午後から県立美術館分館、伝統工芸館を廻り、2時頃もう一箇所寄る予定で出掛けました。桜ももう終わりかなと思っていましたが、長塀越しも不開門(あかずのもん)前もまだ見応え充分、花見日和でした。
路面電車の中で藤原正彦著の「国家の品格」を読み終えたところで、彼は桜の花に無上の価値を置く日本人の情緒や感性、変化に富んだ四季と美しい自然が独自の精神文化を育てた。そのことをもっと大切にするべきと書いています。毎年見ている桜ですが確かに「美しい」と感じます。熊本城自体は人工的建造物ですがクスノキや桜など沢山の木々と共存していることで熊本の大きな財産になっています。現代建築も緑がないと様にならないとも。(建築のデザインに失敗したら木を植えろと言います)
県立美術館分館で「美に殉じた画家・丸野幸雄展」(3/28~4/9)を見ました。先に建て主でもあるI先生からパンフレットを頂いていて略歴や寄稿を読んでいました。丸野幸雄(1934~1989)終戦後の天草で育ち、父14歳で死去、4男2女の長男で美術を志し、苦学しながら多摩美術大学第一回の絵画科「首席」で卒業、その後美術講師などしながら作品製作、20代から肝炎と戦いながら平成元年他界、享年54歳。
高校時代の油絵は天草の明るい風景を感じさせ、「蝕壁」「円」シリーズ(写真-色が上手く出ていません)は、構成や色、質感に緊張感があり、心に迫ってくるものがあります。どの作品も才能の豊かさを感じますし、見ていて感動がありました。(明日で熊本での開催は終わりですが、行かれる方がおられれば県立美術館分館4階です)