とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

ハンマーオークション 第2回を終えて

2011年05月12日 22時53分06秒 | とんねるずのテレビ
ハンマーオークション------ぶっちゃけて言えばハンマープライス復活------が決まったとき、「そう来たか!」という気持ちと「うれしい!」という気持ちがまずあって、そのあとに「だいじょうぶか!?」という危惧がありました。

チャリティとしてのこの企画そのものは、もちろん成功するだろうことはわかっていました。
成功/失敗という次元じゃなく、いまこの時にこれをやる、ということに意義があるのは、もちろんのことです。

わたしが危惧したのは、ハンマープライスをやっていた頃(1995~98年)と現在との状況のちがいに理由があります。

まず、ハンマープライス放送当時日本経済は、バブル崩壊が始まっていたとはいえ、まだ好景気の余韻は残っていました。ふつうに考えれば、なんでそんなものにそんな大金を払うんだ?と思われるような思いきった無駄遣いも、まだまだやれるし、ゆるされる時代でした。

いっぽう、長い不況に苦しんだあと、さらに震災が追い打ちをかけ、日本人の懐具合がお寒くなっているいま、果たしてハンマープライスのようなぜいたくな“遊び”が成立しうるんだろうか、という危惧がひとつ。

もうひとつは、ハンマープライス以後にさかんになったインターネットオークションが、現在ではふつうに行われていること。

前回のハンマーオークションでも、たとえば長友佑都が出品したインテルの全選手サイン入りユニフォームは、e-Bayあたりに出せば天井知らずの値がつくだろう、とネット上でも話題になっていました。前回の落札金額は忘れちゃいましたが、素人目にもずいぶん安かったという印象を持ちました。

実際、ヤフオクとかでも有名人がチャリティ出品をしていますし、ハンマーオークションはそれと完全に競合しちゃうのではないか、という危惧。

さらに、「開運!なんでも鑑定団」*の影響や、おたく文化の隆盛によって、一種の“鑑定ブーム”が起きており、付加価値というものに対して一般人がかなり冷静な目をもちはじめているんではないか・・・
(*最初に「ハンマープライスからの流れで生まれた番組だと考えている」と書きましたが、「鑑定団」はハンマープライスより前の94年スタートでした。訂正します)

かんたんに言えば、ハンマーオークションをやってもたいした金額はつかず、盛り上がらないのではないか、という危惧。

心配性なわたしは、こういう余計なことをついつい考えてしまってました。

しかし、第2回を見て、あ、心配いらないんじゃん、って思った。
ハンマーオークションには、むしろハンマープライスとは逆の価値も出てきてるな、と。

ハンマーオークションの場では、一般の市場でつくであろう価格よりもお安く買えてしまう。
びっくり仰天なお宝が、リーズナブルに買える場、というところに価値がでてくる。
だから、それほど高値がつかなくても、不況であっても、かまわないわけです。

第1回のインテルユニフォームや、北野武グッズ、武豊の鞍もそうでしたが、今回のメッシのシューズだって、250万円という落札金額は、タカさんも言ってたとおり、安い!
お買得もいいところでしょう。

だって、メッシだよ。
アルゼンチンの宝、バルセロナの宝、いや、人類の宝、メッシですよ。

コレクターなら、きっと何百万出しても惜しくないような逸品ですよ。ヨーロッパや南米のサッカー馬鹿たちが、のどから手が出るほど欲しがるようなすごい品を、日本の25才の茶髪のOLが買ってしまえる。それが、ハンマーオークションなんですね。

まあ考えてみれば、ハンマープライスの時も、物の価値ってなんなんだ、付加価値ってなんなんだ?っていう問題提起を、とんねるずはしていたわけです。

Aさんにとっては0円の価値もないようなものでも、Bさんはいくら出しても欲しいと思う。物そのものの価値ではなくて、その人にしかわからない想いや、時間や、思い出や、ぬくもり、そんなものに価値を見い出そうよ、というのがハンマープライスのコンセプトだった。

AKB48全員に見つめられて曲を聴いた大学院生の彼や、男気王子こと伊藤英明に抱きしめられて昇天しそうだった主婦の彼女(笑)の、あの幸福そうな顔を見ていると、見てるこっちまでうれしくなってしまいました。

