
今はそれほどでもないですが、私は子供の頃、不思議なことが大好きでした。
だから、テレビや漫画雑誌で取り上げられるヒマラヤの雪男や、ネス湖のネッシーや、座敷わらしに興味を持っていましたし、信じてもいました。
実際、テレビや漫画雑誌ではあたかも実在しているかのように伝えていましたので、純真で汚れを知らない子供の私はすぐに信じ込んでいたのです。
そんな私が、とりわけ興味を持っていたのは、空飛ぶ円盤でした。
その乗り物には宇宙人が乗っていて、どこか遠い星から、地球にやってきているらしいです。
しかも、その乗り物、スピードがメチャメチャ速いみたいで、見えたと思ったら、パッと消えたり、瞬間移動が出来るそうなのです。
つまり、地球人以上の高度な文明を持った宇宙人が、空飛ぶ円盤に乗っているというのです。
これは、本当でしょうか?
もし、本当だとしたら、私も空飛ぶ円盤を観てみたいな。
そうして、空飛ぶ円盤の存在を知ってからというのも、子供の頃の私はよく空を見上げては、空飛ぶ円盤を探し求めるようになっちゃったのです。
今回、ご紹介するテレビ番組「謎の円盤UFO」は、そんな時に放送されたのです。
だから、私はワクワクしながら、テレビの前に座って観ていたのですが、なぜか、すぐに観るのをやめてしまった記憶があるのです。
どうして?
あれほど、空飛ぶ円盤に興味を持っていたはずなのに??
だけど、残念ながら、遠い昔のことなので、その理由はすっかり忘れてしまいました。
それで、その理由を確かめたいのと、登場人物の女性がセクシーなコスチュームを着ていた訳を知りたくて、今回、初めて全26話、観てみることにしたのです。
まず、私の目を引きつけたのはジェリー・アンダーソンの特撮の素晴らしさですねえ。
このドラマは、ストレイカー最高司令官率いる地球防衛組織SHADO(シャドー)と、UFOで飛来する宇宙人との攻防を描いたもので、当時の最新技術を駆使して作ったというメカがいくつも出てくるのです。
SID
宇宙からの侵入者を探知する衛星

スカイダイバー 哨戒
スカイ1 大気圏で迎撃

モービル

ムーンベース 追跡基地
インターセプター配備

これらが、本物みたいにしっかり出来ていて、動きまでスムーズなのです。
特撮だけでも、見応え十分です!
ところが、しばらく観ていたら、ストーリー展開や場面転換を、台詞に頼らず、映像だけで処理しているところが、随所にあり、しかも、それをさり気なく現していて、ちょっと理解しずらく、繰り返し再生する場面がいくつもあったのです。
これは、非常に高度なテクニックで、ちょっと見過ごしてしまうと、たちまち前後の脈絡が把握できなくなりますし、映像の意味を捉えるのに、かなり頭を使います。
はっきり言って、この番組は子供に理解するのは難しい!
しかも、SHADOの外敵(UFOだけじゃなく、人間も含まれる)との戦いも、子供が面白がるようなエピソードでない回も多々あり、どうかすると、エンターテイメント性が二の次になっているかのような印象を受けるのです。
だから、子供の頃の私にとって、この番組は難解で、つまらなかったので、すぐに観るのをやめてしまったのだと思います。(苦笑)
この番組が好きだったという男性の感想を読んでも、特撮やメカの素晴らしさをあげている人が多く、肝心のストーリーに言及している人は少ないです。
でも、待って下さい。
だからこそ、大人になった今、観る価値があるんです!
それで、今回、初めて全26話観てみたら、この番組の隠れた意図が見えてきちゃったのです。
それは登場人物の女性の体の線がはっきりわかるコスチュームや、胸の谷間を、ことさら強調しているところから解けてきたのです。


しかも、どの女性もそのセクシーなコスチュームに合った色っぽい人が多いです。
なぜ、そんな女性ばかりなの?
そういう具合に、初めはその点に注意して観ていたのですが、今の私は大人の女性ですから、だんだん、男性キャラに意識が移っていったのです。(苦笑)
ちょっと、怒りっぽくて厳しいけど、私の一番の好みは、ストレイカー最高司令官かも?(真っ赤)
ところが、しばらく観ていたら、ストレイカー最高司令官の片腕アレックス・E・フリーマン大佐に代わって登場したポール・J・フォスター大佐に釘付けになってしまったのです。

フォスターは、甘いマスクで、女性に優しいんです。
しかも、不審人物と思われる女性には気があるかのように装い、相手の女性も、フォスターを好きになり、その気にさせてしまうのです。
しかも、女性とのキスシーンは、一人や二人ではないんです。

ああ、フォスターだったら、私も何もかも許せそう・・・(真っ赤)
冷たいストレイカーより、フォスターがだんだん、よく見えてきたのです。
ところが、「ムーンベース衝突コース」というエピソードで、真面目一徹だと思っていたストレイカーが、セクシーな女性にメロメロになり、自宅にまで招いて、熱く抱擁し、キスを始めちゃったのです!

