風 雑記

建築とその周辺で感じたこと、思ったこと

なみの高原やすらぎ交流館

2006-07-17 11:51:41 | インポート

Photo_60 2_14 7月15日(土)、OM施設建築紹介紙「OMレポート」の取材に静岡からライター・カメラマン3名来られたので、私も取材協力で久しぶりに波野ヘ行きました。途中立野でトラックが橋から落ち、水力発電の送水パイプの上に車の底面を見せた大きな事故が起きていました。渋滞は15分程で抜けたのですが、その後全面通行止めになったとの情報があり、帰りはミルクロード経由となりました。

なみの高原やすらぎ交流館は小学校廃校を都市と農村の交流を目的とした宿泊・研修施設に改修したものです。(誰でも泊れます。大人2食付き5000円) 築40年程の鉄筋コンクリートの校舎に鉄骨で南に食堂・大広間、北に浴室・トイレを増築し、なるべく以前の小学校のイメージを壊さないように改修しました。2階の宿泊部分は教室の中に2段ベッドとタタミを敷き、廊下も昔のままとしています。(当時の子供達の絵や工作なども飾ってあります) 子供達は廊下を見るとつい走りたくなるようです。過疎、少子高齢化が進む波野村(現在阿蘇市に合併)で地域の人は学校の統廃合は仕方ないが「小学校は地域の大切な核だったし、思い出の残る場所なので小学校の雰囲気は出来るだけ残してほしい」との願いは強くこころに響きました。今回の取材に「元小学校だったと聞き懐かしさを感じる人、卒業生から紹介されて訪れる人、帰省した時に泊られる人、地元の人達の利用も多く小学校の雰囲気が残り良かったですよ」と言われていました。

2_15 3_3 並びに建つ木造のホールは体育館を建替えたものです。球技なども出来るよう大きな空間を県産材の杉丸太を組みで造りました。春夏秋はスポーツの合宿やそば打ち体験で利用し、冬は波野の神楽や公民館として利用されています。両方にOMソーラーを取り入れていますが、「冬寒さが厳しい時も、床がほんのり暖かく素足でも大丈夫なのが良いですね。」との事。

Photo_61 00_1 波野は標高700Mの高原で、交流館から車で10分ほどの荻岳山頂からは阿蘇五岳(写真)、九重連山、祖母山の九州の尾根が360度の大パノラマで見ることが出来ます。天気予報は曇りでしたが予想が外れ快晴、気温も26、7℃と高原の心地よい風と風景にしばらく見惚れました。カメラマンの感性に響くものがあったのでしょうか、近くで撮影していたかと思ったら何処かへ行ってしまいなかなか戻って来ませんでした。

暑い熊本市内から高原の波野へ行くと涼しさに羨ましくなりますが、そうも言っておられず事故の影響を気にしながら事務所に戻りました。お土産の「うなぎパイ」に、「これにはうなぎのエキスか何か入っているのかな。」「でも普通のパイの味だね。」「でもうなぎの味がするのも...ね」と静岡みやげ談義。