【グアピレス郊外に住む、女房殿の家の庭で採れた3種類のバナナ】
コスタリカにはいろいろな種類のバナナがある。日本でいうところの「バナナ」はコスタリカでは一般的に、banana ではなく、男性形の banano を用いる(「バナナ」はやはり男性の方がふさわしいような気がする)。コスタリカのバナナは Chiquita (チキータ、「小さい」の意)ブランドとして、輸出されている。実は、リモンへとつながる鉄道は、ユナイテッド・フルーツ社のバナナを、内陸部のプランテーションからリモン港まで輸送するために敷設されたのである。
【チキータ・バナナのキャラクター「セニョリータ・チキータ」】
これらのバナナのほかに、調理用バナナもある。こちらは banano とは言わないで、plátano という。調理用バナナは生では全然うまくない。煮ると、芋のような感じである。熟したものをフライパンで焼いて、粉チーズをかけて食べると、絶品である。
さて、辞書によると、スペインでは「バナナ」一般を banana ではなく、plátano というらしい。ペルーでも同様で、バナナ一般を plátano と言っていた。plátano には「プラタナス」(英 platanus)という意味もあるようだが、コスタリカでは plátano が「プラタナス」ということはありえない。もともと plátano は「プラタナス」だったのだろうが、「バナナ」の意味も担うようになったのは、「プラタナスの葉がバナナの葉に似ていたところから」と辞書には載っていた。
ところで、バナナが生っているところを知らない人(日本人も大多数は知らないだろう)は下のような絵を描く。
【『新文化初級日本語Ⅰ』文化外国語専門学校編、凡人社、2000年、p. 122】
上の写真を見ると、これで間違いはないように見える。
【ペルーにて。1989年筆者撮影】
ところが、バナナの実は実際には、このように、上から下ではなく、下から上へと伸びていくのである。
【グアピレスの妹の家の庭にできるパイナップル】
実のなり方を勘違いしやすい果物にパイナップルもある。パイナップルは木の実だと、子供のころは思っていたが、じつは、木ではない。また、上から垂れ下がるのではなく、下から伸びてくるのである。
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