デューク・アドリブ帖

超絶変態ジャズマニア『デューク・M』の独断と偏見と毒舌のアドリブ帖です。縦横無尽、天衣無縫、支離滅裂な展開です。

チャーリー・マリアーノは大鵬ファン

2007-08-05 07:29:50 | Weblog
 大相撲地方巡業が始まり、当地でも場所が開かれる。17年ぶりのことで前売り券の売れ行きは好調のようだが、朝青龍の休場を知った勧進元のため息が聞こえてきそうだ。怪我なら仕方がないと思えど、モンゴルで元気にサッカーに興じる姿をみれば仮病と疑われても仕方がない。強さ以上に横綱に求められるのは、土俵にファンを惹きつける品格であろう。

 「巨人大鵬卵焼き」という流行語を生み出した昭和の大横綱大鵬は、実力、人気、品格、どれをとっても申し分なかった。ファンも多く、アルト奏者のチャーリー・マリアーノもその一人だ。「A Jazz Portrait of Charlie Mariano」というアルバムで、「To Taiho」という大鵬に捧げた曲を吹き込んでいる。厳粛な横綱の土俵入りを思わせるイントロから力強い変化に富んだソロは、千秋楽の柏戸との大一番の展開をみるようでゾクゾクする。品格のある美しいマリアーノの音色が印象的だ。

 ジャズファンには周知のマリアーノだが、Jポップのファンにも知名度は高いようだ。あるCD店のポップに「マンディ満ちるのお父さん」と書かれていた。なるほどこの手があったか。もしやと思い、秋吉敏子のCDをみると「マンディ満ちるのお母さん」とある。(笑)このキャッチコピーを見てマリアーノや秋吉敏子を、何人かのマンディ満ちるファンが購入したかもしれないし、マンディ満ちるを知ったジャズファンもいるであろう。他のジャンルの音楽に触れるのもまた愉しである。

 相撲協会が朝青龍に下した処分は2場所出場停止という重いもので、引退勧告ともいえる。横綱昇進のときの口上は「横綱として相撲道発展のため一生懸命頑張ります」であった。髷を切るにしても、屈辱の処分を受け入れるにしても、品格という綱を編まなければ何事も発展しない。
コメント (26)
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