ハンマープライス/オークションに共通するおもしろさって、そこなんでしょうね。
そこが変わらないから、この企画は時代がどんなに変わっても通用するんでしょう。

それに、思った以上に高値がついて盛り上がってもいたので、まずはひと安心でした。

インターネット上の、顔の見えない誰かとの争いではなくて、あのスタジオにあつまったお客さんたちとガチでアナログな対決をするのも、なんともおもしろいですね。

いや~第1回のときも思ったけど、お客さんがほんっとイイ!!
あんな自由なお客さん、最近のバラエティ番組じゃとんとお目にかからんですよ。

1対1の争いになって、脂汗をかきかき苦しむ男性を、まわりのお客さん(たぶん見ず知らずの人たち)がパタパタあおいであげてましたよね(笑)
なんだか、すっごくほほえましかった。

ちょっと話がずれるけど、「観客無視の内輪うけ」というとんねるずへの批判は耳にタコができるほど聞いてきたけど、ハンマーオークションなんかを見ると、実際はまったく逆だということがよくわかります。とんねるずほど観客のほうをちゃんと見て、観客とのインタラクティヴを楽しむ芸人は、いまのテレビ界では少ないですよ。マジで。

・・・と、あーだーこーだ難しいことを言ってしまいましたが、とりあえず、次回ハンマーオークションのジョニー・デップとタカさんの対面が、待ちきれない!!!

はたしてジョニデは、『メジャーリーグ2』を観ているのだろうか!?

ジョニデかと思ったらイワイガワのジョニオだった、なんてオチは、やめてくれよ!!

たしか、6月にはレディ・ガガが来日するんでしたよね・・・
ひさびさに、外タレ掛軸、いっちゃってほしいんだけど。
「メンゴを返して」と、書いてもらいたいんだけど・・・

あと、第1回で「食わず嫌い王決定戦に出場する権」を落札した人の映像が、予告でちらっと流れましたね。
数々のセレブリティが歩いたあの廊下を、どこの誰だかわからない素人が、ななめがけカバンをかけて歩いている姿が、おもしろすぎたんですけど!!

これぞ、とんねるず、だよねえ・・・・・・・・・






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8 コメント

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Unknown (Unknown)
2011-05-13 02:14:59
ハンマープライスがあまり記憶にない世代なのですが、ハンマーオークションをみていると、体験していないにもかかわらず懐かしい気分になります。
お客さん(素人)ととんねるずの間は気持ちいいですね。確かに同じ場に立って、同じ経験をしていると感じられます。外じゃなくて中にいるんですよね。後輩芸人と絡んでいる時にも感じますが。


それにしてもみなおかはすごい番組になってきたなと思います。
チャリティーオークションから雪上運動会までやってしまう懐の広さ。
また近年顕著ですが、過去の生ダラなどの番組の要素も取り入れ、とんねるずの集大成的な、いい意味でなんでもアリなすごさを感じます。「とんねるず」のレギュラーがみなおかのみなのもわかる気がします。
というか、この前の雪上運動会でとんねるずの二人がカツラをつけて歌っているのをみてびっくりしました。

その芸人=その番組と言えるような番組を持てるのは本当にごく一部の人達だけではないかと最近思います。
それを毎週観ることができるのもまた幸運であると思います。


最終的にハンマーオークションとあまり関係の無いコメントで申し訳ないです。
ジョニーデップたのしみですね!
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【オークション】 (ohiro)
2011-05-13 12:05:23
「プライス」と「オークション」
少し雰囲気が違いますがーーーー

時の流れもあるでしようが、バイヤー二人の
人柄で世界で活躍しているスター達も協力してくれることは嬉しい限りですね。

『番組』を観て受ける印象は
ネットオークションと違い相手の方が分かるのは良いですよね~~
スタッフの拍手や笑い声でなく直に観客の反応が分かりますし~

このためだけに再度スペインまでお土産持参で行ったのりさん~
サッカー小僧の本領発揮~♪
メッシ選手のサッカーシューズ~
「安過ぎる」とサポーターの僻みの声が・・・

後でヤフオクなどに出品されることの無いように願っています。

今後も続くのでしようが二人の交友関係で
他にはないもっともっと楽しい商品~~
期待しています。


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ハンマー (FUJIWARA)
2011-05-13 12:28:47
やっぱり「人とのつながり」みたいなものを感じました。
震災以降、各番組それを大事にしてはいると思うのですが、
今回のオークションは特にそう思いました。
ファイアーさんも仰っているようにパソコンでのオークションが主流の中、
あえて対面形式でやるという。
パソコンでのオークションでは周りに楽しさは伝わりません、表情も見えません。

