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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

FARGO/ファーゴ Season1の感想 2/3

2016-03-20 11:17:40 | FARGO
FARGO/ファーゴ

Created:Noah Hawley
Based on:Fargo by Joel Coen
Ethan Coen

ネタバレを含みますのでご注意ください。

この記事をまとめていてふと、E6のタイトル「ビュリダンのロバ」って餓死するロバの話だと思って
それからファーゴのタイトルを調べていったらそれぞれ引用元があると今更ながら気づきました。
タイトルもちゃんと考えられているんですね。深いわ。
E1の「人喰いワニのジレンマ」はルイス・キャロルが創作した自己言及のパラドックスだそうです。
ウィキです。
ワニのパラドックス

E2:おんどり王子 "The Rooster Prince"
※このタイトル、日本語版を見つける事ができなかったのですが自分を雄鶏と信じ込んだ王子、といった内容の寓話のようです。
ある日突然裸になり床で餌をついばむようになった王子に賢者が「あなたが服を着てちゃんと食事をしても
心が雄鶏であるならあなたは雄鶏なんです」と言った、というお話です。

殺されたサムはファーゴにあるある組織に属しており、サムを殺した犯人に報復すべく、
ファーゴからナンバーズとレンチがやってくるところから始まります。
このコンビ、すごく好きなんですよ。


ヴァーンの後継にビル・オズワルドが就任。
モリーは今回の事件にレスターが関わっていると言いますが、レスターの同級生だったビルは
レスターにそんな事ができるはずはないと否定します。
それでも食い下がるモリーにヴァーンの妻の口添えもありビルはモリーとレスターに会いに行きます。
ビルが自分を全然疑うどころか妻を殺されたことで同情し、レスターはかわいそうな被害者を演じますが、
モリーはひとり納得がいかない様子です。


レスターの話を信じきったビルはこの事件を強盗殺人と断定します。
警察官は署長の捜査方針に従わないとダメらしいですよ。
しかし納得のいかないモリーはレスターを問い詰めますがレスターはビルの好意を最大限活用し、
ビルに苦情を入れビルはモリーを捜査から外してしまいます。


小さい町だとみんなが知り合いなのでこういう慣れ合いになりがちなんですよね。
そんな中でモリーは小さな町の警察官(一応副署長ですけど)にしておくには勿体ないくらい
冷静さと勘の良さを持ち合わせています。
父親が優秀な警察官だったこともあると思いますが資質もあるんでしょうね。
レスターを問い詰めていく様子を見ると、ついレスター逃げてー!と叫びそうになります。
だってマーティンだし・・・・
それにしてもレスターは自分に暗示をかけているんじゃないかと思うほど被害者になりきっています。

レスターの奥さんは日常的にレスターにひどい事言ってたし衝動的に殺してしまった時も
言っちゃいけない領域を踏み越えていたからレスターに同情できる部分もあるんです。
でもこのあたりからじわじわと内に秘めた狂気のような部分が表面化していて、
多分レスターはもうかなり前から壊れていたのかもしれません。


ビルとモリーが訪ねてたとき、レスターは奥さんの服に顔を埋めて泣いていたのですが、
次の瞬間には保身のためだけに行動していて、その表情には恐ろしさを感じます。
マーティンはすごいですよ、本当に。

一方、マルヴォの雇い主は「ミネソタ州のスーパーマーケット王」マイロスでした。
マイロスは何者かに脅迫されており、マルヴォに犯人を捜させます。


マルヴォは依頼主の電話やメッセージを録音しているようで、この時もレスターから
妻を殺したという電話の録音を聞いています。
もちろん保身のためもあるのでしょうけどそういえばマイロスから彼の著書にサインをもらっていたので
よくシリアルキラーが被害者の持ち物を収集していたりするような感覚なのでしょうか。


E3:泥の道 "A Muddy Road"
※これは禅公案のようです。
調べようと思ったのですが禅公案たくさんありすぎてよくわかりませんでした・・・

レスターはサム・ヘスの保険金のことでサムの奥さんに会いに行きそれをナンバーズとレンチに目撃され、
以後、ナンバーズとレンチにサム殺しの疑いをかけられつきまとわれます。


一方、凍死した男の捜査をしていくうちに防犯カメラが犯人らしき男をとらえていたことを知ります。
そして見逃してしまった男がずっと気になり車を調べると持ち主がレスターだったのでベミジーを訪れモリーに会います。
モリーは防犯カメラの画像をガスに見せ、レスターの車に乗っていた人物とと凍死した男を連れ去った人物が同一だとわかります。


