もうすぐ100日。大震災被災死者の方々を悼む。

2011年06月17日 | Weblog

 東日本大震災が起こった日から数えて今日は九十九日目。明日が百日、その日亡くなった方は百か日ということになります。
 今も、遺体さえ見つからない方が八千人以上という事態で、お気の毒というしかありません。わが遠妙寺では毎日、大塔婆を建立して、ご回向をさせていただいていますが、亡くなった方々の霊が安らかにと思う気持ちでいっぱいになります。
 地層の調査をすると、今まで五、六百年の周期で大津波が起こっていたという報告が震災後になって、いろいろな学者により報告されました。今頃になってそんなことをいってもという気がしますが、しかし、今後を考える上では重要です。建物を建てる場所も、建て方も変えなければ元の木阿弥です。
 また、震災後に変わらなくてはいけないのは、私たちの考え方、生き方です。震災後、結婚する女性が多くなったというニュースもありますが、毎日何気なくおっとりした生活をしていた昔と違い、不安を覚えるようになったのは事実で、誰でも同じです。
 その不安をただ一過性のものとしてはならないと思います。いかに私たち人間は無力で、原発は最新の科学技術による万全の対策を施しているから、絶対安全だと言われていた神話が崩れ去ったことには大きな意味があります。
 結局、私たち現代人が安心を得ていたのは、科学技術神話、原発神話という一種の信仰によってであって、それが外されてしまったのですから、その先を考えなくてはならないと思います。
 今回の震災をきっかけに、不遜な現代人のあり方が変わってくるなら、それがある意味で一万三千五百人に及ぶであろう被災犠牲者の方々へのせめてもの供養となるのではないでしょうか。

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