風 雑記

建築とその周辺で感じたこと、思ったこと

「硫黄島からの手紙」

2006-12-26 22:00:59 | インポート

01_2 日曜日の夜「硫黄島からの手紙」のレイトショーを見てきました。今一番話題の映画であり、硫黄島で激戦があったことくらいしか知らなかったので、激しく辛い戦いの様子や当時の日本の状況に改めて遣り切れない思いで見ました。特に島の景色の殺風景なことや8KM×4KMくらいの小さな島で一ヶ月もの間戦闘が続いたこと、記録によると日本軍2万一千人の内約2万人が戦死し、生存者は約一千人だったとのこと、映画では戦死者の多さと戦いの長さを表現しきれてないような気もしました。

「父親たちの星条旗」は見てないのですが、戦争を両方の視点で映画を作ろうと思ったクリント・イーストウッドにも感心します。アメリカ映画らしくヒューマニズムがベースにあり、二宮和也演じる西郷が人間臭く、生きることに執着しているところがこの映画の救いだと思います。

硫黄島の戦いについてインターネットで調べると、実際の戦闘や日本軍の兵士の苦しみは映画以上に悲惨だったようです。米軍が5日間で終わると想定した戦闘を一ヶ月もの間戦い続けられたのは、島中に掘られた18KMにわたるトンネルだったようですが、硫黄島と呼ばれる火山地帯のトンネル内温度は40度から60度になっていたそうで、川が無く水はスコールなどの雨水に頼るしかなかったため、ほとんどの兵士が栄養失調と腹痛に悩まされ、半病人のような状況で戦い亡くなっていったと書かれています。恐怖と狂気の一ヶ月だっただろうと思うと戦争の酷さを改めて感じました。

「硫黄島からの手紙」が真実を全て伝えきれていないかも知れませんが、激戦の事実を知りたいと思わせる力がこの映画にはありました。