デューク・アドリブ帖

超絶変態ジャズマニア『デューク・M』の独断と偏見と毒舌のアドリブ帖です。縦横無尽、天衣無縫、支離滅裂な展開です。

ジョージ・ウォーリントン・クインテット、凱旋門で記念撮影

2024-08-18 08:23:29 | Weblog
 札幌円山のジャズ喫茶「GROOVY」で月替わりに飾られる3枚のジャケット。今月はパリ・オリンピックに因んでジョン・ルイスの「Afternoon In Paris」。色合いのバランスからAtlantic 盤ではなくVersailles盤。ミシェル・ルグランの「Bonjour Paris」は窓越しにエッフェル塔が見えるコロムビア盤。そしてクレオパトラの針が印象的なMJQの「Concorde」。ナイス・チョイスだ。

 「凱旋門がなくてね」とマスターが言うので、すかさず「ジョージ・ウォーリントン」と答えた。マスターは怪訝そうに「カフェ・ボヘミアってニューヨークですよね」と。「当時人気のバンドだったのでサンジェルマンに呼ばれた時に記念撮影したのでしょう。プログレッシヴはマイナーレーベルなので専属のカバー・デザイナーもカメラマンもいなかったので、間に合わせにその時の写真を使ったのかもしれません」とアドリブでストーリーまで作る。もしかしてと思い調べるとワシントン広場の凱旋門だった!赤っ恥だ。知ったか振りでジャズを語っている身から出た錆である。

 広場と同じグリニッジ・ヴィレッジ地区にあるジャズクラブ「Café Bohemia」で録音した1955年当時、ボス30歳、メッセンジャーズに呼ばれる直前のドナルド・バード23歳、マイルスと共演したことで大きく成長したジャッキー・マクリーン24歳、コンボ加入初のポール・チェンバース何と20歳、既にベテランの域に達するアート・テイラー29歳。俺たちは今最先端のハードバップを演奏しているという熱気に満ちあふれている。AB面通して聴きたいレコードは数少ないが、間違いなく一気に両面聴きたくなるライブだ。1970年に再発されるまで幻の名盤の本命と呼ばれたのがよくわかる。

 日本選手団の本隊が13日に帰国した。海外開催では最多となる金メダル20個という。選手たちのはじける笑顔、成田空港で出迎えるファン、関係者の拍手、いつ見てもいい景色である。惜しくもメダルに届かなかった出場たちにも大きな声援を送りたい。4年後、ロサンゼルスの帰りにメダルを下げて凱旋門で記念撮影しよう。
コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ユニクロのTシャツ「Somethin... | トップ |   
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
管理人敬白 (duke)
2024-08-18 08:28:38
いつもご覧いただきありがとうございます。

凱旋門といえばパリという思い込みから勘違いしていました。カフェ・ボヘミアはニューヨークですので、よく考えるとわかることですね。そう言えば中学時代にフォークダンスで踊ったヴィレッジ・ストンパーズ「ワシントン広場の夜はふけて」のEP盤ジャケットは凱旋門でした。 

長い間間違いに気づかなかったことがあればコメントをお寄せください。
返信する

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事