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風 雑記

建築とその周辺で感じたこと、思ったこと

万歩計

2008-07-30 22:28:04 | インポート

3 Photo 7月27日から2泊3日東京で仕事でした。往路は窓側の席で天気も良く地図模型を見ているようで阿蘇、松山、淡路島が綺麗に見えました。

初日は羽田から直行して基本計画の打合せ (携帯は年配向けラクラクホン、操作し易く万歩計付、8,300歩)

次の日は地盤調査の立会いで敷地へ(30分坂道を歩く)、その後立川合同庁舎へ、次に東村山で建設会社と打合せ、その後友人と会う為に小金井公園へ(40分程チョット早足で、19,000歩)

最後の日は招待券を持っていたので上野東京国立博物館「対決 巨匠たちの日本美術」へ、平日なのでユックリ見れると思ったのですが、東京は人が多い、中々流れない人波と張り付いて動かない人の間から垣間見る状況でした。運慶vs快慶 雪舟vs雪村 宗達vs光琳 応挙vs芦雪 歌麿vs写楽など12組の対決はユックリ見れたらもっと感動したのでしょうが仕方ありません。

次に汐留の村野藤吾展に行くか、護国寺の東京カテドラル教会へ行くか、両方は無理と汐留へ、熊本ほどではないですが蒸し暑く汗ばんできます。着いてみるとなんと会期は8月2日から(確かめなかった自分を責めながら、じゃあ東京カテドラル教会へ行くかと)有楽町線に乗り換え護国寺へ、地図で見ると500mほど先ですが、すごく急な坂道がありだるくなった足に鞭打ち登りました。(閉館時間が気になりながら)

1 2 到着したのが閉館の午後5時5分前、たった5分しか有りませんがどうにか間に合いました。正式名称は「東京カテドラル聖マリア大聖堂」丹下健三設計で築44年(最近雨漏りで塞がれていたトップライトを補修、完成時に近い姿です)、ステンレスのシンプルな外観とせり上がるコンクリート打ち放し壁の圧倒的空間、上部から差し入る光も感動的です。

ただ少し外観の表情と内部空間にヒューマンスケールが感じられないこと(圧倒的空間には、ヒューマンスケールがもっと必要な気がします)、また大雨の時屋根の雨の処理が気になるのは設計者の余計なお節介かも。5分後には退出して今回予定していた目的は全て完了でした。(21,000歩 結構疲れました。)


2008-07-12 11:56:12 | インポート

Photo 昨年ギャラリー楓を開いてから今年前半にかけ、慌しい日々が続きました。それはまだ続きそうなのですが、最近サボっていたブログをもう少し書きたいなと思っています。

先月東京の伯父から送られてきた楓の苗が15種類庭に鉢植えされ並んでいます。ギャラリー楓の名前とも合って、いつか楓の庭が出来ればと楽しみにしています。東京の高尾山の植木屋さんから頂いたとのことで、それぞれ15種類、姿も名前も違い見ていて飽きません。写真の並び順に

あけぼの、琴姫、天女の星、松風、沢千鳥、笠置山

時雨染、茜、アリアドネ、紅七変化、星くず

占ノ内、黄八丈、一行寺、秋山紅

名前と姿を見るとそれぞれ言葉を表した楓もあれば、産地の名前なのかなと思うものもあります。鉢への植え替えをして一月ほどですが、一回り大きくなった感じです。

Tagawayokichi22

楓を送ってくれた伯父には一年前、わざわざ東京からきて貰い、写真の個展を開いてもらいました。娘(2人)家族が皆、東京在住なので同居のため退職を期に転居し、趣味の写真は東京でグレードアップして、新宿のペンタックスフォーラムでの個展、野の花写真集(3冊)はどれも素晴らしい写真ばかりです。

昨年の個展が縁にもなったのでしょう。今伯父といとこの2世帯同居の東京の住まいを設計しています。先月第一回目の打合せに行き、来年の春頃完成の予定です。東京にも建築の親戚関係やいとこの建築関係者の知人が多数居るとのことですが、何故か風設計室へのラブコールとなりました。

