カラスといちごとクロッカスと

身の回りの鳥や小動物、庭の花や畑の野菜など、日々日々、季節季節の情報を、
個人の目をとおしてお届けします。

ゾンビーチューリップ

2024年03月27日 08時00分00秒 | ユリ科
2023.04.21撮影

わたしの庭では、チューリップ(Tulipa)は、この園芸種「ゾンビー」が一番に咲きます。今年は特に早く、3月半ばに咲き出しました。例年は、4月半ばです。掲載画像は、去年のも混じっています。

学名 Tulipa fosteriana 'Zombie'
英名 Zombie fosteriana tulip
和名 フォスターリアーナ・チューリップ「ゾンビー」
ユリ科(Liliaceae)チューリップ属(Tulipa

Tulipa fosteriana 種小名 fosteriana は、英語版Wikipedia Tulipa fosteriana - Wikipedia によると、イギリスのアヤメ類の専門家マイケル・フォスター(Michael Foster)に因むそうです。英語の固有名詞 Fosater「フォスター」から来た種小名なので、「フォステリアーナ」ではなく、「フォスターリアーナ」と読むことになるのかなと思います。

フォスターリアーナ種は、一般に、草丈が低めで、どっしりとしています。骨太、と言いましょうか。葉は、白っぽい光沢があります。フォスターリアーナの園芸種「ゾンビー」もその形質を受け継いでいます。


2023.04.10撮影

「ゾンビー」のツボミは、花が開いた時の大きさにまで成長して色づくと、こんな形と色になります(直前の画像)。おしぼりのような細長いツボミです。外側がくすんだ朱色、花びらの縁と内側が薄黄色。

2024.03.15撮影(今年)

もう少し開いてくると、花びらが6枚あるのが見えるようになります。この「花びら」は、植物学用語的には、花被片と呼ばれます。花被片とは、ガクと花弁が区別しがたいぐらいに見えるものを総称したもので、花の外側にあるの外花被(これが本来のガク)、内側にあるのが内花被(これが本来の花弁)です。ここでは、外花被と内花被が3枚ずつあります。

ゾンビーチューリップの、外花被の外側には赤っぽい帯状の模様が、内花被の外側には細めの線が数本、出ます。

花びらにつく模様について、もうひとつ、次の画像でご覧ください。外花被の赤い帯状の根本に、真鍮のような色の模様がついています。ボタンみたいでかわいいと思います。

 
2023.04.10撮影(去年)

直前の画像(去年)とその前の画像(今年)の撮影日を、比べてみると、3〜4週間の開きがあります。今年の方が、随分早く咲いているのです。

2023.04.10撮影

花びらがもっと開くようになると、外側の花びら(本来のガク)が反りかえるようになります。これで、内側の花びら(本来の花弁)の模様もよく見えるようになります。

2024.03.14撮影

そして、花被片(ガク+花弁)全部がほぼ開き切ると、上のようになります。

チューリップの多くは、ゴブレット型に咲きます。この園芸種の属する Tulipa fosterianaフォスターリアーナ・チューリップ)も、ゴブレット型に咲きます。花が若いうちから平たく咲くチューリップは多くありません。

平たく咲くのは、フォスターリアーナ種でも「ゾンビー」のような園芸種や、また、他の種の原種チューリップです。

2024.03.17撮影

開き切った「ゾンビー」を上から見ると、上の画像のようになります。中央に風車のように見えるのがオシベ、そのオシベに囲まれて飛び出ているのがメシベです。

つづく


コメント    この記事についてブログを書く
« タンポポが咲きました | トップ | ゾンビーと女奴隷 »

コメントを投稿