DJみならいのモデルガンブログ

20年近くだらだらと書いています。モデルガン、自転車などの記録。

マルシン M1910:再販EXHW

2008-07-19 18:03:00 | _ その他モデルガン
・マルシン FN M1910 2007年再販版EXHW

 マルシンの勢いはこのところ止まらない。モーゼルM712EXHWからワルサーPPまでプレミアを引っくり返すモデルガンの再販ラッシュに加え、8mmマテバやカート式ガスブローバックガンの新規製作発表は、明らかに他社の斜め上を行きすぎて逆に心配な程だ。その封切りとなった(と個人的に思っている)のがモデルガンM1910と25オートの同時再販、しかもEXHWである。アナウンスが9月、実際に出回ったのは冬であったが、様子を見て現物を確認ののち入手しようとする私の策は大外れ。ネット上でも飛ぶように売れ、どの店も既に品切れ御免の字が並んでおり、取り置きを頼むことに・・・。

 合わせて作り直された青い箱は本体のモノクロ写真をあしらった簡素な物で、個人的には昔の方が好みだがシンプルに纏めたなというのが率直な印象であった。マルシン製品のパッケージは、固定MAXIシリーズや8mmブローバックM712のように奇抜なイメージを持っているが、一方でマイスター45や6mmブローバックP210、十四年式ブローバックなどは凝縮したアピールを購買層へ送っている。しかしマイスター45と6mmP210はバリエーションの位置づけであるから、「らしくない」のは十四年式くらいであろう。タナカっぽい紙の素材は面白かったが、それ以上にビンテージフィニッシュはマルシン色全開で楽しませてもらった。店頭で。



 今回ダミーカート仕様へ変更するにあたり、専用の空撃用チャンバーパーツが付属すると聞き、どのような造りか気になっていた。果たして、通常デトネーターのある位置に空撃パーツを挿入し、鉄ピンとスプリングで真鍮の皿を支えて衝撃を中和しているのである。鉄ピンのくびれをチャンバー外から芋ネジで固定しており、勢いで叩き出す必要はあるもののデトネーター同様一応は脱着可能である。また、このパーツが機能する条件としてダミーカートの装填を要する注意書きが封入され、それらを別売不可とする獅煖L載されているが、5発で2,100円のダミーカートは単品で購入することができる。ちなみに私はというと、飾りとはいえチャンバーへ弾を装填したまま放置する気にならないので、相変わらずブリーチを除く激発系の部品一式を抜いてしまっている。分解は従来通り行うことができ、ところどころに残るバリはお約束。やっぱりキットの方が良いかも?


 外観の主だった変更点はグリップで、何故かシャンパンゴールドがかったHW樹脂製になり、重量増加に貢献している反面バランスは悪くなった。色が模型チックなので予算のある人は純正なり長興なりの木グリに換えると良いだろう。問題はEXHWの発想そのもので、染めるから研磨は不要という意見が今春のSSJ会場で多く聞かれた(さすがツワモノ揃いのイベント)。さらにエッジのダレを指摘する声や、発火用にキットの再販を望む人もあり、ユーザーの反響はあれども満足するには至っておらず、待望の再販であったがゆえの厳しい評価だ。その辺はメーカーも把握しているのか、スライド左の刻印は研磨後の打刻らしく気を利かせている。SPGマークがSTGAのスペルに打ち直された理由は定かでないが。

 このM1910EXHWは出回り始めて間もない昨年12月に、08年3月を予定した再再販がアナウンスされながら後に中止されており、在庫過剰を懸念するショップ或いは問屋から発せられた近すぎる生産間隔へのクレームが原因と言われている。そして研磨工程を省略して出荷されたブラックHWがその代替案である。確かにカッチリした容姿と手触りはブルーイングに適しているが、マットブラックの皮膜を落とす手間と比較的少数の流通を考えて、やはり中途半端な印象は拭えない。結果的にM1910は、ニッケルフィニッシュも数えて3種類のバリエーションを出すことになりプレミアは暴落、再販分も飽和状態にあるようだ。メーカーの思惑はさておき、一連の現象はブローニングファンにとって悪くない。他の機種より価格も控えめなので、購買欲が反応したら好きな仕上げのM1910をひとつカゴに入れてみよう。何より選択肢が増えたのは良いことだ。