大空さんに会いにゆこう>1

ゆーひさんちのスタンバイは早い。
いや…雪組さんも同じくらいの時間ではあったよね。
かしちゃんちが遅かったのだ！
遅い早いと言っても、スタンバイから、スターさんのご到着される時間までの時差の違いで、
実際、楽屋に入る時間はそこまで違わないんだけど。

ということで、
私は、まぁ、スタンバイに行かなくても間に合うでしょう、と、
朝ご飯まで食べ、だけど食べたら時間がなくなり、お化粧もそこそこに、
でも、スタンバイ時間は無視した時刻にでかけました。

THちゃんは、
「早起きに備え、早く寝ます」
とおっしゃってたから、まぁ、時間通りにいらっしゃってるでしょう。
場所とっておいてねってメールして、私が日比谷に着いたら、思いがけないところにTHちゃんはいらっしゃいました。
「ええっ。確かに楽屋口寄りに居て、とは言ったけど、そこはあさちゃんのところじゃん！」
楽屋口の前、とは言わなかったはず。

それでゆーひさんちと、あさちゃんちの境目辺りに移動。
それでも、THちゃんはまだぶつぶつおっしゃってました。
「Vちゃんのために…」
えー？キミはゆーひさんに会いに来たんでしょ？
まず、ご自分の目的を果たされたらいかがかしら。

あさちゃんが先にいらっしゃいました。
で、Vちゃんのために、と、私もその位置からカメラくんを稼動。
が、私はうっかり、その間にゆーひさんがいらっしゃってしまったらどうしよう？と気が気でない。
いつ到着されてもおかしくない時間。
私は、カメラを構えながら、何度もきょろきょろしちゃったけど、
THちゃんは、ずっとあさちゃんをみつめておられました。
Vちゃんのために？みつめてた？？みつめて…？？
多分、THちゃんの脳内カメラは、Vちゃんに繋がってはいないから、
THちゃんがどんなにあさちゃんを凝視しても…どうなんだろう。
写メしてあげるんじゃ…無かったのか？

THちゃんは、凝視したまま微動だにされず、
ゆーひさんがいらっしゃらないかどうか、ちらりとも気にしている様子もありません。
私がこんなに、はらはらしてるってのに！

あさちゃんの会が解散されて、私たちも楽屋口前に移動。
私としては、こだわりを実践せずにはおられないので、
こっちこっち、と細かい位置の微調整をする。
結局、さっきTHちゃんが居た場所にかなり近い場所か……
いや、だってあさちゃんよりも、ゆーひさんが先に来るかもしれなかったんだもん。

ゆーひさんがどちらの方向から来られるか。
THちゃんは、ゆーひさんはお車で来られるって言うんだけど……
二番手さんって、車で入られるものなの？

タニちゃんの入りは、かしちゃんと時間が合わなかったから、1回くらいしか目撃したことがありません。
だけど…向こうに停めたお車から、歩いて来られたんじゃなかったかしら？

少なくとも、かしちゃんが車横付けだったのは、竜馬の時だけだったはず。
向こうの角から、るったるったと歩いて来る、かしちゃんの姿も大好きだったから、
ベルばらの時は、歩いてるかしちゃんを観てたのは、間違いない。

でも…言われてみたら、
こないだは、…帽子が一瞬風に飛んだ時は、
ゆーひさん、お車から降りてた！
あの時は普通に見てたけど…そうか、こないだ、びっくりすべき？だったのね？？

なぁんて思ってたら、ゆーひさんのお車が目の前を横切る。
「ほらっ！」
と、THちゃん。

ゆーひさんちのガードは、ずらーっと横に長くなってました。
その距離があったら…と私の身体が思ってる速度より、ゆーひさんは遥かに速いスピードで、進んで来られました。
気付いたら、すぐそこにゆーひさんがいらしてて、あっという間に手を振って、楽屋口に消えてました。
私のカメラくんの記録によると、お車から降りられて、楽屋口の扉が閉まるまで、2分を切っていた…速ッ！

ひろみちゃんの動きを見慣れていた私は、
かしちゃんの動きだって、相当な速さだって思ってたのに…。
恐るべし、大空祐飛。
恐るべき、男前っぷり！

ということで、私の口からまず漏れた言葉は、
「速ッ！」
でした。
THちゃんは、へ？って顔をして、私を見上げました。
ゆーひさんを庇うような言葉をいろいろ並べられるのですが、
別に私は、速いって言ってるだけですよ？
何が速いのかが、不思議でならなかったわけ。
私なりに、分析をし、納得したかっただけよ。
いいじゃない、キミが朝からゆーひさんを眺めに来て、満足できたらそれでよい。
時間の長さではないでしょう。

それにしても、寒い朝でした。
THちゃんは、春らしいコートをお召しでしたが、寒くないのだろうか。
しかし、
「カイロを貼って来ましたから！」
と得意げ。
うん、まぁ、心がわくわくほかほかだもの…多分、寒さも感じないことでしょう。

