先だってのアンジェラ・マオ来日のために、うちの女性スタッフ陣に『燃えよドラゴン』を見せたのですが、この映画を封切り当時に劇場で観て、すごく印象に残ったセリフがありました。リーが黒ずくめでアジトに侵入しようとしているところを、黒人のウイリアムズがその姿を見つけて一言言うセリフなのですが、原音では「human fly」と言っていて、現在のDVDでは「鳥人だ」となっているのですが、公開当時は「月光仮面だ。」になっていて、場内で笑いが起きました。まだ中学生で英語のことなんかわからない年齢でしたが、こうゆう異訳は、昔はお客さんにより楽しんでもらうために、わかりやすく表現していたのでしょう。
最近は異訳をすると、とたんにそれは違った訳をしていると騒ぎますが、字幕の文字数は画面上で限られ、なおかつ人が耳と目で確認できる秒数があるために、長いセリフも画面上での表記できる文字数はにらめっことなります。
映画のセリフが有名な作品だと、『カサブランカ』の「君の瞳に乾杯」なんていうのもありますが、そうゆうセリフの妙味ある訳がその映画の印象を残こすこともあるわけです。
最近は異訳をすると、とたんにそれは違った訳をしていると騒ぎますが、字幕の文字数は画面上で限られ、なおかつ人が耳と目で確認できる秒数があるために、長いセリフも画面上での表記できる文字数はにらめっことなります。
映画のセリフが有名な作品だと、『カサブランカ』の「君の瞳に乾杯」なんていうのもありますが、そうゆうセリフの妙味ある訳がその映画の印象を残こすこともあるわけです。
海外制作の字幕は、日本人の方が携わっている場合もあるし、日本語になっていないひどいものもありますね。香港での翻訳料はあまりにも安いギャラですし、たぶん日本のように字幕をチェックしていないのだと思います。劇場公開の場合、昔はセンスを求められたのかもしれませんし、特に香港ものはコメディタッチのものが多かったので、ジャッキーものとかは観客にわかりやすいように笑える翻訳になっていたのかもしれません。私もSBもGHも字幕チェックをいつもやっていますが、決まられた文字、また口の動いている秒数の中で表現するのは本当に難しいです。その分、吹き替えのほうが自由にやれるかもしれませんね。
李小龍特派員さん、こんにちは。
私もカセットテープでセリフ盤持っていました。あの頃は英語なんて、本当にわからなかったですね。でもセリフ・レコードが出ていたことが今考えるとすごいことですし、ビデオのない時代だからこそ、そうゆうレコードも売れたのでしょうね。
hoisamさん、こんにちは。
ということはお仕事当事者ということで、苦労なされているということですね。御苦労さまです。昔はそんなことわかりませんでしたから、通用していたのかもしれません。
HOSO-Pさん、どうもです。
昔は東京は名画座が多かったので、ぼろぼろのフイルムでも2本立て、3本立てでみれたわけですね。うちの田舎では封切りでしたが、『燃えよドラゴン』はアラン・ドロンの『スコルピオ』、『片腕ドラゴン』は『ダーティハリー2』というとんでもない番組でした。あと空手映画まとめて3本なんていうのがあって、『キングボクサー大逆転』『稲妻ドラゴン嵐の斗』『地獄からきた女ドラゴン』なんていうのもありました。懐かしいけど、いい時代でした。
白扇仔さん、ご無沙汰です。
すくなくとも1990年代初めまでは広東語をわかっている人は業界にもいませんでしたし、向こうからきていたダイアログも英語のものがほとんどでした。なので、劇場ものは英語の翻訳者の方々が担当されていたわけです。さすがに近年は中国語普通語、広東語の方が出てきたので楽になりましたが、でも通訳は広東語に関しては片手で数えられるくらいしかいないので、映画会社も大変です。
あるところで見たのですが、香港映画の字幕は、広東語を知らない訳者が英語字幕を基に訳している事が多いとか?
『師弟出馬』のラストバトルで、黄仁植のセリフ(広東語)が
「そんなミッキーマウスみたいなカンフーで・・・」
と訳されていて、「中国の話なのに、なんでミッキーマウスなんて言葉が出て来るんだ?」と長年疑問に思っていました。ギャグにもなってないし、まず意味不明です。そして去年、“ミッキーマウス云々”は英語で“未熟な”みたいな意味の成句だったと知りました。“未熟”とか“半人前”と訳した方が通じやすいうえに字数も少なくて済みます。「昔の中国の話に、ミッキーマウスはないだろ!」と、訳者のセンスの無さに(またもや)怒ってしまった僕でした(苦笑)。
あと、広東語の訳の話ではありませんが、ビデオ『死闘伝説』での 梁家仁 のインタビューで、「どんな映画を見て育ってきたのか」みたいな質問の返事(字幕)が
「ジャッキーの映画を見ていた」
だったんで、一瞬仰天したものです。実際彼が喋っている音声を聴くと「デーヴィッド・チャン」と言っていたんですよ。梁家仁は“ジャッキー”とは言ってないのに、“チェン”だけに反応して、字幕がああなってしまったようですが、あまりにも杜撰すぎます。武打片初心者が、その字幕を見て信じてしまわないか心配です。
思い出せば初めて観た「燃えよ…」は渋谷文化で1週目は「クレージーボーイ・スーパーマーケット珍作戦」、2週目は「007ダイヤモンドは永遠に」が併映でした。「燃えよ…」のプリント状態は酷く、オハラとの対決シーンのビール瓶のトコがありえない位、抜けていました(今思うと、どっかの映写技師がスッポリ切ってシーンごと持ってたとしか思えませんw)。そのシーンはその後、深川東宝での「燃えよ…」「ダーティハリー(1)」「恐竜時代」の3本立てで初めて観ることが出来ましたが。ビデオの無い良き時代の思い出ですw
本当に、おっしゃるとおりだと思いました。翻訳をしていて、いつも意訳と直訳の間で、そして一般の観客の方と広東語や中国語の分かる方との間で、右往左往しています。日本語と発音の似ている単語がセリフにあれば、字幕にも出さないと不自然な気もしますし…。悩むところです。
「月光仮面だ。」は当時で見てしっかり、焼きついていますよ。
あとになって月光仮面は英語でなんと言うんだ?と完全版セリフ入りレコードを買って解説書を見たらなぜ「human fly」?まだ中学生だったので理解できませんでした笑。
あとはオハラ戦前に「板は打ち返ってこない」が「決着をつけよう」というのもありましたね。
あまりに「原語ダイアローグ至上主義」になるあまり、直訳すぎて日本語としておかしい字幕や吹替の訳は、味気なかったりしますね。
DVDになってからは日本語のわからない外国人の人が、翻訳エンジンとか使って訳したようなのが増えた(外国で中身を作ったのに多いようで)のも、ちょっと残念ですね。