今年の干支に因んだ記事は、今回が最終回になります。
そこで、それに相応しいものは何かと考えたら、これしかない!という結論に達しまし
た。
それは、ジャジャン!映画の「キングコング」です!!
キングコングは、巨大なゴリラの怪獣で、知らない人はない超有名な怪獣です。
え?
「だったら、今年の干支の猿とは関係ないじゃん。」
と思いました?
でも、これでいいんです。
前回、「宇宙猿人ゴリ」を書いた時、良しとしましょうと言って下さった方がいらした
んです。
だから、きっと、これもいいはずなんです。
だって、そう言って下さったのは、あの怪獣博士ですから~♪
じゃあ、はりきって参ります!
この映画が作られたのは、1933年で、銀幕狭しと大暴れするキングコングに、当時
の人は大変、驚き、空前の大ヒットを記録したそうです。
しかも、この映画は怪獣が大暴れするだけのお子様向けのただの映画と違って、映画史
上に怪獣映画という一つのジャンルを築き上げた記念すべき名作映画なのであります。
そう、「キングコング」は、怪獣映画の元祖なんです!
この映画を観たレイ・ハリーハウゼンは、ストップモーションアニメを志し、1953
年に、「原始怪獣現わる」を作り、それが「ゴジラ」誕生の大きなきっかけになったそう
です。
また、「キングコング」は特撮の神様、円谷英二にも多大な影響を与えたことで知られ
ているとか。
そして、驚いたことにキングコングは、あのゴジラと戦ったこともあるんです!
それの何がすごいって、タイトルが、ゴジラより、先になってるんです。
「キングコング対ゴジラ」
ゴジラは、キングギドラや、モスラをはじめ、何匹もの怪獣と戦ってますが、ゴジラよ
り先に対戦相手の名前があるのは、「キングコング対ゴジラ」と「モスラ対ゴジラ」の2つだけなんです!!
それに、この作品は1255万人を動員し、ゴジラ映画史上最高のヒット作となって、東宝がゴジラ映画を作り続ける大きな原動力になったとか。
キングコング、すごい!!
おまけに、この映画で、キングコングは日本に上陸し、ある美女を好きになっちゃいま
す。
それが、誰あろう、映画「007は二度死ぬ」で、日本のボンド・ガールとして、勇名
を馳せたあの浜美枝さんではありませんか!
ジェームズ・ボンドに好かれたばかりか、キングコングにまで!!
この浜美枝さんの演技がすごいのです。
元祖「キングコング」の美女フェイ・レイは絶叫で、有名になり、以後、絶叫女優とし
て、数多くの映画で、絶叫しまくったそうですが、浜美枝さんも負けてはいません。
ていうか、「助けて~」という叫び声を何度も連発してるのですが、とても美女が発し
てるとは思えない凄まじい叫び声なんです。(苦笑)
でも、それだけに真に迫っていると言えなくもないです♪
でも、ワタシ的には、「キングコングの逆襲」での某国の女スパイの、男をたぶらかす
悪女っぷりも素敵だなと思います♪
ところで、「キングコング」は、あの「サヨナラ、サヨナラ、サヨナラ」で、有名な淀
川長治さんも、ご自身が推薦するクラシック名画ベスト100で、名作映画の一つに挙げ
ておられます。
淀川長治さんによると、「キングコング」が、日本で封切られた時、キングコングの迫
力ある素晴らしい特撮映像に、実在してるのでは?と、勘違いした人が大勢いたそうなの
です。
では、「キングコング」のどこが素晴らしいのでしょう?
