲み取らずにはいられないのです。
「ブラックジャック」は人生に悩み、絶望の淵に立たされた時に読んで、希望の光を見いだしたいと願わずにはいられない手塚先生畢生の名作だと思います。