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【訂正】コスタリカの首都が「サントドミンゴ」になっていますが、「サンホセ」に直してください。
中米の部分をさらに細かく言うと、ベリーズ(Belice、英語は Belize)は旧英領ホンジュラスであるから、ラテンアメリカと言っていいのかどうか、微妙。公用語は英語であるが、周りがスペイン語圏なので、スペイン語もよく通じる。
このベリーズを除いた中米の国は北から順に Guatemala, Honduras, El Salvador, Nicaragua, Costa Rica, Panama(スペイン語では Panamá)となる。
このうち、パナマはコロンビアから独立した、というかアメリカが独立させた。もちろん、運河の利権ねらいである。残る5か国はかつて中米共和国(República Centroamericana)を形成していた。今では、経済共同体を形成している。すべて小さい国で、言語もスペイン語なのだから一つの国であってもおかしくないのだが、事情により分裂した。中米共和国になる前はメキシコの一部であった。ということで、コスタリカまではメキシコ文化圏と言える。
メキシコと言えばタコスが有名。タコスの皮はトルティーヤ(tortilla、トルティージャとも発音する。スペイン語ではリャもヤもジャも同じ音として認識される。つまり、ヤマダさんはジャマダさんにもなる)といって、トウモロコシの粉をこねて薄く焼いたものである(ただ、スペインでは tortilla はオムレツのようなものを指すらしい)。コスタリカまではこのトルティーヤを日常的に食す。しかしながら、国境を越えてパナマに行くと、トルティーヤは姿を消す。トウモロコシの原産地は南米ペルーなのだが、どういうわけか、南米ではトルティーヤは目にしない。パナマは地理的には中米であるが、食文化は南米に属すのである。
以上のようなことから、コスタリカでは中米6か国のことを“cinco hermanos y un vecino”(シンコ・エルマーノス・イ・ウン・ベシーノ、「5人の兄弟と1人の隣人」)と表すことがある。「隣人」とはもちろん、パナマのことである。
さて、中南米はラテンアメリカと同義かというとそうでもない。ほとんどはラテンアメリカであるが、スリナム(オランダから独立)やガイアナ(イギリスから独立)などはラテンアメリカとは呼べない。カリブ海に浮かぶ島国、例えば、ジャマイカは英語圏であるからラテンアメリカではない。
ラテン語から派生した言語を話す国がラテン系ということで、スペイン、ポルトガル、イタリア、フランス、ルーマニア(「ローマ人の国」の意)がラテン系諸国になる。
そうすると、フランス領ギアナもラテンアメリカになるし、ハイチもラテンアメリカになる。しかし、ラテンアメリカというと、どうしてもスペイン語・ポルトガル語の国のイメージが付きまとう。そこでイベロアメリカといういい方もある。こうなるとイベリア半島の国(スペインとポルトガル)がかつての宗主国であった国に限定されてくるのである。
なお、郵便料金は中米と南米では異なるので要注意。航空便では南米は中米より20円高くなっている。郵便局員は信用しないように。メキシコを南米と思っている局員もいる。宛先には必ず日本語でいいから、「中米コスタリカ」と書くこと。メキシコはこの伝でいくと、「北米メキシコ」だが、そういういい方は聞いたことがない。
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