東京は30年前、10年暮らした街ですが、その頃の面影は一部残っている程度で大きく変わってしまいました。それでも時々行く東京は私の青春時代のほろ苦い思い出と相まって、どうも30年前にタイムスリップし、少し憂鬱にさせるのですが、今回は仕事の場として行っているせいか施工者との面談なども逆に、新しい情報も聞けて、楽しく魅力的に感じています。

風設計室の一つの転換点になる仕事かもしれません。楽しみながら全力で取組みたいと思っています。


ミラーホーム・サローホーム

2008-04-05 22:40:24 | インポート

Photo Photo_2 4月4日、風設計室の南に隣接する社会福祉法人慈愛園の子供ホーム(児童福祉施設)2棟が完成。竣工式が神水教会で沢山の参列者の中、賛美歌やお祈り、子供達による「キッズソング)の合唱、テープカットがありました。

「キッズソング」は慈愛園のオリジナルソング、楽しくリズミカルで園内風景をそのまま歌にしたような曲です。

 1.さくらの花がそよ風に揺れている

   路面電車がゴトゴト笑っている

   小鳥がさえずりひまわりが咲きみだれ

   それをお陽様が照らしてる

   ジローが歌い にわとりが手拍子

   クルミの実もカチカチリズムをとっている

   ここは(この場所は) あなたと(あなたと)

   わたしのふるさと(ふるさと)

   いつでも(いつまでも) 笑顔が(優しさが)

   あふれてる慈愛園

 2.子どもたちがグラウンドではしゃいでる

   ドングリたちも一緒に泥だらけ

   ゴエモン風呂できれいさっぱりになれば

   夕焼けにまた明日

   木の葉があたりをうめつくし

   もうすぐみんなが楽しみなメリークリスマス

   春でも(春でも) 夏でも(夏でも)

   秋でも冬でも(毎日)

   元気な(元気な) 笑い声(笑い声)

   聞こえるよ慈愛園

   ここは(この場所は) あなたと(あなたと)

   わたしのふるさと(ふるさと)

   いつでも(いつまでも) 笑顔が(優しさが)

   あふれてる慈愛園 あふれてる慈愛園

ジローは園に居るポニーの名前で、数年前までニワトリが放し飼いされていて(タヌキにやられたとのこと)、お風呂は新しいホームもゴエモン式で薪焚き(誰かの世話によってお風呂に入れることを伝えるため)です。園内はこの歌詞のまま一昔前にタイムスリップしたような懐かしい風景を持っています。その環境のおかげで90名の子供達は良く日中運動したり、外遊びに夢中で、その姿は懐かしさを感じます。色んな事情を持って園に来て当初引篭もりがちで暗い表情をしてる子もその内我慢できずに外遊びを始めるそうです。だんだん顔の表情も明るく元気になってくると園長は言われます。それは子供達の遊ぶ姿を見ていると良く解ります。今、一般の家庭の子でも周りの環境が悪く、家に閉じこもり勝ちでその事がこころに様々な影響を与えているのを感じます。それが広い慈愛園内に色んな遊び場があることで、遊びの工夫をしている子供達を見ると、環境さえあれば私の子供の頃(50年程前・・・半世紀前か....)とほとんど同じ様に子供達は遊ぶんだと改めて解ります。

Photo_3

8年前にエスターホームを改築、今度ミラーホーム・サローホーム(以前来られた宣教師の名前)と3棟の改築設計が完成し、3棟が並んで建つことになりました。エスターホームは同じ場所に建っていた70年前の建物のデザインをコピーし、屋根は古い瓦を再利用しました。今度の新しい建物は赤いレンガ色の金属板葺きと白い漆喰塗り壁で、園内に赤瓦の建物が多く、その中に建つ為、赤い屋根にすることを当初から決めていました。

