2021.06.04撮影
この、ちょっとピンクがかった、白い花は、ブラックベリーの花です。ブラックベリーは、キイチゴ属(Rubus)に属します。
キイチゴ属で果実を食用に栽培されるのには、主に2系統あります。ひとつは、赤いベリー(黄色っぽい園芸種もあります)でおなじみのラズベリー(英名 Raspberry)、もうひとつは、黒い実のブラックベリー(英名 Blackberry)。このうち、ブラックベリー類の方が Rubus Rubus(キイチゴ亜属)と呼ばれ、ラズベリー類の方が Rubus Idaeobatus(和名、不明)と呼ばれます。
うちにあるブラックベリーの種名は分かりません。複数本あるのですが、同じ種かどうか、も分かりません。なぜなら、キイチゴ属の分類が複雑な上に、うちのブラックベリーは、わたしが買って植えたのではなく、「自然発生」のものばかりだからです。
ブラックベリーと言えば、イラストなどによくされている、熟した黒い実とこれから熟す赤い実が混在してたわわに垂れているの、を思い浮かべられるかもしれません。例えば、
2021.07.31撮影
ここであえて花を先にご紹介したのは、花は、見る機会が少ない、あるいは、見過ごされているかもしれない、と思ったからです。バラ科(Rosaceae)の花であるのがうかがえます。ブラックベリーの花の大きさは、2〜3センチ、白く、ピンクがかっていることもあります。花びらは、一般のバラよりも薄く、ややクシャッとした紙のような感じです。
ブラックベリーは、野生のものと、ベリーを生産するための園芸種があります。大きな違いは、トゲのあるなし。野生のものにはトゲがあり、園芸種にはトゲがないか、あるいは、少ないです。野生のもののトゲは、それはそれは痛いんですよ、刺さると。チクッ、ではなく、グサッときます。次の画像の右上に写るおどろおどろしいトゲをご覧ください、これでも優しい方のトゲです。
2022.06.18撮影
野生種は、望まなくても庭に勝手に生えてくれるので(鳥の落とし物でしょう)、要らない人は、ごく小さいうちに抜くか、ちょっと大きくなると抜くのは難しいので、切るのを繰り返すか、します。要る人は喜んで庭に残しておく、ただし、毎年、通年、剪定を余儀なくされる、ということになります。あっという間に、大人の親指の太さほどもある硬い茎が伸び、放っておくと、その辺りが通行不能になります。茎が伸びているのを知らずに通りかかると、トゲにぐさっとやられます。
ブラックベリーの実は、夏にイヤというほどつき、季節の初めにはよく熟れたのを木から取りながら生で頬張るのですが、どんどん成ってくると、食べる方が追いつかず、煮てパイの詰め物にしたりジャムを作ったりします。野生のブラックベリーもあちこちに生えていて、子ども連れやお年寄りがベリー摘みを楽しみます。