「それは、キングコングが恐竜と戦ったり、エンパイア・ステート・ビルに登って、飛
行機を叩き落としたり、大暴れするところに決まってるじゃないか!あれこそ、怪獣映画
の醍醐味さ!あの場面、最高♪」という声が聞こえてきそうです。
でも、淀川長治さんは、もっと詳しく、分析されています。
キングコングが、ただ大暴れするだけでは、あれほど多くの人の心を捉えることは出来
なかったに違いない。
キングコングは、美女を好きになり、優しい気持ちが芽生えてくる。
戦うだけでは、心は次第にすさんでいくばかり・・・
誰にとっても、愛は大切なものなの・・・
キングコングは、その愛を人間の女性に見つけ、安らぎを得ようとする。
だけど、それは許されない愛だった。
そして、エンパイア・ステート・ビルでの場面のあと、悲劇的な運命がキングコングを
待ち受けている。
微動だにせず、冷たくなった巨大なキングコングに、ある男がそうなった理由を言って
、この映画は幕を閉じるのです。
「美が野獣を射止めたのだ」
かくして、「キングコング」は不朽の名作になったのです・・・
ところで、キングコングを主役にした映画はほかにもいくつかあって、私はこの記事を
書くにあたり、観られるだけ観ました。
それも、せっかくですから、ご紹介しますね。
「コングの逆襲」1933年制作
これは、「キングコング」の大ヒットを受けて作られた後日談で、キングコングの息子
が主役として登場します。
「キングコング」の半分の制作費で作られただけあって、あまり見せ場はないですが、
子供のコングが可愛いので、女性向けと言っていいでしょう。
「キングコング」1976年制作
この作品の白眉は何と言っても、キングコングに愛される美女をジェシカ・ラングが演
じていることでしょう。
この作品が、ジェシカ・ラングのデビュー作になるらしく、のちに「郵便配達は二度ベ
ルを鳴らす」で演じたお色気の萌芽を、これでもか!というほど、セクシー衣装で堪能出
来ちゃいます♪
「クイーンコング」1976年
なんでも、ジョン・ギラーミン監督の「キングコング」の公開を当て込んで制作された
そうで、特筆すべきは、キングコングをはじめ、登場人物の性別をみな入れ替えてあるこ
とです。
でも、それ以外は原作にわりと忠実に作られてるのですが、メスのキングコングを見世
物にする際、興行主が、ブラジャーをさせる事に、女性達が猛反発して、大騒ぎになっち
ゃうのです。
この作品はそうすることで、女性の自由と権利を訴える方向に展開していくのですが、
主人公のオカマと思しき主人公の吹き替えをした広川太一郎さんのセリフがとにかく可笑
しくて、ついつい笑わずにはいられない、とっても素敵な迷作だと思います♪
「キングコング」2005年
この作品は、1933年制作の「キングコング」の忠実なリメイク版ですが、実に丁寧
に作られていて、監督の並々ならぬ才能に敬服せずにはいられませんでした。
監督は、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズを撮り、数々の賞を受賞し、一流監督
の仲間入りを果たしたピーター・ジャクソンです。
彼は、1933年の「キングコング」を観て、映画監督を志したらしく、その作品でキ
ングコングに愛された美女役フェイ・レイを、ラストで使うプランがあり、本人の了解も
取ってたそうですが、突然の急死で実現しなかったそうです。
まず、この作品、冒頭に登場するキングコングのいる南の島に行こうとする映画監督カ
ール・デナムが可笑しいです。
原作の監督役は理知的なイメージですが、この作品のジャック・ブラック演じるカール
・デナムは映画を作る情熱が人一倍あるのは分かるものの、でっぷり太ってるうえに、直
情径行で、とても才能があるとは思えないのです。
つまり、私のタイプでは全然ないって訳。
だけど、この男がナオミ・ワッツ演じるアン・ダロウ(キングコングに愛される役)や
、映画のスタッフや、キングコングのいる南の島に向かう船の船乗り達、つまり全員の運
命を握ってるんです。
だから、私のタイプではないけど、応援しない訳にはいかないのです。
なんとか、頑張ってよと。
ところが、キングコングや恐竜など、映画を撮ることばかりに一心で、一緒に行った人
を、何度も危ない目にあわせちゃうのです。(苦笑)
でも、何と言っても、この作品で素晴らしいのは、CGを使った演出に尽きるのではない
でしょうか?
もちろん、キングコングもCGなら、戦う恐竜もみなCGです。
CGはどうも好きになれないという人、多いと思うのですが、この作品のCGの使い方に
は、度肝を抜いたというか、いいえ、はっきり言って、可笑しくて可笑しくて、ついつい
笑わずにはいられませんでした♪
大勢で押し寄せる恐竜の下を踏み潰されないで、逃げ惑う人達や、キングコングが戦う
時、アン・ダロウを、何度も右手から左手に、空中高く放り上げて、ヒョイヒョイ移す場
面など、絶対有り得ない演出を、そこまでやる?って思いたくなるほど、ハチャメチャに
CGでやってるのです。
それを見てると、「どうせ、観客はCGだと分かってるに違いないのだから、それだった
ら、思いっきり遊んじゃおうぜ」と思ってやってるような気がして、CGの使い方が実に秀
逸でした。
以上、私が観たすべての「キングコング」の映画の感想でした。
3月になって、ようやく今年の干支に因んだ記事を終わらせることが出来ました。
こんなに、沢山、おサルさんのお話をしたので、今年はいい年になるのは間違いなしで
すよね?
それでは、今年の私の成り行き、どうぞ温かく見守って下さいませ♪