古楽の小路

30余年住んだ杜の都から東京へ。両親の介護も終了、気が付けば高齢者に。介護される身になるまで音楽生活を楽しみたいものです

バッハの落穂ひろい

2015-02-03 16:45:30 | ルネッサンス・バロック音楽
フィンランドの古楽器奏者というとルオヤラン-ミッコラ(Vg)と
アーポ・ハッキネン(Cem)くらいしか思い浮かばない。
持っているCDのF.クープランのガンバ曲では通奏低音奏者として
とても魅力的で、いつかソロを聴いてみたいと思っていた。

そのハッキネンのチェンバロ・ソロコンサートに行った。
先日のイヴ・レヒシュタイナーと同じく武蔵野文化会館。
使用楽器も同じミートケモデルのジャーマン・チェンバロだが製作者は
ヤン・カールスベク。こちらの楽器も繊細かつタフな楽器だった。

プログラムはオールバッハでそれもマイナー曲ばかり。
バッハ真作かどうかわからないせいか演奏される機会が
少ない曲が多かったので初めて聴く曲もあり、マイナー好きに
とっては実に刺激的だったし、奏者は40歳前にして熟成していて
巧みな演奏を聴かせた。

組曲イ短調BWV818は大分前レオンハルトが来日した時に
初めて聴き、それから私のレパートリーになった。なかでも
「サラバンド」はとても気に入っている。ハッキネンのテンポが
私にはちょっと速すぎた。最後に演奏された組曲もフランス組曲
風であったが、終曲のジグはなくメヌエット終わりだった。たまに
こういうのがある。

幻想曲ハ短調BWV906は未完のフーガがついているせいか単独で
演奏されることもあり、ハッキネンもファンタジーのみだった。
この曲は大昔グールドのピアノで初めてきいたが、シュタイヤーの
チェンバロで聴いたら煌びやかで曲の印象が違って驚いた。
フーガの途中でばっさり音がなくなるときは「フーガの技法」を
思い出してしまい、いつ聴いてもが胸が詰まりそうになって
しばし放心状態になってしまう・・。

アンコールでは小プレリュードの佳品とBWV906がまた再演された。
バッハの「落穂ひろい」を聴かせてもらって、また弾いてみたい
曲が増えてしまった。
コメント
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