美容院→ワタリウム美術館→フロラシオン青山

2005-03-18 23:12:05 | Weblog
息子、原付免許の試験に行くも書類不備(住民票に本籍がなかった)につき出戻る。
詰めの甘い奴め。

午後美容院へ。少し短めにカット。春だしね。
息子も同じ美容院、同じ担当のひとなので「息子さん大学どうでした?」と聞かれ、「うかっちゃったんです~」と答えると「普通はもっとうれしそうに報告するんじゃないの? 親なら」と言われてしまう。ふん。

そのあと外苑前まで出てワタリウム美術館へ。地図通りに歩いていったのに見つけられず交差点まで戻ってみたり。最終的には交番で聞いてたどりつくorz
「岡倉天心展」。なんというか、大きな垂れ幕みたいなものに天心のいろんなことが書かれて会場のあちこちに吊されていて(それ読むだけで時間がすごくかかってしまう)、展示物そのものはそんなに多くない。それでも当時の美術学校の制服とか天心直筆の手紙がたくさんあって興味深いものが見られた。わたしは「字」を見るのが好きだ。悪筆であれ癖字であれ、字にはそのひとにしかない温度がある。天心の字は、四角張っているのに柔らかい印象。特に私信の手紙の字がいいなあと思って眺める。
菱田春草と横山大観の学生時代の絵(デッサン)が見られたのも面白かった。春草のデッサンは一見稚拙なんだけどよく見ると意外にダイナミックななかにも緻密さがあったりしてなるほどねえなどと唸ったり。大観の蓮根はすばらしかった。
建築家の六角鬼丈さんが五浦の六角堂を復元していて、この小さな美術館によくもこんなものを組み込んだよなあと感心(靴を脱ぐのが面倒で中には入ってみなかった)。
入場券は期間中何回でも有効らしいので、もう一回くらいは見に行こうと思ってます。

一階のグッズ売り場で面白いものをたくさん売っていて、永遠にここから出られなくなりそうだったので、友達の誕生日用にカード一枚だけ買って退出。恐ろしい場所だワタリウム。

そこから南青山の「ホテルフロラシオン青山」へ。「音」の桜井健司さんの歌集『融風区域』の出版記念会に参列。そこまでは迷わずにたどり着けた。
いわゆるお祝いの会かと思ったら、きちんと発表者を立てての批評会だった。途中でサンドイッチとコーヒーが出たのだけど、隣に座っていたoさんは「こんな時間まで酒を一滴も飲まないのは人生で初めて」とぼやいていた。

いい歌集だとは思うのだけど、比喩や技巧的にすぐれていること、体言止めや終止形で終わる歌が多いことによって一首の世界が完結してしまっていることにやや物足りなさを感じた。証券マンであることの職業詠も、もっと専門用語的なものが出てきてよかったのではないのかなあ。遊びとか破綻がほとんどないので。
しかし久しぶりに「等身大の作者の顔」が見える歌集で、批評に関しても従来の価値観で測れるという意味では非常に楽な(楽、というのは語弊があるかもしれないけれど)歌集でしたよ。

二次会は青山の「魚民」。桜井さんの意外な素顔やkさんの待望の処女歌集出版計画に盛り上がる。
いろいろ歌壇の古い話を聞いていると、自分がいかに短歌を知らないかということを思い知りますね。知らない歌人の知らない歌集の話が次から次へと。
このところ若い世代の出版会などに出ることが多かったからだろうか、温度差というだけでは語れないものを実感してしまった。あたしって若いの?としなの?
まあでも、武川先生のお元気な姿を拝見できたのはうれしかったです。

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