奈々の これが私の生きる道!

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映画「ブレードランナー」

2012-04-01 19:19:33 | 映画・テレビ
先日、「バニラスカイ」のコメントで、トム・クルーズのほかのオススメ作品をご紹介いただき、気になっているのですが、次に書こうと以前から決めていた「ブレードランナー」を書かせていただきます。
なにしろ、普段はレンタルビデオ屋さんでDVDを借りて観るのに、この映画はDVDを買ってまで観ましたので、ご理解してほしいのです。(苦笑)

それでは、本文にまいります♪

少し前に観たフリッツ・ラングの「メトロポリス」の記事を書く時、この映画について調べていたら、リドリー・スコット監督の「ブレードランナー」が、その影響を受けて作られたという文章を見つけたんです。
そこで、私はどういう映画なのか気になって観てみたくなりました。
私は、その作品が名作だとは知っていたのですが、まだ観た事がなかったのです。
観てみると、未来都市の姿、つまり高層ビル群や、その間を縫って飛ぶ飛行物体が、「メトロポリス」の世界観を彷彿とさせ、映像技術の飛躍的な進歩に驚きと感激を覚えずにはいられませんでした。
だけど、その一方で、人造人間については、人間との差異があまり感じられず、少々がっかりもしました。
人間より、ちょっと運動能力が秀でているくらいにしか感じられなかったからです。
人間以上の能力を持っているのなら、空を飛ぶとか、象かクジラを指先一本で持ち上げるとか、明かな違いが、私はほしかったんです。(笑)
熱湯の中に手を入れて、ゆで卵を取り出すシーンがありますけど、それくらいじゃ、ダメダメ。
物足りないなんてものではありません。(笑)
でも、だからと言って、つまらなかった訳ではないのです。
先頃観た同じSF作品の「メトロポリス」や「未来世紀ブラジル」はメッセージ性が強く前面に現れているのに対し、この「ブレードランナー」は娯楽性に重点を置いて作られたなという印象を強く持ちました。

未来都市の姿にしても、なぜか日本の「強力ワカモト」や「コカコーラ」の広告がビルの壁面いっぱいに映し出されていたり、人造人間バッティとハリソン・フォード演じるデッカードの手に汗握る緊迫感みなぎる場面の連続が、一向に私を飽きさせませんでした。
ちなみに、監督のリドリー・スコットは、「エイリアン」を撮った人でもあるそうです。

人造人間の描き方も、ただ人間を襲う凶暴なだけでなく、レイチェルのように人造人間として生まれてきた哀しみも丁寧に描き出し、物語に深みを持たせているのが、好感を持てます。

そして、あのラスト、私達観る者を、恐れと不安にたたき落とした人造人間バッティの心の叫びと最期の姿に、使い方を誤った科学技術の恐怖と、人造人間の哀しみが、いつまでも私の心に残りました。