アチャコちゃんの京都日誌

あちゃこが巡る京都の古刹巡礼

236 アチャコの京都日誌  スモン石鹸株式会社の騒動 ② 

2017-12-23 21:57:34 | 日記

四角社長は、前任の南の海社長の急死によって就任した為、求心力に欠けていた。

しかもセールスマン時代の販売実績が物を言うこの会社では、四角社長のトップセールス時代はあまりに短かった。

南の海社長は、実績でも自分に匹敵する高根の花専務を、後継者と評価していたがその死によって白紙になってしまった。

四角社長と高嶺の花専務とは、仲がいいはずがなかった。そこに今回の事件。

この会社の営業現場での行き過ぎた指導は、しばしば問題になっていた。

高根の花専務は、この機会に自分の立場を挽回しようと秘策に出た。

警察に届けた以降、沈黙を貫くことにした。裁判に持ち込む為だ。一方、四角社長たち他の役員たちは、うろたえた。

この程度の暴力は、日常茶飯事のこの会社では、警察の取り調べはあってはならない事だ。会社の中で解決したかった。

加えて、外国社員のもめ事は、表にすると国際問題に発展しかねない。

まずい事に、高根の花専務には、国民的人気がある。マスコミは一斉に、専務擁護、会社批判に動いた。

暴力反対、外国人差別反対、独占企業は問題だとキャンペーンを張った。しかし、問題はそのような簡単な問題ではなかった。

高根の花専務と、モンゴルセールスマンとの確執が絡んできたのだ。

続く


235 アチャコの京都日誌   スモン石鹸株式会社  ①

2017-12-23 19:14:10 | 日記

株式会社 スモン石鹸 長く日本の洗濯石鹸のトップメーカで、歴史の古い会社の為、日本人ならば誰でも知っている。

高根の花専務は、一世を風靡したトップセールスマンからいきなり役員に昇格し今日専務の重要ポストに付いている。

古典的なこの会社は、セールスマン出身者しか役員にはなれない。特に特別な販売成績を修めたエリートは、

現場を引退したとたんに役員に就任することもある。

世間からは、元セールスマンばかりが経営陣を占めている事から、コンプライアンス軽視との批判が常にあった。

実際、押し込み販売や販売手数料のごまかしなど不祥事が絶えない。それでも石鹸の評判は落ちないのは、国が応援しているからだ。

日本では、事実上洗濯石鹸はスモン石鹸が独占している。新たなメーカーの設立の許可が下りないのだ。

確かに、汚れの落ちという点では、世界の追随を許さない良い石鹸なのだ。

しかし人気に胡坐をかいてばかりじゃ会社も限界だ、加えて国際化の流れが、スモン石鹸にも襲って来ていた。

モンゴル子会社からの出向社員が、最近トップセールスを独占しているのだ。

モンゴルでもスモン石鹸は人気がある。それを本場日本で販売して一攫千金を夢見て

どんどん販売部隊にモンゴル勢が押し寄せている。

彼らのハングリー精神は半端ではない。多少強引な売り込みは顰蹙を買う時もあるが、成績が物を言う会社だ。

正統派の、販売方法を貫いた高根の花専務は、面白くない。

そんな時に大事件が起こる。高根の花専務の直属の部下のモンゴル人が、

同じモンゴルのトップセールスマンに暴力を受けて

大けがを負ったのだ。

しかも会、高嶺の花専務は会社に無断で、警察に被害届を出したのだ。改革が緒に就いたばかりの四角社長は、激怒した。

続く