マルヴォはマイロスを脅迫していた人物をすぐに突き止めます。
マイロスの妻のスポーツインストラクターでした。
しかし、マルヴォは彼と結託し聖書に出てくるエジプトの十の災いをなぞらえ、
マイロスのシャワーに豚の血を次に店に大量のコオロギを放ちます。


ちなみに10の災い一覧です。
http://www.lets-bible.com/ten_calamities/

E4:知らぬ存ぜぬ "Eating the Blame"
※これも禅公案の引用みたいです。

で、マイロスが何者かと言うと、1987年に借金から逃れるため妻と子どもを親戚を頼ろうと
ミネソタ州の雪道を車で走らせていた途中ガス欠になり、動きがとれなくなります。
どうにもならなくなったマイロスが外で神に祈っていると大金が入ったケースを見つけます。
これが映画版でカールが埋めた身代金なんです。


モリーはマルヴォが滞在していたモーテルを割り出し、マルヴォがベジミーにいたことを確認します。

ガスはマイロスの家の近くでマルヴォを見つけ、今回は見逃せないと無理やり逮捕してしまいます。
ガスはすぐにモリーを呼び、ダルースに向かおうとしますがビルに止められてしまいます。
神父に扮していたマルヴォはすぐに釈放されますが別れ際にガスに、
「なぜ人は何よりも緑の中で目が利くのか?」という言葉を残して去っていきます。


一方、レスターはナンバーズとレンチに拉致されてしまいます。


サム殺しの自白を迫られたレスターは自分ではないと言いつつ弟のところから持ってきていたスタンガンを使って切り抜け、
途中で会った警察官を殴って無理やり逮捕をさせ逃げ切りますがが、結局すぐに留置場でふたりと再開してしまいます。

そしてガスはモリーからマルヴォの問いかけの答えを教えてもらいます。
森の中で敵を見分けるため・・・だそうです。


E5:愚か者の群れ "The Six Ungraspables"
※これも禅ですね。

ナンバーズとレンチに脅された挙句、化膿していた手をさらに痛めつけられマルヴォの存在を教えてしまいます。


モリーはレスターとマルヴォの関係を捜査に基づいてビルに説明し、ビルもようやくモリーの話を聞き入れます。
留置場にいるレスターに話を聞こうとしますが手の化膿が悪化し朦朧としているレスターは病院に運ばれます。
病院でモリーは医師からレスターの手には散弾が入っていたと聞きます。


信仰深いマイロスは災いの最後が長男の死だと信じ、マルヴォにお金を用意すると言います。
脅迫の裏にマルヴォがいるとは知らないマイロスです。
この時息子がやってきてコオロギの出どころを突き止めるのですが神の罰だと信じきっているマイロスには届きません。
この息子、ダジャレばかり言っていてちょっとバカっぽいのですが実は結構頭が良いんじゃないかと思います。
ここでマイロスがちゃんと息子の話を聞いていれば・・・・


このエピソードの中でガスが隣人から聞いた話がちょっと印象的でした。
あるお金持ちの男が悲惨な世界を嘆き、自分の全財産を寄付しますがそれでも世界は良くならず、
次に臓器を提供しますが、それではひとりしか救えません。最後は自分の全てを提供して死んでしまいます。
世界の問題はひとりでは解決できないというちょっとした教訓でした。

私もたまにひとりであがいて空回りすることがあるんです。
自分が出来る事ってたかがしれているんですけどね。
そういう時はひとりで背負わないで身近な人に相談したり助けてもらったりするようにしています。
3人寄れば文殊の知恵って言うし、意外なところから意外な解決策が出てきたりするもんです。
そういえば「世界中の悩みをひとりで背負ってたあの頃~」という歌があったような気が・・・


続きます。

FARGO/ファーゴ Season1の感想 1/3

2016-03-18 07:58:28 | FARGO
FARGO/ファーゴ

Created:Noah Hawley
Based on:Fargo by Joel Coen
Ethan Coen


映画を観た後にドラマも観たくなって久しぶりに見返しましたが忘れていた部分が結構ありました。
しかし、やはり面白いです。一度観始めるとノンストップになります。
やっと観終わったので忘れないうちにまとめてみようと思います。

ネタバレですのでご注意ください。

ファーゴS1はふたりの男を中心に話が進みます。
まったく別の世界に生き、性格も生き方も絶対に接点などないだろうふたりが偶然に偶然が重なり
関わりを持ってしまった事でお互いが破滅の道を歩んでいく、そんなストーリーです。

