農村ライフ 日々是好日

山形・庄内平野でお米を作る太ももの会広報部長の農村日記

投資の鉄則を表す金次郎像

2020-02-25 19:06:01 | おもしろ情報

亀ヶ崎小学校の二宮金次郎像です。
勤労と勉学の両立のシンボルとして
かつて全国各地の小学校に設置されたと聞いたことがあります。

ところが最近、
歩きながら本を読むのは危ない、
歩きスマホに繋がるなどと
的外れの指摘を受けてなんだか
金次郎さんの立場が悪くなってしまっているそうです。

そもそもどうして薪を背負っているのでしょうか?
どうして本を読んでいるのでしょうか?

弘中さんの歴史発想源に答えがありました。


幼くして父を失った二宮家は田畑もほとんど売り払うことになり、
金次郎は家族を養うために薪を売りに歩きます。

自宅から一里(およそ4km)離れた村民共同利用できる
入会山から薪を拾い集めてきて、
それを二里離れた小田原の町に売りに行くのです。

毎日薪を採りに4km、薪を背負って町まで8km、
それを売ってまた家まで戻る4kmという歩きの時間を
ただ運搬のためだけではなく、もっと有効利用したいと考えて
金次郎は薪を担いで歩きながら漢文の本を読んだのでした。


だから二宮金次郎の像は、
幼くして働けだとか、
いつも本を読んで勉強しろということを表しているのではなく、

「背中の薪とは当面の生活の糧となる仕事、
 前面の読書は将来の自分への投資となる勉強、
 つまり物事は収入と投資の両輪で進めるべきだ」
という投資の鉄則を表しているのだそうです。

ですから「本を読みながら歩くのは危ない」だとか
「座って本を読む金次郎像にしよう」
なとという議論が完全に本旨から外れていると言えます。

なるほど当面の収入と将来への投資というテーマなのか。
こんどそういう意識をもって二宮金次郎さんに会いに行ってみましょう。