これには、びっくり!
ストレイカーも、女性の気持ちが分かるの!?
やがて、場面は寝室に移り、そこには下着姿だけの女性が。

このあと、どうなるのかしら?
ベッドの上で愛を確かめあっちゃう??(真っ赤)
だけど、予期せぬ出来事が起き、女性は詐欺の常習犯で、何度も男を騙していたことが明白になるのです!
電話で、そうと知ったストレイカーは女性に、「何だ、その姿は!途中で、気が変わって、本気になったと言いたいんだろう。私を見損なうな!!」 と怒鳴るのです。
そのセリフに驚いた女性は、「なによ、そんなに人が信用出来ないの?私だって、女よ。あなたは氷みたいな男よ!」と泣き叫んで出ていったのです。
この二人のやり取りで、何かが、私の中で、プツン!と切れたような気がしました。
私だって、女よ!
ストレイカー、あなたは女性の恋心がわからないの?
どこまで冷たい人なの!!
私はいつしか、その女性の心情に同化して、ストレイカーが憎らしくてたまらなくなりました。(涙)
私、「謎の円盤UFO」観るのよそうかな?
もう、ストレイカーの顔なんか見たくもない・・・
一旦はそう思ったのですが、ようやく落ち着きを取り戻した私は何とか最終回まで観る決心をしました。
そして、「宇宙人・地球逃亡!」という最終回の一つ前のエピソードで、ストレイカーが、なぜ、女性に冷たい印象を与えるのか判明したのです。
その回によると、ストレイカーにはかつて、メリーという奥さんと、ジョンという一人息子がいたようです。
だけど、ストレイカー率いるSHADOが、UFOと戦っているのは極秘事項で、誰にも知られてはならなかったのです。
それは、妻であるメリーにも言える事で、UFOが地球を侵略しに来ていることを、多くの人が知ったらパニックが起こり、世界の平和と秩序が保たれなくなるのを防ぐためでした。
しかし、そんな重大な任務を遂行していることを、一切、知らされないメリーは、息子ジョンの父親としての資格に欠けるとみて、ストレイカーと離婚したのでした。
いくら、重大な任務とは言え、ストレイカーは妻メリーや息子ジョンを愛していなかったのでしょうか?
でも、ストレイカーは休暇があると、息子ジョンに会いに行き、ジョンもストレイカーが来るのを楽しみにしていたようです。
例え、離婚して、離れ離れになっても、息子ジョンはストレイカーが好きだったのです。
だけど、妻メリーはストレイカーと離婚後、ほかの男性と再婚していて、ストレイカーに、息子ジョンにあまり会いに来てほしくなかったのです。
そして、その日、ジョンは大好きな父親ストレイカーにプラモデルを見せたくてたまらなかったのです。
だから、「パパ、待っててね」と言ったのに、メリーが一刻も早く、ストレイカーに帰ってほしいと言ったばかりに悲劇が起きてしまうのです。
ジョンは車で走り去るストレイカーの後を追って、車にはねられてしまったのです。
その時、ジョンはまだ生きていたのですが、抗生物質アレルギー体質だったため、特別な薬を必要とし、ストレイカーはジョンを助けたい一心で、わざわざ、ニューヨークから輸送機をチャーターして、ロンドンに運ぼうと手配するのです。
時間は一刻の猶予もなかったのです。
ところが、そこへ運悪く、UFOが襲ってきて、撃退するため、SHADOのメンバーが、その輸送機を必要とし、それがために、ジョンのもとに薬を届けるのが遅れてしまうのです。
その時のストレイカーの苦悩に歪む顔と言ったら・・・
そして、その結果・・・
一旦は、女性の気持ちのわからない冷酷非情な男と、ストレイカーを決めつけていた私でしたが、人間ストレイカーの一端を垣間見て、私はもう何も返す言葉を見つけることが出来ませんでした。
メリーが離婚したのは、ストレイカーの任務が極秘事項だったため証さなかったからですが、UFOから地球を防衛するためと知っている私はストレイカーを許さなくてはならないのでは・・・
今回、「謎の円盤UFO」を全部観終わって、また一つ、大人になったような気がした私でした。
ストレイカーに、フォスター二人とも最高です♪