(承前)
イタリア語にも marca という言葉がある。意味もスペイン語と大体同じだが、歴史用語としての「(カロリング王朝における)国境の領地、境界」という別の項目もあった。
そこで、カロリング王朝について調べてみる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4a/e2/f44de126241abee46e26b838f704fe73.png)
【ウィキペディア「カロリング朝」より】
ここで、Marcano 姓のルーツと思われるスペインのカンタブリア州とカロリング朝(フランク王国)との位置関係を見てみよう。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0d/1d/5fbae23ee87f876fe883b5ee9f58bbe1.png)
【赤く塗られた部分がカンタブリア州】
カンタブリア州はフランク王国には含まれていない。バスクの領域(Vasconia)に接するところであるが、ウィキペディア「バスク地方」によると、「7世紀以降にはフランク族のメロヴィング朝の家臣によるヴァスコニア公爵領が存在した」との記述がある。
カロリング朝はメロヴィング朝を引き継ぐ王朝である。そうすると、ちょうど現在スペインのカンブリア州とバスクの領域の境にカロリング王朝の国境の領地を示す標識(marca)があっても不思議ではない。
どうやらマルカーノ選手のご先祖様、またはご先祖様が仕えたご主人様のルーツはひょっとしたら、このあたりではないかと推測される。
話変わって、marca の動詞形は marcar である。小学館『西和中辞典』の marcar の説明のところに英語 mark の関連語と書かれている。
ところで、スペイン語の動詞の原形に e を付け加えるとイタリア語になるケースがいくつもある。
例をいくつか挙げる。
cantar(歌う)⇒ cantare
volar (飛ぶ)⇒ volare
marcar も同様で、イタリア語形は marcare である。
スペイン語 marcar の直説法現在1人称単数の活用形は marcoで、イタリア語も同様である。男子名 Marco と同じつづりである。直説法現在3人称複数の活用形はスペイン語では marcan、イタリア語では marcano となる。ただし、アクセントは初めの a にあるので、「マルカーノ」のようには発音されない。
Marcano はイタリア語では「彼らは印をつける」の意味になる。もし、「彼ら」がイヌだったら、「それらのイヌはマーキングする」という意味になる。
というわけで、Marco Marcano という男性がイタリアに行ったら、「マーキング(立小便)するなよ」とか何とか言って、からかわれるかもしれない。
よろしくね
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【赤く塗られた部分がカンタブリア州】
カンタブリア州はフランク王国には含まれていない。バスクの領域(Vasconia)に接するところであるが、ウィキペディア「バスク地方」によると、「7世紀以降にはフランク族のメロヴィング朝の家臣によるヴァスコニア公爵領が存在した」との記述がある。
カロリング朝はメロヴィング朝を引き継ぐ王朝である。そうすると、ちょうど現在スペインのカンブリア州とバスクの領域の境にカロリング王朝の国境の領地を示す標識(marca)があっても不思議ではない。
どうやらマルカーノ選手のご先祖様、またはご先祖様が仕えたご主人様のルーツはひょっとしたら、このあたりではないかと推測される。
話変わって、marca の動詞形は marcar である。小学館『西和中辞典』の marcar の説明のところに英語 mark の関連語と書かれている。
ところで、スペイン語の動詞の原形に e を付け加えるとイタリア語になるケースがいくつもある。
例をいくつか挙げる。
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marcar も同様で、イタリア語形は marcare である。
スペイン語 marcar の直説法現在1人称単数の活用形は marcoで、イタリア語も同様である。男子名 Marco と同じつづりである。直説法現在3人称複数の活用形はスペイン語では marcan、イタリア語では marcano となる。ただし、アクセントは初めの a にあるので、「マルカーノ」のようには発音されない。
Marcano はイタリア語では「彼らは印をつける」の意味になる。もし、「彼ら」がイヌだったら、「それらのイヌはマーキングする」という意味になる。
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