んー。読んだのだけど、何も言うことないなあと思っていたんですけどね。時間がたつにつれて、どうにもひっかかってくるので少しだけ。
とにかく(小説を)書きたくない書きたくないということばかりを書いているというものすごい矛盾に満ちた小説なんですね。世の中、小説を書きたいひとはたくさんいるみたいだし、(わたしを含めて)こういったブログやウェブの日記などまで書きたいひとにあふれているというのに、こんなに書きたくないひとに書く仕事が行くということ自体ものすごい矛盾なわけですが。
じゃあ書くなよ、という単純な突っ込みは、有効と思えない。
彼は生活のためにお金を得るために仕方なく書きたくないということを書いているのだけれど、書いている間にもパソコンの電気や部屋の電気を使って消費しているという矛盾もあり、このへんは小説家であるというだけではなく、今生きているということの矛盾にもつながるようで、ただの駄々っ子(笑)ではないという気もしてきます。
ついには島田雅彦(の文芸時評)に完全にぶち切れて、連載そのものをやめてしまう。『小説トリッパー』の連載が、怒りの「あとがき」とあわせてわずか三回、それで一冊の本になってしまうというのもすごいなあ。
今の時代に小説を書くということの意味について、これほど徹底的に考えている作家はいないともいえるわけで、逆説的な意味で非常に現代的な作家なのかなあ。うーん、むずかしい。
『KKKベストセラー』のテーマというCDが付いているのですが(笑)、聞くべき?
装丁は笑えます(bk1にも画像がないのは、写真には写らないから?)。
やっと初夏のような一日でした。
きょうも家ごもりで添削のお仕事。
とりあえず終わった。