漠然と書いているととっ散らかりそうなのでエピソードを追いながら書いてみます。
冒頭にはいつもこの説明が表示されますがフィクションです。

This is a true story.
The events depicted took place in Minnesota in 2006.
At the request of the survivors, the names have been changed.
Out of respect for the dead, the rest has been told exactly as it occurred.
これは実話である。
実際の事件は2006年にミネソタ州で起きた。
生存者の希望で人名は変えてあるが、死者への敬意を込めその他は忠実に描いた。


E1:人喰いワニのジレンマ "The Crocodile's Dilemma"
冒頭はローン・マルヴォがベミジー近くを走っている途中、鹿とぶつかりその反動で後ろのトランクが開き
下着姿の男が逃げ出していく場面から始まります。


一方、ベミジーで保険会社に勤めるレスター・ナイガードはうだつの上がらない男で、
いつも妻からバカにされ出来の良い弟と比較されながら暮らしていました。
この日も昔からのいじめっ子、サム・ヘスに鼻の骨を折られ病院に行きます。


そこで、車の事故で頭を怪我したマルヴォと出会います。
鼻が痛くて缶ジュースが飲めないレスターにマルヴォがそのジュースちょうだいって言ったのをきっかけに、
レスターはサム・ヘスに殴られたことを話し、マルヴォがその男殺してやろうか?と尋ねます。
君がYesと言えば殺してやるよ、と言われますがレスターは最後までYesともNoとも言わずにその場は終わります。


マルヴォは報酬で殺しの依頼を受ける殺し屋さんなのですが、この時はジュースのお礼だったとか?
ストーリーの中でたまに出てくるマルヴォの例え話が実は彼の生い立ちなんじゃないかと思います。
飲んだくれの父親から虐待を受け母親からも捨てられたような、そんな壮絶な子ども時代が
彼を心を持たない冷徹な人間に作り上げたのかもしれません。
だから、もしかしたらマルヴォは苛められ侮辱されるレスターに興味を抱いたのかもしれませんね。
しかし、ここできっぱりとNoと言えないのがレスターなのですが、
レスターにとってマルヴォの悪魔の囁きはとても甘美で、
口にこそ出さなかったけど心の中ではYesと叫んでいたんだろうし、
でもYesともNoとも言わないところがレスターの小狡いところなのかなーと思いました。

ともあれこれを機に彼の人生は大きく変わります。

その頃、警察官のモリーは署長のヴァーンと事故を起こして置き去りにされたマルヴォの車の捜査をし、
凍死した下着男の死体を見つけ、捜査を始めます。


サム・ヘスが殺された事を知ったレスターは再びマルヴォと会い、頼んだ覚えはないと詰め寄りますが、
「立ち向かえ」と逆に説教されます。
そしてその夜、レスターは以前から調子の悪い洗濯機に立ち向かおうと修理し妻の前でスイッチを入れて見せますが
直ったどころか故障させてしまった事で妻にバカにされ今度は妻に立ち向かってしまいます。


つまり、妻をハンマーで殺してしまいます。
その地下室の壁に貼ってあったポスターがこれ。
「もしあなたが正しくてみんなが間違っていたら?」


このドラマは「Whatif」の連続なんだと思います。
もし、レスターがサムに会わなかったら?殴られなかったら?病院に行かなかったら?洗濯機が壊れなかったら?
もし、マルヴォの運転する車の前に鹿が飛び出さなかったら?
そして、もしレスターがサムに立ち向かっていたら?
そんな感じでずっと続くんです。
ほんの少し違う行動をしていたら未来はまったく違うものになっていたんだろう想像をかき立てられるドラマでした。

妻を殺害してしまったレスターはハンマーと返り血を浴びた服を隠しマルヴォに助けを求めます。
そして電話のあとは散弾銃を用意したり、セリフの練習をしたりと、
多分マルヴォを妻殺しの罪を着せようとしていたような感じです。
普段は不器用なレスターがここではテキパキと動いています。
自信の無さが彼を余計に鈍らせていたけど実は意外とやれば出来る子なんですよね。
しかしそこは運の悪い男、レスター。

病院でのマルヴォと会話をしていたという目撃証言があったのでレスターを良く知るヴァーンが
話を聞きに彼の家を訪れ、妻の死体が見つかってしまいますが、
タイミングよくレスターの家に来たマルヴォにレスターが用意していた銃で撃たれてしまいます。