Photo_4 Photo_5 この日から沢山の子供達や関係者、ボランティアの人達に祝福され新しい子供ホームが私達の手から離れます。慈愛園創設者の宣教師モード・パウラス先生は創設時から小人数の家庭的小舎施設での児童福祉を推奨され90年程経過します。園内の子供達の笑顔や気さくさにその事が如何に大切であるかを気付かされます。近年児童福祉行政もも少人数の小舎施設を推奨するようになって来ました。

新しい建物を造るには建て主も設計者、施工者も並々ならぬエネルギーが必要です。ミラーホーム・サローホームも完成まで3年ほど掛り、心配事や時間との戦いなど様々な問題や障害を経てきましたが、建物が完成する頃それまでの苦労は一気報われた気持になってきます。

今回の設計の願いであり、コンセプトは「慈愛園の風景に馴染んでくれること」です。様々なパッシブソーラーの工夫(OMソーラー以外も)を盛り込み、自然の日照、通風利用など新しい試みや工夫も多く取入れましたが、一番の願いは「何時建ったの、以前から在ったの、私のふるさとの家」と言ってもらえる事です。


森の保育園

2008-02-16 19:26:23 | インポート

P1040168 P1040167_2 2月12日(火) YMCA赤水保育園の移転新築の起工式でした。木造平屋なので木材の手配などの準備は1月から進めていて、阿蘇の気候を考えて2月20日過ぎから基礎工事に取り掛かかる予定です。起工式当日は寒さが最も厳しい時期となってしまいました。

阿蘇五岳は薄っすらと雪化粧、敷地に来る道路際に雪が残っていましたが、地元の方や阿蘇市議会の方、YMCAの各センターの館長さんも見えて50人ほどの盛大な起工式になりました。

保育園の敷地は四方を森に囲まれ、園庭になる部分以外にも森の部分があり、ドイツで行われている「森の保育園」(森の中で一日活動し、知恵と工夫を凝らしながら自然と触合い自然から学ぶ保育)のような保育も行いたいそうです。

太陽熱を利用したパッシブソーラー(OMソーラー)と森の冷気を利用した涼風取込のシステムを取り入れ、CO2削減と光熱費の30~40%の削減を目指した計画です。実際には50%近くになるのではと期待しています。

雄大な阿蘇の自然の中にいると地球温暖化など関係無い様にも感じますが、ほんの半世紀前を思い出すと(5才頃です-手はアカギレ、鼻タレていたような記憶が)無駄の少ない慎ましい暮らしをみんなしていたような気がします。その頃と同じ様に暮らすのは難しいですが、知恵と工夫を凝らして少ないエネルギーで自然と仲良く暮らす事も出来る訳で、そんな願いを込めた建物が着工しました。7月に完成予定なので、監理にしばらく阿蘇に通います。


慈愛園 棟上

2008-02-02 14:21:50 | インポート

P1040077_2 P1040071_3 慈愛園子供ホーム サローホームとミラーホームの棟上です。3月末の完成に向けこれからが仕上げ工事になって行きます。2棟同時の棟上式の為少し時期を待ったのですが、天気予報は曇りなのに朝から小雨が降り続いています。

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残念ながら屋内での上棟式になり、餅投げもホームごとに6回に分け、青空の下の餅投げからすると少し迫力に欠けますが、子供達が90人いるのでそれなりに盛り上がりました。9年前のエスターホーム棟上の時は快晴で、子供達と老人ホームのお年寄りに分けて2回行ったのですが、今回は雨の為お年寄りの参加は中止になりました。「今度はいつ餅投げがあるだろうか」と すごく残念がられたそうです。我が家の末っ子(中2)も9年前の餅投げが記憶に残っていて「今度も俺行きたいな」と言ってましたが、雨天の為諦めたようです。

工期のことを考えると厳しいですが、2ヵ月後には新しいホームが2棟完成です。パッシブソーラー(OMソーラー)システムを取り入れていますので、太陽の恵みで冬は暖かいはずです。夏の涼風システムも取り入れたいと苦心しているのですが、ディテールが難しく、もうひと踏ん張りしなくてはなりません。