私たちは、Hちゃんのお友達のゆーひさんファンの皆様の朝食の会合に、
厚かましく遠慮もせずに、参加させていただきました。
お茶会にも、行かせていただくので…ね、お許し下さい…
…って心の中だけで言ってみた。(それじゃ意味ないけど・笑）
私とTHちゃんは、朝ご飯を食べて来てましたが、
モーニングセットが、飲み物だけ頼むのと変わらないか安い金額だったので、モーニングセットにしました。
いや…飲み物だけでいいとおっしゃるTHちゃんをなだめて、
まぁいいからセットにしたら？と強引におすすめしたんだ。

オーダーが終わり、私は前回の失敗を思い出しました。
DVDプレーヤーがあるのだから、是非とも、今日こそゆーひさんファンの皆様に、例のシーンたちを観ていただかなくては！

それで、初舞台ロケットからはじまり、観ていただいたのですが、
最後に「かしちゃんのコンサートに来た、同期のお二人」映像をお見せし、
さて片付けようかなと思ったら、ふと目の前のTHちゃんと目が合いました。
「あっそうか、THちゃんも観たいよね？」
ってお聞きしたら、
「いいんです。私はまた観られるし…」
ってなことをTHちゃんはおっしゃった。
ん？ちょっと待って？
これは、私のDVDだよね？

「まぁいいから、観なよ？」
って、プレーヤーごとお渡ししたら、THちゃんは素直に観始められました。
何回も巻き戻しては見直してるので、とりあえず、THちゃんは放っておいて（笑）、
Hちゃんと、Hちゃんのお友達とおしゃべりしてました。

お友達の方は、私が新たなDVDを取り出す度に、
「かしちゃんのDVD買わなきゃいけないとは思ってるんだけど」
とおっしゃってました。
私は、私に気を遣って下さってるのかなぁと思っていたのだけど、
もちろんそれもあれど、それだけではなさそうな情熱が言葉の端々から感じられるの。

ほら、おつきあいで、お話を合わせて下さる場合に出て来る言葉と、
そこに熱い想いがある場合の言葉って違うでしょう？
私は、まさか、ここで、こんなに暖かいかしちゃんへのお気持ちを語って下さるとは、
思いもよらずにそこに居たので、本当にびっくりしたし、
本当に嬉しかったし…
うっかり自分が喋りすぎてしまわないで、いっぱいお言葉を伺わせていただこう、と…
したけど、やっぱり無理で、だいぶ喋ってしまったかな（苦笑）。

なんと、この方は、楽の出のかしちゃんを見にいらしたそうで、
私たちのところからは、全く見えなかった、楽屋口前の様子を教えて下さいました。
またひとつ、…みんなに愛されてるかしちゃんの姿のお話を聞けて、幸せでした。

「あとは、かしちゃんのDVDはいつ出るの？」
とおっしゃるので、
「DVD観賞会にいらっしゃいますか？」
と、つい口走ってしまった。
「そんな催しがあるの？」
と驚かれてしまったけれど…（笑）。

こんな話に花が咲いてる間、
THちゃんは、ずーーーーっと、プレーヤーを抱え込んで、
かしコンに来たゆーひさんたちの映像を繰り返し繰り返し繰り返し繰り返し、見続けておられました。
すごく嬉しそうに。
一体何回巻き戻した？何回観たんだろ。
それを指摘したら、THちゃん、
「うわっバレてるし…！」
って、言いながらも、目は画面をみつめたまま、また巻き戻してる。
バレるも何も…わかるだろ、そりゃ！
あんな短い場面を、あんなに長いこと眺め続けるとは…こういうところが、THちゃんとVちゃんがつるむ理由なんでしょうな。
マニアな部分の共通項。

更に、THちゃんは最後にわざわざ、「私の映像」を引っ張り出した。
THちゃんは、スカステトークで同じ場面が流れてしまったため、それを録画し、
花粉症で辛い時の励みにしてるらしい。
「元気の源なんですよ。私も、こうでなきゃ！と思って」
…なんだそりゃ？意味がわからん。
とにかく、あっという間に箇所をみつけだし、再生している…
私のDVDなんだよね、これ…？

「えっ！映ってるの？」
THちゃんの隣りの席だったHちゃんのお友達も、画面を覗きこみ…
THちゃんのご指導により、無事私を発見される。
「あっハイタッチしてるっ！」
私は、Hちゃんと顔を見合わせる。
Hちゃんさまさまの席だったんだよね…ってことは、何となく言わずじまいでしたが……。

この辺りで、Hちゃんとゆーひさんファンの皆様とはお別れ。
Hちゃんはご観劇。いってらっしゃい～♪
私とTHちゃんは、もう少し、このお店に滞在しました。
と、いうのも……


つづく。