チョイスした品もまさに「つながり」からGET出来たもの。
盟友、秋元さんとの仲でのAKB
友人、男気王子伊藤英明(ああいう体育系はタカさん気が合うわ)
帝京、野球界に繋がりをもつタカさんならではのライオンズ
帝京、最初の動機は飯をごちになるはずだけだったが、すでに友人関係?(笑)

なんか、とんねるずの二人が会議の時に「俺ちょっと頼んでみるよ」っていう
やりとりが想像できるんですよね。

あと観客とのやりとりいいですよね。
予告の食わず嫌いの人も観客。

とんねるずって昔から素人とのからみがよくありました。
「お前どこから来たの?」って感じでマイクを差し出しているのが浮かびます。

大御所でも若手でも素人参加型の番組をやったこと無い人は沢山いるでしょうね。

とんねるずは場慣れしていますね。ギラギラしていたもん(笑)
まあ、客と蹴った蹴られたしていた二人ですから。
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ハンオク (goemon)
2011-05-13 20:00:28
今回のハンマーオークションも盛り上がりましたね。
ただ一気に金額を上げてしまうのがちょっと…
もう少し競い合いながら上げてく方がドキドキ、ハラハラ感が伝わってくると思いますが。
予算のある人は一気に勝負に出て、戦意喪失を狙ってるのかも知れませんが。
それでもみなさん予算オーバーしてますけどね。

素人の食わず嫌いが面白いか?見ないだろ?
って意見もありますが自分は昨日の予告を見て
絶対見ると確信しました。
なんかやらかしてくれる感が伝わって来ました。

先週のJ・O・D・A・N…確か昔も盛り上がってたような…
違ってます?
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Unknownさん (ファイアー)
2011-05-13 23:41:36
>外じゃなくて中にいる

う~む、名言ですねえ。

>その芸人=その番組と言えるような番組を持てるのは本当にごく一部

これまた名言。
レギュラーを絞り込むことで、逆に番組のクオリティが上がってるってことですね。
みなおかの生ダラ化というのが、個人的にはちょっとひっかかってたのも確かなんですけど、
正しい選択なのかもしれませんね。

>とんねるずの二人がカツラをつけて歌っているのをみてびっくり

おっそうですか?
さてはUnknownさん、相当にお若い世代ですねっ!?
お若い方がとんねるずファンで、いろいろと真剣に考えられてるって、
とってもうれしいです。


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ohiroさん (ファイアー)
2011-05-14 00:05:25
>後でヤフオクなどに出品されることの無いように願っています

正直、わたしもそう思いました・・・
ハンマーオークションのお客さんにかぎって、そんな不届きモノはいないと思うけど。

>バイヤー二人の人柄で世界で活躍しているスター達も協力してくれる

とんねるずの人柄だからこそ、成立する番組かもしれませんね~まさに。

>再度スペインまでお土産持参で行ったのりさん

あの夫婦茶碗は、メッシに喜んでもらえたんでしょうか(笑)
なんか微妙な反応だったけど(笑)
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FUJIWARAさん (ファイアー)
2011-05-14 00:06:49
>やっぱり「人とのつながり」みたいなもの

そのへんも、震災後のバラエティの中で特別な感じがありますね。

>帝京、野球界に繋がりをもつタカさんならではのライオンズ

河田コーチとのやりとりが、すごいほほえましかったなあ(笑)

>大御所でも若手でも素人参加型の番組をやったこと無い人は沢山

あえてやらない人もいるのかな。
関西の番組では素人がおもしろすぎるので、
がんがん出てくるんですけど、
とんねるずと素人の絡みはまたちょっと違う雰囲気がありますね。
でも久々だから、第1回でタカさんが大汗かいてましたよね。
あれが可愛かった~

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goemonさん (ファイアー)
2011-05-14 00:07:43
>もう少し競い合いながら上げてく方がドキドキ、ハラハラ感

お客さんも、慣れてないからか競り合いになりにくいですね。
だけど、初回よりは2回目のほうがいい争いが見れたような。
これからもっとおもしろくなっていきそうですね。

>自分は昨日の予告を見て絶対見ると確信

わたしもです(笑)
あの映像はシュールすぎました。

JODAN、昔もやってましたか?
とんねるずのは覚えてないけど、武田鉄矢のは見てたから、
家でひとりで盛り上がってました(笑)


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