ある記憶

遥か遠くにいってしまった記憶たち

秋田・黒湯温泉の旅

2008-03-28 22:11:35 | 
20年前、秋田の田沢湖から田沢湖高原沿いに続く道の行き止まりとも言える、
登山道の入り口付近に佇む、黒湯温泉という温泉場に、一人で出かけたことがあった。
傷心の旅であったが、湯の温かさどころか、寒さと侘しさが、傷ついた心にひとしおしみる旅となった。

1週間くらい、秋田や青森、岩手県あたりを周遊しようと思ったけれど、
もう2泊と3日で耐えられなくなり、自宅アパートに帰ってきた。

1泊目は田沢湖畔のペンションで、2日目が乳頭温泉郷のこの黒湯であった。
少し前に、ひろみGO(当時は、「郷ひろみ」)の「ジャピィや~ん」が流行し、
テレビのJRのCMで「ディスカバージャパン」と称し、この黒湯が映像に使われたこともあって、僕は黒湯に行ってみたくなった。

一人で田沢湖をレンタルの自転車で一周し、高村光太郎の「乙女の像」などを見たり、周辺の自然を楽しもうと心がけた。
が、それまで何をするにも2人だったものが、たった1人でというのが、辛くて仕方が無い。
黒湯は、テレビで見たのと同じ、ひなびた味わい深い温泉宿であった。
「2人できたなら・・・」と、何で気を紛らわせようとしても、逆になった。

そう、C子に三行半を宣告され、もう3ヶ月も経った頃だった。
もう、あれから20年も経つんだなあ。

3日目には、田沢湖を離れ、新幹線の新花巻に降りて、宮沢賢治の記念館を見学した後、盛岡れーめんをたらふく食った。
イーハトーヴなどという気分には、もうなれなかった。
本当に、辛くてつらくてたまらぬ小旅行であった。

明日、仙台に日帰りの旅に行く。仕事関係の延長である。
牛タンでも食ってこよう。
仙台はまだ桜は咲かないだろうね。

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