DJみならいのモデルガンブログ

20年近くだらだらと書いています。モデルガン、自転車などの記録。

タナカ POLIZEI P228:_1

2007-01-15 14:23:00 | _ ASG
・タナカ SIG/SAUER P228 HW
 「POLIZEI」という独語表記だからドイツ警察仕様だと思い込んでいた。検索してもロゴマークがオフィシャルサイトに見当たらず困っていると、行き着いたスイス警察公式では当たり前に載っていて(トップ右下)驚いた。独警察はP220の弟分、P225=P6だった。警察というとどうもHKやグロックのイメージが強い。ベレッタはチョウ・ユンファだろう。

 自社製品初のマグナブローバックエンジン搭載機であるP226の発売からおよそ1年後の96年中頃に販売開始。米軍に採用されたM11を再現したABS製に対し、HW版はスイス警察制式拳銃をモデルアップ、スライド左側面に警察機関を意味する「POLIZEI」刻印が入る。さらに、トリガーやリアサイト形状も異なることから、タナカの「P228」と「M11」は全体像を同じとしながら意識的に差別されている。

 07年現在HW製は絶版。流通している殆どがM11であった為、私はこのP228を探すのに随分と時間をかけさせられ、最終的にWeb上のショップで注文。初めて通信販売で中古品を購入することになったが、内部メカの故障につき安価で入手できたのは幸いだった。タナカからすればあり余っているM11を先に曹ッたいのではないかと、ショップにずっと置かれている在庫を見て思う。

 左面の刻印は「SIG SAUER」と「(ロゴ) POLIZEI」。ブリーチピンがモールドで済まされているのは今だ改善されないシリーズ共通の欠点であるが、ブローバックメカとの干渉を避けるという事情は明確なので黙認のほかない。また、ピンが中空の巻子状になっているからであって、P229のような棒状ならばこうは目立たない。

 P226のコマンダーサイズ、単なる寸法違いとの誤解から相違点の把握が不十分であったが、観察するとコンシールドキャリーに対応するマイナーチェンジが確認できる。まず、マズルフェイスの面取りからして違う。P226はフロントサイト前が未加工で面取りのラインがそこから左右に分散して2本になっているのに対し、P228はご覧の通りスライド前部上半分全ての角が取られており、いわばP226とP229の中間に値する。

 仕上げの悪いテイクダウンレバーは新型以前の弱点(生産時期の問題でありP229Sも含む)。亜鉛の凹凸はフレームを傷つけるうえパーツの位置がど真ん中なので少しのアラも目立つ。一つタナカ製が有利なのは、テイクダウンレバーの回転する高さよりスライドのスロットが僅かに深いので、スロットがレバーに削られにくい点。スライドストップレバーの作動痕がフレームに残るのは仕様。

 右面。スライドに「P228」、フレームテイクダウンレバー軸下に「MFG. TANAKA WORKS (改行) ASGK. U956120」。チャンバー側面は、モデルガン旧P226と同じような字体で「9mm Para」。にぎやかな左側面と違い、レバー類が無くシンプル。直線主体で構成されたフラットな右面もシグオートの魅力である。

 フルサイズの厳ついトリガーガードは丸められドロウイングの抵抗を軽減。P226HWモデルガンでは残っていたパーティングラインも裏まで処理され、短縮されたエジェクションメ[トやダストカバーとの対比で主張が大きくなった。実銃の特徴と通じて、周辺の面取りがマズルフェイスと同様P229に酷似していることから、後発であるP229の開発にあたり複列弾倉式コンパクトガンの先達としてP228は大きな役割を果たしたと言っていいだろう。スライドストップノッチ形状も同型より改良されている。

 11本のセレーションはフルサイズから約4mmの間隔を狭めまとめられたと思えるが、実際は50mmの全体長を変えることなく後退したのみ。錯覚の原因は高さである。P226が200mm、P228は210mmと、計測で約10mmの延長が認められた。実用において差が出るまでの数値ではないと思うが、平面に観点を寄せられる視覚的効果はある。悪く言えばボテっとしている、スマートさに欠けるのだ。

 @070425改訂



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