そのあとすぐに警察が駆けつけますがマルヴォが姿を消したので、
レスターは侵入者に妻とヴァーンを殺されたように見せかけます。

マルヴォはレスターの車で次の仕事先に向かう途中交通違反でダルース警察のガスに止められますが、
マルヴォはガスを脅し、ガスはそれに屈して見逃してしまいます。


レスターの手にマルヴォが撃った散弾の破片が入りますが、治療を受けないまま化膿しレスターを苦しめる事になります。


1回でまとめるつもりだったのに1話目から長々と書いてしまいました・・・・
少し長くなりそうなので分ける事にします。

15MAR 最近のいろいろ

2016-03-16 07:52:15 | BC_2015・2016
先日のLetter Liveにベネディクトが登場しましたが、何とオスカー・アイザックも出演したんですね。
しかも、アレック・ギネスの手紙を読んだらしいです。


ここに手紙が全文あります。
Oscar Isaac reads brilliantly grumpy Alec Guinness letter from 'Star Wars' filming
マークハミルやハリソン・フォードの事も書いてあるようなので
時間があるときにボチボチと訳してみようかと思ってるのですが結構長い・・・

ベネディクトはマルセル・プルーストとロバート・スコットの手紙を読んだようです。


キャプテンスコットの手紙はちょっと興味があるのでこれもボチボチと・・・・できるのかなあ。
cunberbatchwebさんがシェアしていたサイトに全文あります。
Scott of the Antarctic's final letter


ルイーズがツイートしていた画像がちょっと良い感じです。


話は変わりまして、
キャプテンアメリカの新しいトレーラーが公開されましたが、
何だかすごく賑わっていたので一体何が?・・・と思ったらスパイダーマンが登場していました。
アメコミはあまり詳しくないのですが、確かスパイダーマンは大人の事情でマーベルには出られないと
以前どこかで見聞きしましたが・・・
そんな事情を乗り越えて今回参戦ということでアメコミファンには嬉しいニュースのようです。
今回のスパイダーマンは従来とはちょっとだけ違うそうなんですけど、
もちろん私にはそんな違いはわかるはずもありません。
で、トム・ホランドが演じるんですね。
そういえばトム・ホランドは「白鯨との闘い」にも出ているのですけど結局この映画観れなかったなー。

何だかシビル・ウォーがものすごく盛り上がっちゃいますね。
上映時間もマーベル最長なんでしたっけ?
それなのにソーはいないんですよね・・・・ソー好きな私にとってはちょっと寂しい・・・・。
こうなったらソーのラグナロクでストレンジさんと共演してもらって、盛り上がってもらいましょう。

トレーラーです。
Marvel's Captain America: Civil War - Trailer 2

日本語版です。
スパイダーマン登場!『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』予告編

キャプテンチームの青とアイアンマンチームの赤、どちらを応援しますか?
と、いう事でも盛り上がっていますがそこでちょっと疑問なんですけど、
この映画の冠ってキャプテンアメリカじゃないですか。
て、ことはキャプテンが正義なの?最後にはアイアンマンが負けるとか?
こんな事聞くとアメコミファンやマーベルファンに鼻で笑われそうですけど。
バッキーの話を深く掘り下げるようなのでキャプテンが辛い目にあいそうな予感もしますが、
最後はみんなが一丸となって何かと戦うんですよね、きっと。


ホロウクラウンのリチャード3世は5月に放送だとガーディアン紙に掲載されたそうです。
5月に放送かー、じゃあ日本は来年?(涙)

余談ですが舞台版リチャード3世はレイフ・ファインズが演じるそうです。

もうひとつ、シャーロックS4の脚本はモファット&ゲイティスの両御大が1本ずつで残る1本は共同執筆だそうです。
共作再びは嬉しいけどちょっと怖い・・・
Arwelさんが着々とシャーロックのセットの風景をツイートしてくれてるのを見るといよいよだなあと。




あと、これ。これは映画の前に流れた舞台裏に出てきましたよね。
SPのトレーラーが公開された時にバスカヴィルの犬の絵柄があるのは見えましたが
実はそれ以外にもホームズ作品をモチーフしてるんですね。細かいわ。


最後に、ちょっと和んだBBC3のツイートです。
BBC Oneとイチャイチャタイム??



