とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

探偵!ナイトスクープ the DVD

2009年04月15日 03時38分51秒 | 日本的笑世界
関西地方では「未来創造堂」と放送時間がすこし重なるので、ちっとばかし紹介しづらくはあるんですが・・・

まっ、DVDの紹介ってことで、ねっ。

だいぶ前にDVDの第一巻だけ記事にしました。その後もすこしずつ見てきましたが、最近ふとおもいたって、あらためてまとめて見ています。

あ~もうツライ。疲れた。笑いすぎて。爆笑しすぎて。
も~かんべんしてくれ。腹筋が痛い~

この番組、放送開始は1988年3月。
「みなさんのおかげです」とほぼ同時期にはじまったんです。
しかも、司会者・・・というより初代探偵局局長は、はやくからとんねるずを評価してくれていた上岡龍太郎氏。「ねるとん紅鯨団」にもゲスト出演したことがあります。

そう考えると、まあちょっと強引かもしれないけど、この関西の高視聴率モンスター番組ととんねるずとの共通点も、見えるような見えないような・・・

ま、それはおいといて、この番組について考えてみると。

まず「探偵!ナイトスクープ」は、厳密にいうと、お笑い番組ではない。

21年間かわらず番組の冒頭にながれるテロップ:

<この番組は、視聴者から寄せられた依頼に基づいて、探偵局長が部下の探偵たちを野に放ち、世のため人のため、公序良俗と安寧秩序を守るべく、この世にあらゆる事どもを徹底的に調査追求する娯楽番組である>

つまり基本的には報道ドキュメンタリーなのである。
制作側も出演者たちも依頼者も、みんな真剣。
けっして、けっっっっして、お笑い仕立てにするつもりなどない!

なのに、一般人からの依頼のかずかずが、あまりにも無茶苦茶だったり、馬鹿馬鹿しかったりするもんだから、結果として、あくまで結果として、大爆笑VTRになってしまう。
無理から笑わせようなんて気は、さらさらないのである・・・

と、いうのが、この番組の基本スタンスではないかと思うんです。

おもしろいネタがむこうから、つまり視聴者のほうから勝手に舞いこんで来る。
それが、長寿番組につながる理由でもあるでしょう。

前の記事で書いた「爆発卵」もそうですが、DVDの第5巻に入っている「水泳+暗算 日本一決定戦」なんて、おそらく業界人には絶対に思いつかないような斬新なネタですよ。
そして超おもしろい!(ぜひDVDでおたしかめください)

送られてくるネタのおもしろさを拾いだし、生かし、ふくらませる。
探偵たちがやるべきことは、それだけ。
探偵たちが作為的に視聴者を笑わせようとしたり、無理にオチをつけようとしたりしてはいけない。

初期の探偵たちのメンツをみればその姿勢がわかるでしょう。
桂小枝、嘉門達夫、槍魔栗三助(現・生瀬勝久)、北野誠、越前屋俵太、立原啓裕と、所属事務所もバラバラだし、純粋なお笑い芸人とはいえないひとクセある人たちが多かった。

ジャーナリスティックな姿勢と多彩な出演者。関西の番組でありながらもどこか無国籍的な雰囲気をもち、やってることはあまりにも下らないのに知的エンターテイメントになってしまう。

ここに、とんねるずとのひとつの共通点もあるかもしれません。

とんねるずも、しばしばハプニングや偶然が生む笑い、台本の枠をはみだす笑い、真剣にとりくむことによって自然にうまれる笑い、というものを大切にする傾向があります。

作られたリアクションではなく、ストロベリーがマイクを偶然落としてしまうことが、結果として、笑いを生むのです。

ナイトスクープ。このすばらしい番組が、東京ではさっぱりウケない。なんでやねん。

先月全国ネットで放送された「探偵!ナイトスクープ ザ・ゴールデン」も、関西では視聴率が20%を超えたのに(といってもこれがナイトスクープの平均視聴率なので特に高かったわけではないのですが)、関東ではなんと5%台。
あまりにも歴然とした差に、かえって笑ってしまいます。

まあ、そうなるような予感もしてたし、それでいいんじゃないかって気もするけども(笑)

「とんねるずワンフーはいいワンフー」の記事で、とんねるずファンの<見巧者>ぶりについて書きました。

そのありかたって、実は関西人に近いんではないだろうか。

関西の人は一般的にみて、メディアや芸能や情報を「読む」力、つまり、健全な批評精神をもっています。あるいはそれを持つように鍛えられるというか。

それは、業界のウラをも知り、とんねるずが繰り出すシャレのかずかずを、きちんとシャレとして受けとめ楽しむことのできるとんねるずファンのありかたに似ていると思う。

その関西人の<見巧者>ぶりがもっとも先鋭的にあらわれている番組、それが「探偵!ナイトスクープ」ではないだろうか!?


・・・しかしまあ、なんですねえ~(by 小枝探偵)

いまや小枝探偵についで最古参の北野誠探偵が、いま世間を大騒ぎさせている突然無期限謹慎にはいるため、すでに収録済のぶんを最後にナイトスクープからとりあえず去ることになるそうです。

ナイトスクープまで辞めてしまう!
このことが関西の視聴者にあたえた衝撃は大きいでしょう。
なぜならこのことが、事態の異常さ、理不尽さを如実に物語っているからです。

まこっちゃんのいないナイトスクープは、さびしすぎる!
理不尽なかたちでナイトスクープからまこっちゃんが奪われた---その理由だけでも、今回のことについて猛烈に怒る権利が、ナイトスクープファンにはあります。

「全国アホ・バカ分布図」、「すばらしき車椅子の旅」、「東尋坊のドリャーおじさん」、「寝言の天才」・・・

まこっちゃんが手がけたかずかずの名作ネタ、わたしたちは忘れないよ!
もどってきてくれるのを信じて待ってるよ!



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