㉝ 辞任と解任 辞職と免職
前者が役員(取締役)の場合、後者は一般社員の場合である。
定義は、辞職・辞任は自らの意思でその任を辞する事。解任・免職は本人の意思に反してその任から降ろすことであり一定の手続きが必要である。要するに馘(くび)である。法的には役員でも労働者同様不当なことがあればその地位は守られる。
しかし現実には、「辞めさせられる。」「辞めてもらう。」のである。定年制度のある社員は別として、役員のケースで言うとほとんどの役員の辞任(任期満了も含め)は事実上解任である。本人の意思に反して任を解かれると言う意味では解任である。独立性を問われる社外役員などは例外である。唯一、トップの社長だけが自らの意思で辞める。最近は持ち株会社である親会社のトップから辞めさされる社長も多い。また、稀にオーナー会長から解任される2代目社長のケースも散見される。結局、納得済みの辞任など無いに等しい。
本文には無関係
まして業績不振や部下の不祥事があれば引責なのか任期満了なのか分からない。詳しく見ると役員の管掌分野を変更したり、その役員の本願地(営業系とか管理系)以外の副担当に棚上げされるなど、伏線を打っている会社もある。役員ともなれば高度の善管注意義務が求められるのだ。しかし役員の善管注意義務・勤務懈怠は主観の問題であり最終的にはケミストリーで決まる。好きか嫌いかである。出世してもサラリーマンは大変なのだ。
対策は、こまめな経営トップへの報告である。役員ともなれば常務や専務が上司であるとは思ってはいけない。平役員は将来の常務専務候補なのだからむしろ彼らにとってもライバルである。あくまでもトップとのコミュニケ―ションだ。問われて答えるのは下の下、問われそうなことをあらかじめ答えるのが中の中、問われようが問われまいがなんでもかんでも言っておくのが上の上だ。今はメールと言う便利なものがあり土日関係なくご注進できる。
サラリーマンの矜持に限界はあろうが、ライバルはみんなやっていると心得る事だ。ただし、本業(自部門)のパフォーマンスが上がっている事と、稀にゴマすりを見抜く社長もいることはある。極めて稀だが。