とんねるず主義+

クラシック喜劇研究家/バディ映画愛好家/ライターの いいをじゅんこのブログ 

ウエディング・クラッシャーズ

2007年02月14日 04時00分58秒 | 世界的笑世界
『ウエディング・クラッシャーズ』
(Wedding Crashers デビッド・ドブキン監督 2005 アメリカ)



バレンタイン・デーにオススメ(?)のラブコメディ♪


<あらすじ>
離婚調停人のジョン(オーウェン・ウィルソン)とジェレミー(ヴィンス・ヴォーン)はお気楽な相棒。職場でドロドロの離婚劇をいやというほど見ているふたりは、結婚に何の夢ももたない。ナンパとタダ食いを求めてさすらうウェディング・クラッシャーズ(結婚式荒らし)だった。ある時、財務長官(クリストファー・ウオーケン)の長女が結婚するとかぎつけたジェレミーは、今年のシーズン最後を飾るビッグな式荒らしを計画。気の進まないジョンを説得してまんまとセレブ結婚式に潜入する。ところがジョンは長官の次女クレア(レイチェル・マクアダムス)にひとめぼれ。「マジな恋愛をしてはいけない」という結婚式荒らしの鉄則を破ってしまうのだった・・・



アメリカでスマッシュヒットとなったこの作品、日本ではビデオ公開のみとなりましたが、観たかったので発売がうれしいかぎり。


「結婚式荒らし」とは、つまり身分をいつわって見ず知らずの人の結婚式に入り込み、タダでパ-ティを楽しみなおかつ独身美女をひっかける、という遊び(ほんとにやる人いるのかな?)。招待客が決まっている日本の披露宴では、まず無理なのよね。


冒頭、主演のふたりがさまざまな結婚式を荒らしまくる姿をテンポよく見せていくところが、とてもおもしろいです。ユダヤ系、イタリア系、中国式にインド式と、いろんな結婚式が見られるのは、アメリカならでは。



ところでこの映画を観たかったいちばんの理由は、主演のふたり、オーウェン・ウィルソンとヴィンス・ヴォーンが好きだからなんです。


1990年代以降、コメディ映画で活躍し、しょっちゅう共演している6人の俳優を、USAToday誌はフラット・パック(Frat Pack)というニックネームで呼びました。


これは、60年代の「ラット・パック(Rat Pack)」(フランク・シナトラ、サミー・デイビスJr、ディ-ン・マーチンなど)、80年代の「ブラット・パック(Brat Pack)」(マシュー・ブロデリック、エミリオ・エステベス、ロブ・ロウなど)にちなんで名付けられたらしい。


フラット・パックは、固定したユニットではなくて、コメディセンスが近くて普段も一緒に遊んでる若い役者たちの集まりを、世間がなんとなくそう呼んでいる。


現時点でフラット・パックとみなされているのは、以下の7人。


ベン・スティラー(『ドッヂボール』、『ズーランダー』)
オーウェン・ウィルソン(『シャンハイ・ヌーン』、『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』
ルーク・ウィルソン(『キュ-ティ・ブロンド』)
ヴィンス・ヴォーン(『ザ・セル』、『ドッヂボール』)
ジャック・ブラック(『スクール・オブ・ロック』)
ウィル・フェレル(『ズーランダー』、『奥様は魔女』)
スティ-ヴ・カレル(『40歳の童貞男』)



アメリカンコメディ好きの方なら、なんとな~くわかっていただけると思います。彼らに共通するセンスが。お互いに、いろんな映画で共演しあっていますよね。


わたしはこの中で、オーウェン・ウィルソン、ヴィンス・ヴォーン、ウィル・フェレルがお気に入り。で、ずばりこの3人が共演しているのが『ウエディング・クラッシャーズ』と聞けば、観ずにいらりょうか!


ストーリー自体は、まったく他愛ないというか、ごくごくありがちな逆玉ラブコメ。
おもしろいのは、主演コンビのかけあい漫才です。たとえば往年のビング・クロスビー&ボブ・ホープのコンビものって、こんな感じだったのかな~と思わせる。見た目はいかにもハンサムでスマートなのに、とんでもないバカばかりやってしまうってところが。


ボブ・ホープ的マシンガン・トークを担当するのが、ものすごい背の高いヴィンス・ヴォーン。この人、大好き♪ 『ザ・セル』のシリアスな演技で胸キュンしちゃったのですが、今回のようなお調子者も似合う!結婚式でひっかけた相手がバージンだったと知って、あせって逃げようとしたり、長官のゲイの息子にせまられたりと、おいしいところを全部もってってます。


その忠実な相棒役(ていうか、こっちが主役だけど)のオーウェン・ウィルソンは、役の設定上ちょっと元気がなかったのが残念なものの、もともとハンサムなブロンドボーイだから、ロマンティックな場面がなかなかキマってるんだよなあ。


シリアスな役もやれるはずなのに、照れなのかこだわりなのか、コメディ一筋のオーウェン。彼の魅力は『シャンハイ・ヌーン』を観れば一目瞭然。ラストの銃撃戦でのすっとぼけた感じがいい。


脚本も書く人だからなのか、役者業をどこか醒めた目で見ているところがあって、そこが好きです。『ウェディング・クラッシャーズ』でも、クライマックスのいちばんロマンティックな場面でわざとはずしてみたりね。


主演コンビをとりまく女の子たちも、ものすごくいい。『きみに読む物語』のレイチェル・マクアダムス、はじめて見たけど、かっわいいなあ~♪ ジュリア・ロバーツの若い頃みたいなチャーミングさですね。姉の結婚式で、クサい誓いの言葉に思わず笑ってしまう場面がとてもキュート。変人エリート一家の中で彼女だけが"正常"な感覚を持っていることがわかります。


ヴィンス・ヴォーンの相手役のアイラ・フィッシャーは、めちゃおもしろい!今後要チェックですわ。


ウィル・フェレルは、おもしろいけどちょっとやりすぎ・・・?



ストーリーは、お坊ッちゃま軍団とダメ男コンビが、財務長官の娘をめぐって対決するという、わかりやす~いもの。お坊ッちゃま軍団は典型的なワスプ(共和党支持の白人エリート)。その描き方や、婚約者をダメ男が奪ってしまうというところに、ワスプが支配するアメリカの政治体制への批判も、暗にこめられている・・・か!?


まあそんな肩に力いれずとも、ラク~に楽しめて、ハッピーを感じられる映画です。バディ・コメディらしく、男同士の絆が大きなテーマでもあります。


男女カップルも、ゲイカップルも、シングルの方も、ぜひどうぞ♪


フラット・パックファンサイトFrat Pack Tribute(英文)



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