作家の倉橋由美子さんがオーネット・コールマンの「ロンリー・ウーマン」を始めて聴いたとき全身の細胞が震える体験が得られた、というようなことをエッセイに綴っていた。名曲中の名曲で、不協和音の美しいメロディラインが不思議なことに心地良い。細胞が震えるのはこの不協和音からくるものだろう。今では古典になったフリージャズ黎明期の曲の元になったのは、「トゥモロウ・イズ・ザ・クエスチョン」の中の「Lorraine」である。
美人薄命というがこの曲は、30歳の若さで亡くなったロレイン・ゲラーに捧げられたものだ。アルト・サックス奏者のハーブ・ゲラーとおしどりコンビで知られているピアニストで、バド・パウエル直系のスピード感あるソロは力強さの点でも男性に引けを取らない。活動の中心はウエスト・コーストで、レッド・ミッチェルの初リーダー作に参加したり、ハワード・ラムゼイのライトハウスにも出演していた。ローチに連れられてひょっこりライトハウスに現れたマイルスとも共演している。このときの演奏はマイルス・ファンなら封印したくなる内容だが、ロレインは溌溂としており、マイルスが麻薬を断ち切ろうと決心したのはこの演奏の直後なのでロレインに刺激されたのかもしれない。
そのロレインの唯一のリーダーアルバムが「アット・ザ・ピアノ」で、もともと発売は予定していなかったデモ用の音源を追悼盤としてドットからリリースしたものだ。デモ用とはいえ非常に質の高い作品で、儚く散ったロレインの魅力に触れることができる。4曲のオリジナルは音楽的に完成度が高いうえ、バップのエッセンスが随所に散りばめられており作曲家としての才能も見過ごせない。スタンダードでは無伴奏ソロの「ポインシアナ」がドラマティックな展開で、後半テーマ・メロディが出てくるとろこはゾクッとするほど美しい。ポインシアナという花は大きく赤色五弁で総状について美しいという。
さて、女流バップピアニストとニュージャズの旗手はどこに接点があったのだろう。レコード上で共演はないが、デビュー前、ロサンゼルスでコールマンは異端者の扱いを受けながらもジャムセッションに参加している。この時期にロレインと共演したことは十分考えられるし、クラシックを学んでいたロレインが異端者のジャズを理解できたとしても不思議ではない。ただ一人の理解者がいればジャズも変わる。
美人薄命というがこの曲は、30歳の若さで亡くなったロレイン・ゲラーに捧げられたものだ。アルト・サックス奏者のハーブ・ゲラーとおしどりコンビで知られているピアニストで、バド・パウエル直系のスピード感あるソロは力強さの点でも男性に引けを取らない。活動の中心はウエスト・コーストで、レッド・ミッチェルの初リーダー作に参加したり、ハワード・ラムゼイのライトハウスにも出演していた。ローチに連れられてひょっこりライトハウスに現れたマイルスとも共演している。このときの演奏はマイルス・ファンなら封印したくなる内容だが、ロレインは溌溂としており、マイルスが麻薬を断ち切ろうと決心したのはこの演奏の直後なのでロレインに刺激されたのかもしれない。
そのロレインの唯一のリーダーアルバムが「アット・ザ・ピアノ」で、もともと発売は予定していなかったデモ用の音源を追悼盤としてドットからリリースしたものだ。デモ用とはいえ非常に質の高い作品で、儚く散ったロレインの魅力に触れることができる。4曲のオリジナルは音楽的に完成度が高いうえ、バップのエッセンスが随所に散りばめられており作曲家としての才能も見過ごせない。スタンダードでは無伴奏ソロの「ポインシアナ」がドラマティックな展開で、後半テーマ・メロディが出てくるとろこはゾクッとするほど美しい。ポインシアナという花は大きく赤色五弁で総状について美しいという。
さて、女流バップピアニストとニュージャズの旗手はどこに接点があったのだろう。レコード上で共演はないが、デビュー前、ロサンゼルスでコールマンは異端者の扱いを受けながらもジャムセッションに参加している。この時期にロレインと共演したことは十分考えられるし、クラシックを学んでいたロレインが異端者のジャズを理解できたとしても不思議ではない。ただ一人の理解者がいればジャズも変わる。
ポインシアナはキューバのマヌエル・リソが作ったスペイン語の歌ですが、バディ・バーニアが英詩を付けビング・クロスビーの歌で大ヒットしました。アーマッド・ジャマルの愛奏曲で何度も録音しておりますし、ロリンズがこの曲ではじめてソプラノ・サックスを吹いたことでも話題になりました。今週はインストでポインシアナのお気に入りをお寄せください。ヴォーカルはまたの機会に話題にします。
管理人 Poinciana Best 3
Ahmad Jamal / But Not For Me (Argo)
Sonny Rollins / Next Album (Milestone)
Lorraine Geller / At the Piano (Dot)
他にもデイブ・ブルーベック、マッコイ・タイナー、キース・ジャレット、テテ・モントリュー、ソニー・スティット、ブッカー・アービン、ニック・ブリグノラ、シェリー・マン等々、多くの名演があります。
今週も皆様のコメントをお待ちしております。
Ahmad Jamal POINCIANA HQ Live in France 14 oct 2009 complete first row
http://www.youtube.com/watch?v=JVpI6bWOG9M&feature=related
ロレイン、予定どうりですね、ポインシアナとは思いませんでしたが。
今の僕の気分ではアーヴィンが一番です。
Booker Ervin /That's It! (Candid)
アーヴィンも良いけどパーラン、タッカーと続くソロも良いですね。
Billy Taylor / One For Fun (Atlantic)
次はビリーで、このポインシアナはなかなか良いと思います。
Ahmad Jamal /The Piano Scene Of(Epic)
最後はジャマルですが、レイ・クロフォードのギターが良い塩梅ですのでこちらを選びました。
今日は一つ取ってやれやれです。
予定どうりロレインですが、「ポインシアナ」ではなく「あなたと夜と音楽と」を予想されたのでしょうか。記事よりもタイトルが先に決まりましたので変更できませんでした。(笑)
まずは黒いところが挙がりましたね。アーヴィン、パーラン、タッカー、息が合っております。
そしてビリー・テイラー、何の変哲もないジャケですが、そのピアノ同様惹かれるものがあります。
ジャマルからはエピック盤がきましたか。これは持っておりません。ジャマルはけっこう所有しているのですがアーゴ盤ばかりでした。エピック盤ではあの枯葉はありました。そろそろ枯葉登場か。(笑)
「Latinsville! / Victor Feldman」
大好きなフェルドマンとラファロの共演ですからね、
選ばないわけがありません!
