DJみならいのモデルガンブログ

20年近くだらだらと書いています。モデルガン、自転車などの記録。

タナカ SIG/Sauer P226R

2007-11-07 19:10:00 | _ その他モデルガン
・タナカ SIG/Sauer P226 Raild Frame
 余談から入る。最近ナイフに興味が向いているのだが、様々なWebサイトを渡り歩き画像を眺めても、これ!と気に入るモデルが見つからない。製品ラインナップにナイフを加えている実銃メーカーも多く、例えばャ潟}ーフレイムで有名なグロックの元はナイフメーカーだったと聞く。私がわりとひいきしているSIGも「SigTac」というシリーズを展開しており、かつてショットショージャパンのフリーダムナイブズブースに鎮座しているこれを横目に流した記憶がある。20k台、高価で手が出なかったし、餅は餅屋というように、やはりナイフを専門に扱うメーカーの品物が欲しかった。数日前、独Böker社製、折りたたみ式の物を購入。通信販売で送料を浮かす為の下駄のつもりでカゴに入れたが、手元に届いてから一通り弄っても特に思うことは無く、その内ナイフ好きの知人へ譲ることになりそうである。・・・改訂前の記事にSigTacの文字があったので、ナイフ繋がりの話を書いてみた。ここ数ヶ月、こんな調子である。

 元の記事では、ナイフ雑談を除き、主にグリップフィーリング、レバー形状(デザイン)、外観とギミックについての感想少々を書いた。今回は特にバレルの耐久性に関して苦言を呈す。厳密に言えば、ためにならない文言の羅列なので、苦言より苦情に近いが。

 再生紙のような蓋を開け、P22Xシリーズ共通のスチロール箱から本体を取り出すと、名物の黄色いオイルが相変わらずべっとり。カートリッジは、USP、グロックと同じ銀色の弾頭をした物。本体はマットブラックの塗装、常識的に思いつく箇所は金属パーツが使用され、全体の色調も違和感を感じない。グリップパネルは高級感のある艶消し黒でガスブローバック初代より進歩。レイルの溝と、中途半端に手を加えられたトリガーガード内のパーティングラインは目につくが、どのトイガンも大方こんなものだ。各パーツはタイトで、本体を振り回しても安い音を立てず剛性があり、公称値500gのウエイトに感覚的な重量を乗せて、数値以上の手応えがある。フレーム前部に腰を据えた、金属の塊ロッキングインサートの恩恵もあるだろう。外観は良い意味で値段相応。


 ところで、取扱説明書は旧P226用、新型カートリッジ解説の半ペラと合わせて2枚の内容であるが、どこを捲ってもP226Rのパーツリストが載っていない。これは如何な物か。

 未発火で慣らしも殆ど行っていないゆえ作動は渋い。どれほど本領を発揮できるかは当然擦り合わせ次第だと思うが、スライドを引いた感触は残念ながらギスギスしたプラスチックそのものである。また、シングルアクションはまだしもダブルアクションのトリガーフィーリングが頂けない。実銃を撃ったことがないので本物もこんなものだと言われればそれまでだが、モデルガンにおいて後発のP220がパチンパチンとスムーズであるのに対し、引きが重く途中でバキンと破損に似た音を立て千切れるような感触は好きになれない。

 樹脂のファイヤリングピンを採用したセンターファイヤなので、ブリーチフェイスは実銃に倣っている。ファイヤリングピンブロックも再現されており涙ぐましいが、サイドファイヤにも係わらず同じ物を備えたMGCのP220が本気で泣かせるので勝てない(宣伝?)。旧P226譲りのリアルな内部構造に実動する金属製のエキストラクターが加わり、ガスガンでは金型のモールドにより省略された外観へ新鮮味が与えられた。生きているように見えるブリーチピンは残念ながら機構の制限上非貫通のめくらピンに止まっているが、両側からブリーチを固定する重要な役割を担っている。そのブリーチブロックは一見プラスチックに思えるも、冷やりした触感は紛れも無い金属である。ただ、硬度は意外に低く、おそらく最低限の強度しか持たされておらず、装填排莢を繰り返すうち変形する場合も考えられる。


  本題に入る。バレルである。"バレル自体は材質変更により強度が増し(以前より色も濃くなった)、「ガラスのバレル」の汚名返上は叶った模様。"1年と少し前はこう評した。色はもちろん、見た目、手触りも僅かに異なっていると思えるので、材質変更の判断は保留(これで同じだったら笑うしかない)。一方、強度が増したか否かは疑問だ。破損の報告は後を絶たないし、そもそも自身が3本ほど割っている。いずれも発火はせず箱にしまい保管していたが、ふと分解して見るとクラックが入っていた。初めはオイル負けだろうと考えていたが、傷口にオイルの染みは無く正確な原因は分からない。何にせよ、遊ぶ以前の強度不足は、玩具にとって致命的な欠陥である。

 しかし、タナカワークスの方針は「遊べる玩具」より「精密な模型」の完成であることが過去発売された製品から見受けられ、ユーザーはそれを理解した上で購入する、いわば上級者向けの赴きがあり、その方針を支持する者が多勢であるからして、新製品を生み出し続ける比較的活発で有望なメーカーと認知されている。したがって、多少の欠点は見過ごされるべきであるかもしれない。問題は、バレルバキバキが多少の範囲内に収まるかどうかであり、これは個人差により一概に括ることはできないだろう。過去を遡れば、耐久姓難有りの製品は幾らでも存在し、これはモデルガンを取り巻く恒久の課題であるのだから。亀裂に瞬間接着剤やパテを流し込んで固め塗装するなど対処はそう難しくないが、一般的に、脆くも割れてしまっては精神衛生上好ましくない。MGC/GM5用で、ノーマルバレルが1ダースは買える価格のアルミ削出がZEKEから販売され人気を博しており、上記のような要望に答える形の製品化と推測される(もちろんメタルの魅力もあるだろう)。ZEKEさん、こちらもどうですか?

 実売15~17、18kと、高価に思えるも現行のモデルガンは大体このくらいする。バレルが脆いくせに単品1.9kしたり(金属製チャンバーカバー代金?)数値上の重さが無いだけで敬遠されたりと長所が掻き消され、加えて機種選定がモデルガンファン層と微妙にずれている不遇の製品である。しかしながら各パーツの仕上げや造形は良く、マガジンを外しても重心を崩さない設計は模型として遜色のない出来であり、モデルガンメーカータナカの名前に相応である。あと一息の改善があれば申し分の無い完全版と成り得るが、現状をメーカーの怠慢ととるか、仕様特色と納得するかは我々ユーザー側の考え次第だ。



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