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ご近所のヒアシンス 1

2024年04月17日 08時00分00秒 | キジカクシ科
2024.04.10撮影

バンクーバーでもずいぶん暖かくなってきました。ずいぶん、とは言っても、ジャケットなしで外に長くいると、体が冷えますが。

でも、見ました、オープンカーのルーフ部分を開けて(でも、夏のように窓までは開けませんが)、走っておられるお方がいるのを。これを見れば、わたしは、毎年、「寒いの、やせ我慢しなくていいのよ」と同情しますが、オープンカーがこのように走り出すのは、バンクーバーにも春が来た印ではあります。

今日は、そして、次回にわたり、ご近所で咲いているヒアシンスHyacinthus orientalisの園芸種を「色々」(文字通り)お届けしたいと思います。

ヒアシンスの原種は、一重です。そして、多くの園芸種も一重です。でも、冒頭の画像と次の画像のヒアシンス(両者とも同じ園芸種だと思います)の園芸種は、花びらが二重になっています。

2024.04.10撮影

次のウェブページは、Pacific Bulb Society(訳すとすれば、「太平洋地域球根協会」)のサイトの、ヒアシンス属のページです。ページの一番上に、ヒアシンス属(Hyacinthus)についての簡単な説明があります。そこには、ヒアシンス(ヒュアキントス)属には3種が属する、その3種の1種ヒアシンス・オリエンタリス(Hyacinthus orientalisであり、それが、いわゆる「ヒアシンス」の園芸種の親となっている、と書かれています。


このページの画像のうち、上の方が、原種ヒアシンス(Hyacinthus orientalis)の亜種数種で、下の方が園芸種です。亜種と園芸種の違いが、一目で区別できるような写真が載っていますので、よろしければ、ちょこっと覗いてくださいませ。画像は、それぞれ、クリックすれば大きくなります。

なお、ヒアシンス(Hyacinthus orientalis)の種小名「オリエンタリス(orientalis)」は、「東方の」という意味です。これは、ヒアシンスが、地中海でも、東地中海を原産とするからです。日本語で「オリエンタル」というと、「アジア」というように考えられがちかもしれませんが、それは、「東の」という意味なんです。「アジア」を「オリエント」と呼ぶのは、ヨーロッパから見て東の地だからです。

2024.03.26撮影

こちらのヒアシンスは、これも園芸種には違いありませんが、原種に近く見えますね? その理由は、古い株だからだ、と思います。花が華美、華美、とついて、丸々と太ったように見える園芸種でも、何年も植えたままにしていると、このように「スマート」になってくるんです。花と花の間が空いてきて、花数が減り、茎が見えるようになります。

と言っても、園芸種でも、花が茎にびっしりとついたものばかりではないそうです。

先のサイトから、ヒアシンスの園芸種の特徴を要約引用(翻訳)すると、
・1株に花茎1本〜複数本
・花びらは、一重、あるいは、二重
・花の色は、白、クリーム色、ピンク、紫(青紫)、赤紫
・花のつき方は、密集したのもあれば、そうでもないものもある


2024.03.26撮影

ヒアシンスは、多分、もともと、花びらの地の色よりも濃い色の筋が、全ての花弁6枚についているのだ、と思います。そして、地の色が薄いときに、筋の色が目立って見えるようになる、上の画像の例のように(この画像、目がチカチカして申し訳ございません)。

そんな筋は、やや濃いめの色の花(チカチカより前の画像)にも見えるし、ずっと濃い色の花(最初の画像2枚)にも、よく見てみれば出ているのが分かります。

ヒアシンスは、キジカクシ科(Asparagaceae)ツルボ亜科(Scilloideae)に属します。この亜科の他の植物にも、花に筋の入るのがあります。プシュキニア(Puschkinia)など。


2024.03.26撮影

ヒアシンスの花は、6枚の花弁の根本がひとつにつながっています。そんな花の作りを、合弁花といいます。つながっていないのを、離弁花といいます。離弁花とは、花びらがバラバラの、バラみたいな花です(つまんねえダジャレにもならないコトを言うな)。

合弁花のくっついたところは筒のようになっていて、そのまま「筒」と呼びます。わたしとしては、「首」と呼びたいところですが。

で、その筒ですが、直前の画像のヒアシンスは、きれいな水色をしています。花びらの6つに分かれたところが白と紫で、色のコントラストが魅力的です。その前の画像のヒアシンスも、花びらの地、花びらの筋、筒、が同系統でも異なる色です。

2024.03.26撮影

このヒアシンスも、地植えのまま年数の経ったものだと思われます。ひとつ前のヒアシンスと、ふたつ前のヒアシンスと同じように、花びらの地が白系統、筋が紫系統、そして、筒が青系統です。この花は、全体的に薄い色。

次の画像(これもチカチカ画像で申し訳ございません)で、筋の見えやすいヒアシンスを3種まとめてどうぞ。

2024.03.26撮影

先の「太平洋地域球根協会」のサイトのヒアシンスのページを見てくださればわかりますが、原種の亜種に、このような筋が出ています。筋の色が大変薄いのもありますが。

つづく


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