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再論・南太平洋島嶼国「フィジー」について考える(1)

2017年09月21日 08時12分40秒 | 島嶼諸国

   再論・南太平洋島嶼国「フィジー」について考える(1): 中本博皓




  第1章 フィジーのプロフィール(1)  

  フィジーの正式な呼び方は、The Republic of Fiji Islands である。日本語ではフィジー諸島共和国と表記されている。首都は、かつて(1874-1882年)まではオバラウ島の最大の都市レヴカ(Levuka)にあった。レヴカは港町として栄えたフィジーの貿易の拠点だった。いまは、フィジー最大の島ヴィチレヴ島のSuva(スヴァ)に置かれている。なお、1874年、英国の植民地となった。さて、本稿は、10年ほど前に筆者がまとめた「南太平洋島嶼国フィジーを考える」の改訂版である。

  ≪国土:地勢≫
  フィジーは、日本から南へ約 7,000Km離れたメラネシア地域にあり、しかもポリネシア地域と接するように南太平洋のほぼ中央部に位置している。正確には、東経176度53分から西経178度12分、南緯15度42分から20度12分の南太平洋上13万ヘクタールの海域に散らばる大小321の島々から構成される島嶼国家である。

  現在は、日本からの直行便は出ていない。国土の陸地面積は、1万8,300km2 と言われている。南太平洋島嶼諸国の中では観光開発を軸に商業性に富んだ国として発展している。首都スバ 及び国際都市ナンディ のあるフィジー最大の島はヴィチレヴ (1万429km2) である。第二の島はバヌアレブ (5,556km2) であり、これらの2島で国土の陸地面積全体のほぼ90%を占めている。

  
  (注)
  一般には、ビチレブ島と表記されているが、英字表記はViti Levu であるから「ヴィチレヴ」と表記するのが正しい。首都スバもSuvaであるから「スヴァ」が正しいが、以下本稿では、一般的表記に従う。

 フィジーの多くの島々は火山にその起源がある。地表は鬱蒼とした丘陵地帯もあり、眺めの良い渓谷もある。島の中央部は300メートル~1,000メートルを越える高地となっており、最高地点の標高は1,320mである。ビチレブ島の地勢は、海岸平野がおよそ30パーセント、高地部分がおよそ23パーセント、その中間にある丘陵地がおよそ47パーセントと推測されている。

  かつては日本からの直航便が発着していた国際空港のあるナンディや首都スバには、多くの大型リゾートホテルがある。ヴィチレヴ島は、日本の四国よりやや大きいくらいの面積を有している。また、地理的位置から、南太平洋の民族や文化そして経済が交差するフィジーは、「南太平洋の十字路」とも呼ばれている。

  ヴィチレヴ島の他に代表的な島としては、既述のように、現首都スバに遷都される以前の旧首都レヴカのあるオバラウ島がある。また、フィジー第2の面積を誇っている島はバヌアレブ島である。この美しい離島にはランバサとサブサブという代表的な2つの開けた町(都市)がある。

  他に第3の島、別名をガーデン・アイランドと呼ばれている豊かな緑に包まれたタベウニ島がある。この島には、垣根涼介の小説『真夏の島に咲く花は』(講談社文庫・2010年、全496ページ)にも描かれているフィジーの国花としても有名な美しいタンギモウジアの花が咲く湖、「タンギモウジア湖」がある。この花は、大樹に寄り添ってしか生きられない着生植物の一種である。

以下に掲載します拙稿「再論・南太平洋島嶼国「フィジー」について考える」は、部分的には論稿及び小生の他のブログでも紹介してきていますが、まだまだ書き足りないことが多く、補筆したい気持ちに駆られて来ました。本稿の中にこれまで発表したことと一部に重複していること(文章)もありますが、一つのフィジー論としてまとめておきたいという気持ちで掲載しているに過ぎません。