テーマを1小節やったあと、ラファロのベースが
後ろで「ボボンボンボンボンボンボンボン」と響く
くだりが、もう堪りません。
ジャマルは、パーシング・ラウンジでの
ライブ・ヴァージョンが余りに有名ですが、
スポット・ライトの音源も結構好きですね。
こちらは、ドラムがVernell Fournierではなく、
Walter Perkins。
あと、ラファロとジョー・ゴードンの共演のもいいし、
シェリー・マンも複数音源残していますね。
意外なところでは、
「Departure / Gary Burton」とか、
「The Outlaw / Joe Chambers」なんてのが、
手持ちにあります。
ここでは、チェンバースはヴァイブを叩いてます。
正直、あんまり上手いとは思わないな(笑)。
Lorraine Geller / At the Piano (Dot)
この二枚に文句はない、他にも多々所有しているが・・・極めつけはこれ!
今週の第一位
Walk Don't Run/大隅寿男トリオ(M&I)
この盤は別名、ポインシアンナと題しても良いくらいの出来栄え、ピアノはハクエイ・キム君、何の変哲もなく始まるが段々良くなるホッケの太鼓風で、浮遊感を味わえる独特の大隅のドラミングの感触が堪らない。
まるでグライダーで緑の大地を滑空しているようだ・・・と私のコメントがライナーノーツに記載されている。
飛行機会社が着陸時に機内で流すBGMとしても最適だと某航空会社に勧めているのだが・・・
と言うわけでした。(チャンチャン)
フェルドマンがトップですか。ラファロ参加で何かと話題になりますが、他のメンバーも豪華で楽しめます。ジャケと企画はイージーな感じもしますが、内容的には素晴らしいですね。
ジャマルは何度も録音しておりますね。エレピで演奏したものもありましたが、私はパーシング・ラウンジが一番心地よく聴こえます。
ラファロとジョー・ゴードンもありましたね。ライトハウスのライブ音源ですが、記事でも触れましたがライトハウスは毎夜熱かったのでしょう。
バートンにチェンバースもありましたね。チェンバースのたどたどしいヴァイブもセンチメンタル・ムードの味わいです。(笑)
ワンツーと順当に挙がったところで今週の極めつけの第一位が出ましたか。
SHIN さんにメンバー全員のサインをもらい、送っていただいたアルバムですので非常持ち出しの箱に入れてありました。久しぶりに取り出しましたがポインシアンナの盛り上げは見事ですね。
おっしゃるように飛行機の着陸時に相応しいかもしれません。イメージはジェットストリームでしょうか。タイトルはウォーク・ドント・フライト。
ロレイン・ゲラーは予測できましたが、ポインシアナでくるとは、思いもよりませんでした。それでも、手持ちには、8種のヴァージョンがありました。①、②以外には、それほど強い印象の残っているのはありませんが、選択してみました。
①Ahmad Jamal / But Not For Me (Argo)
②Lorraine Geller / At the Piano (Dot)
③Jerome Richardson / Romin' (New Jazz)
③はフルートによる演奏です。マルチリード奏者で、便利に使われて、リーダー作があるのかどうかよくわからないリチャードソンですが、この曲はまあまあかなと。他に、ビリー・テイラー、レ二ー・ニーハウス、ディック・ジョンソン、スリー・サウンズなど、古い録音ばかりですが、やっている人が多くてびっくりしました。
ブルー・ルームか、縁は異なものを予想されたのでしょうか。ともに名演名唱がありますので近いうちに話題にしたいですね。
ワンツーと並んだところで、ジェローム・リチャードソンがありましたか。何か忘れているなぁ、と思っていたのですがこれですっきりしました。これも良い内容ですね。リチャードソンはキャリアに比してリーダー作が少ないですので貴重なアルバムです。数枚のリーダー作はどれも高値ですね。ヴァーヴ盤の「Groove Merchant」を安値で買いましたが失敗でした。カット盤でしたので安いかと思いましたが、価格通りの内容でした。(笑)
レ二ー・ニーハウスのコンポラ盤に、ディック・ジョンソンのエマーシーもありましたね。ジョンソンはサイドメンが地味なこともありあまり話題になりませんが、良い内容と思います。
ほんとに聴いてコメントしているのですか?
Poncianaを演奏しているのはGordon,Kamuca,Freeman,Budwig,Manneで、演奏を聴いた限り、CDのデータ通りベースはBudwigです。一方LaFaro
参加の別セッション2曲のうちロリンズ作曲のPaul'sPalをCDではIt Could Happen To Youと誤記しています。
いくら仲良し仲間の、まじめなコメントを寄せても最後は冗談で締めくくるブログでも少しは聴いてコメントしてください。
これではまじめなファンが投稿できなくなります。
私もごくリラックスしてジャズに接していますが、少々がっかりもし、呆れもしました。