門祖日隆聖人は至徳2年(1385)にご誕生になり、寛正5年(1464)に八十歳で亡くなられました。
そのご一生は、法の為、教えのために捧げられたというべきで、大変な業績を遺されました。
昨年、東京・乗泉寺で第五支庁の勉強会(修学塾)が行われ講演をするよう依頼を受けました。
講演というのは、大変しんどいです。
そういうのも何ですが、私は割と真面目なところもあるので、つい、一所懸命、勉強というか調べて、かなり時間を使います。
せっかく調べて、結構、問題点を発見したり、詳しくなるのですが、一回の講演で話しきれないほどのネタを仕入れて、どのように限られた時間で話そうかなど、悩んじゃいます。
やってみると、それなりに盛り上がったりすることもありますが、大概、話をするのは全体からいえばホンの一部で、残念な思いもします。
でも、多少でも調べてみて、良かったと思います。
しかし、手もとに文献や史料がなく、いつも悔しい思いもします。
おまけに、門祖日隆聖人のご事蹟など、歴史を調べるには現地調査が一番大事です。
行ってみて、じかに見て、始めて分かるところがあります。以前、佐渡島に行ってはじめて、日蓮聖人の思いとかご苦労とか身体で感じることができました。
また、鎌倉に何回か行った時も、そうでした。
ところが、今はその時間もありません。
ふだんは御講で関東一円、所狭しと走り回り、京都に行く日もかなりあり、他寺院の御会式で遠方に行くこともあります。
その上、去年はフィリピンまで御講に行き、これからもご信者が増えているので行くこともあるでしょう。
でも、門祖日隆聖人はすごい方だとつくづく感じます。
あっちこっち、諸国をめぐられ、ご一生の間に14ヵ寺も建立されました。
そして、50代以降は、著述にも力を入れられ、63歳頃から本格的に重要な書物の著作に本腰を入れられました。
三千余帖という膨大なご著作は、後代の者が迷いを起こさないようにとの慈悲の思いからなされたものです。
あらためて、その偉大さに心うたれた一日でした。