アチャコちゃんの京都日誌

あちゃこが巡る京都の古刹巡礼

780 あちゃこの京都日誌  俺にも言わせろ パワハラについての考察 ③

2020-12-15 08:15:44 | 日記

完全主義洗脳パワハラ

前回同様全国の営業所を回っていた頃、非常に難しい支店長がいた。何が難しいかと言えば、深夜残業の事実を掴んでいるのだが、社員がなかなか事実を言ってくれない。また、パワハラの疑いがありながらこれも社員から何の裏付けも取れないものだった。

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社員にヒヤリングすると、尊敬する支店長、親切にしてくれる支店長という話ばかりだ。しかし、何かが違う。如何に良好な支店でもこのような過大に支店長を絶賛することはない。不自然極まりない。私は必ず破綻すると読んでいた。

遂に、人事部に社員奥さんから訴えが来た。旦那の帰りが異常に遅いと言う。申し出た社員の人権は守らなければならない。支店に訪問し当該社員(課長)にヒヤリングした。なかなか本当のことを話さない彼は、なぜかキョロキョロして視線が落ち着かない。

なんと、後ろに支店長がいるとか、机の下に録音機がないか心配だと言うのだ。必ずあなたを守ることを条件に聞き出したのは、驚くべき事実であった。連日、夕方5時ごろから深夜に至るまで説教が続くのだ。特定の課長の場合もあればマネージャー全員の場合もあるという。

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罵倒するとか、言葉を荒げるとかなく、こんこんと正論を述べ続けるのだ。中には、もっともなことなので支店長の心服する課長もいるのだ。正論でも5時から10時まで続けると立派なパワハラである。パワハラと思わない社員は洗脳されたというべきであろう。

驚くべきはその後、飲みに行ってなお話が続くのである。結局連日帰宅が深夜に及び、当該社員の妻の訴えになったのだ。後半は仕事ではないので、長時間残業の問題に表れない。また、洗脳された社員も多いためヒヤリングしても事実関係が聞き出せないのだ。

このケースの問題は、暴力や暴言ではなく優しく諭していても、それが長時間に及ぶ場合完全にパワハラであること。その時間本来の業務が止まるので非効率極まりない不正行為であること。支店長の個人崇拝を目論むことでマネージメントの汎用性(応用性)が奪われることなど重要問題だった。

後日、本社からの訪問者には余計なことは言わないこと。言えば徹底的に犯人捜しを行うこと。取引先訪問など一切せず一日中店内を監視していたことが判明した。本人は正当な部下指導だと最後まで主張していた。事実をつかんだ後、厳重注意した後も犯人捜しは激烈だった。

支店長職を下りてもらった後も、洗脳が解けず同様のマネージメントを行う元部下がいて困った。叱ったり注意したりするのは、短時間で明確に行うべきである。また、部下指導と取引先様との交流とは半々のバランスが必要だ。

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この案件は、ある意味非常に熱心な支店長を1人失ったことで、私自身にも大きな痛手だった。汎用性のある拡大拡散可能なマネージメント象を考える上でも、教訓になった事案だった。また、ハラスメントがされている本人に被害者感情がない場合もあることでも悩ましい事案であった。