アチャコちゃんの京都日誌

あちゃこが巡る京都の古刹巡礼

907  新シリーズ 令和に巡る京の神社 ⑳ 櫟谷七野神社(いちいだにななのじんじゃ)

2022-02-24 12:02:26 | 日記

第20番 櫟谷七野神社(いちいだにななのじんじゃ)

 

京都市上京区大宮通盧山寺上る西入社横町277番地

御祭神 高沙大神・春日大神・武甕槌命 他19柱

ご利益 良縁結び・悪縁切り

往年のたたずまいはない

世の中には、良縁・奇縁を求める人以上に、縁切りを求める人がなんと多い事か。なさぬ仲の不倫や望まないパートナーとの縁を切りたいなどと言う話は誠に多い。さらに、ビジネス上や近所付き合いなど複雑な現代社会では、関わりたくない相手とのストレスが人生を狂わしている。SDGsでは、多様性を重要視するが、一方的に考え方を強要するのはストレスの原因でもある。陰湿ないじめやSNS上での誹謗中傷は切れない「悪縁」に対する心の闇の発露でもある。嫌な人間が死ねばいいとか、会わずに済めばどんなに幸せか。このような望みが叶えられる神社が昨今大流行りだ。祇園東山の安井金毘羅宮なども有名だが、こちらは誠にマイナーだが、その霊力は尋常ではない。

上京の北の端、西陣地区のど真ん中の織家町に隠れるように鎮座している。筆者は2度お参りしたが、いずれも道に迷った。社伝によれば、文徳天皇(850年)の皇后藤原明子ご懐妊の際、その安産お祈りのため大和国三笠山から春日の大神をお迎えしたのが始まりとされる。当時は谷川が流れていたのであろう、その場所が山城国櫟谷(いちいだに)という。また、「七野」とは、紫野・禁野・柏野・北野・平野・蓮台野・内野のことで七野の惣社として祀られたとされる。

本殿

そして重要なのは、宇多天皇(894年)の皇后が薄れた天皇の愛を復活させてほしいと祈った話だ。その折、白い砂を三笠山の形に積み、祈願せよと のお告げを得て、その通り祈った所、天皇の愛情が戻ったとされる。それ以来、社前に白砂を積めば「浮気封じ・愛の復活の願い」が叶うといわれ、白砂も「高砂山」と呼ばれる。(写真)現在では、パートナーの浮気相手に密かにまじないを施すと縁切りさせることが出来るとも。もし読者の方で不倫をしていて、知らないうちに手元に「封じ物」(小さな白砂粒)が見つかったら相手の配偶者が密かに仕込んだものと思って間違いない。

縁切りセット?

また、当地は伊勢神宮の斎王同様、平安から鎌倉時代にかけて賀茂社に奉仕する斎王が身を清めて住んでいた場所でもあった。従って、「紫野斎院」と称された。(写真)

嵯峨天皇皇女・有智子(うちこ)内親王を初代とし、約400年続き後鳥羽天皇の皇女礼子(いやこ)内親王をもって廃絶した。天皇の女子(内親王)など高位の未婚の処女をもって任命された。現在では、葵祭の「斎王代」にその伝統が引き継がれている。勿論、未婚の市内の女性が選ばれる。残念ながら多様性の観点から、未婚とは言え穢れなき童女かどうかの条件はない。

なお、重要な事だがこちらでご祈祷を受ける際に、氏名・住所・相手の氏名など情報を記入しても絶対に守秘義務は守られ、自宅に郵送物も送らないとの事だ。さらにおかれた状況が厳しい場合、参詣せずとも郵送でもご祈祷が叶えられるとの事。もっと驚くのは「特別ご相談」といって「 ご神前にて宮司がゆっくり落ち着いてお悩み等をお聞きします。」との事で、「ご神威を仰ぎまつりて神のさし示される正しい道に従って心穏やかに、将来を進んでいただけるよう、最良の進路を明瞭にお話申し上げます。」とまでHPには書かれている。世の中にはこの手の悩みを持ち、相談相手に困っている人が多いのだろう。コロナ禍のさなか、コロナそのものでなくなる人も多いが、心的ストレスで命を落とす弱い人たちにも注意する必要がある。

やはり、「不倫は文化」ではない。倫理にもとる野蛮な行為である。バレなけば良いと思っているあなた!現に慎みを。

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