電影宣伝自由人

香港映画を中心にしたアジア映画のよもやま話などを紹介

東宝東和の宣伝

2007-07-25 21:06:02 | Weblog
この前の『片腕ドラゴン』のコメンタリー後、宇田川さん、東宝東和の竹内さん、そしてキングレコードの担当者と一緒にご飯を食べながら、昔の映画宣伝の話をしていたのですが、いかに東和の宣伝がとんでもないものだったか、という話で大いに盛り上がりました。
今、誇大広告的な宣伝をやると、すぐにクレームがきたりして、大問題になったりしてますが、昔は観にいって「全然、違うやん。」と怒ったとしても、笑い話で終わりました。そう思うと、今の人ってユーモアがないというか、そうゆう部分も楽しめない、心の余裕がないと思うと、ちょっと寂しく思います。
東宝東和の宣伝は1970年代後半から、宣伝部長が変わって、はったりや誇張した宣伝になったそうですが、特にホラー映画はこれでもか、というくらい誇大広告が多くて、『サランドラ』は観たお客が看板を破壊したという逸話も残っており、それさえも宣伝に使ったというエピソードもあるくらいです。
さて、香港映画もジャンルとして数々公開していた東宝東和ですが、業界内で仁義なき戦いと言われたのが、『少林寺2』事件でした。
『少林寺』を大ヒットさせた東和は、次に『少林寺2』をやる予定だったのですが、それを松竹富士が高い権利金を出して奪った、というのがこの事件の発端でした。怒った東宝東和は、84年の3月に公開する『少林寺2』にぶつける形で、ジャッキー・チェンの『プロジェクトA』をブッキングしたのでした。でも、この時点で東和は興行的に負けると思っていたそうです。実はジャッキーの映画、東和が公開するようになってから、爆発的にヒットしている作品がなくて、逆に数字が落ちていたそうです。それに自分のところで公開した『少林寺』は、日本で公開された中華映画の記録を作ったのですから、その続編には勝てないと思ったそうです。でも、獲られたからにはやりかえせねばと、あの手この手で考えたのが、いちばんの見せ場を宣伝でアピールする、つまりあの時計台のシーンだったわけです。
この宣伝が見事に当たって、『プロジェクトA』は大ヒットし、ジャッキー人気も大爆発。そして相手の『少林寺2』は大惨敗の結果となりました。はったり宣伝の凄さというか、東宝東和の宣伝力が『プロジェクトA』を大ヒットさせたとも言っても過言ではないかもしれません。
ちょうどその年の4月に私めは松竹富士に入ったわけですが、仕事といえば倉庫に山済みとなった返券された『少林寺2』の前売り券を整理することでした。


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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
今、その前売りが残っていれば。 (HOSO-P)
2007-07-26 00:59:23
少林寺DVDの特典になったかもですね。

そういえば先日、パチンコ「プロジェクトA」、挑戦してきました。期待以下だったパチンコ「007」よりは良かったです。特にリーチ画像が名シーン満載で。
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はじめまして (Mr.FOO)
2007-07-26 12:38:09
社会人になる前までジャッキー映画の前売り券を集めてました。眺めては名シーンを回想してた頃が懐かしいです。
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 (FREEMAN)
2007-07-27 21:14:17
HOSO-Pさん、こんばんは。
は、は、は、そうですね、でも大量に金庫に残ってました。パチンコ「プロジェクトA」はうちの近所にも入っていたんですが、すぐに撤去されてしまいました。でも、あの数字に入っているキャラの選択が面白いですねえ。

MrFOOさん、はじめまして。
私も前売り券買って集めてましたね。どんなものでもファンにとっては大事なお宝物でしたね。
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