「FYI」 by John's Blog

2016-03-14 07:55:17 | Sherlock S1 JW's Blog
FYI
昨日アップした動画ですがやはり規制されてしまったので、今朝削除しました。
見てくださった方には本当にすみません。
またいつか何かの形でお目にかかると思いますので
その時はまたよろしくお願いいたします。

自分のお知らせから始めてしまいましたがジョンブログです。
「The Blind Banker」のあとに書かれたブログになります。

FYIは「For Your Information」の略ですがメールのやりとりでよく使います。
とりあえず知っておいてね、とか、参考にしてね、という内容のメールを転送するときに
FYIと書いて送る事が多いです。3文字なので楽チンです。

FYI

3月27日

面白い数日間だったよ。仕事も見つけたし。
密輸組織をやっつける手助けもしたんだ。
詳しい事は次回に書くけど。

ああ、でもその前に、重要なお知らせを!

これが僕。


これはシャーロック。


わかった?ロンドンの犯罪者のみなさん、どっちがどっちなのかちゃんと注意してくれ。
そうすればみんなの時間と手間が省けるんだよ。
これ以上混乱させないためにもプロフィール画像も変えたからね。

別の話になるけど、シャーロックにまた違う暗号のメッセージが届いたから
自信のある人は推理の科学に行ってみて。


コメント

は?
Harry Watson 27 March 20:11

聞く気にもならないよ。
Bill Murray 27 March 21:22

君は秘密のメッセージをトライしてないだろう?ジョン。
Sherlock Holmes 27 March 22:09

FARGO 映画とドラマS1

2016-03-11 07:40:26 | FARGO


Directors: Joel Coen, Ethan Coen
Writers: Ethan Coen, Joel Coen


このところ動画配信業界が賑わいを見せていて、Netflixとアマゾンが日本に参入したのも記憶に新しいところですが、
それに危機感を覚えたのかHuluも積極的に話題のドラマや映画を配信するようになって
ユーザーとしてはありがたい状況になったなあと思うこの頃です。

それはさておき、アマゾンが動画配信を大々的に始めた時の目玉商品(?)のひとつがFARGOでした。
システムはアップルと同じようにデータでのセルやレンタルをしていますが、
無料配信もやっていて、その中にFARGOもあります。

アマゾンの良いところは配信もDLできるんですよ。
なのでwi-fi環境がなくても自宅で端末にDLしておけば外出先でも視聴できるので
もっぱら私の通勤のお供になっています。

動画配信の宣伝はこれくらいにして・・・
FARGOです。
ドラマは去年観ましたが、やっと先日映画も観れたのでちょっと感想を呟こうと思います。
ドラマはもうS3まで製作されてるんですね。私はまだS1です。

ドラマは映画のリメイクだと思っていましたがリブートだと知りました。
設定も登場人物も出来事も全然違いますが、映画の10年後という設定なので、
映画の出来事がドラマに反映されているものもあります。
そしてブラックコメディの部分もそのままで主要人物は映画の流れを汲んでいます。
同じようなセリフもたくさん出てきますし、
映画観てなくてもドラマはじゅうぶん楽しめますが映画を観るとより一層楽しめます。


どちらを先に観ても問題ないと思います。
私はドラマ→映画でしたが、映画観た後はもう一度ドラマを観たくなりました。てか、観てます。
初めてドラマを観たとき、冒頭に出てくる「THIS IS A TRUE STORY(これは実話である)」をしばらく信じていました。
これもひっくるめてフィクションだと知った時はヤラれた感がありましたが、こういうジョークはすごく好きです。
もちろん映画でも冒頭に出てきます。
映画は1987年にミネソタで起きた事件、ドラマは2006年にミネソタで起きた~ になっていました。
かなりヒドイ出来事が淡々と展開されていくあたりちょっとブレイキング・バッドと同じ空気を感じます。
ドラマは時間が長い分、それぞれのキャラクターを掘り下げていました。

映画は主演の女性署長、マージ・ガンダーソン役の フランシス・マクドーマンドが素晴らしかったです。
オスカーなどいろいろ受賞しているのもわかる気がします。
熱くなることもなくひたすら冷静に自分の仕事を淡々とこなしていくのですが、
仕事だけではなく、何事においても臆することなく真摯に向き合う姿を好演していました。
ジョエル・コーエンの奥様でもあります。

主要な登場人物です。
左が映画版、右をドラマ版で並べてみました。

マージ・ガンダーソンとモリー・ソルヴァーソン。


マージは今でこそ署長として誰にも邪魔されることなく自分の職務をこなしていますが、
若い時は優秀な分妬まれたり、融通が利かない分、邪魔扱いされたりしたのでは・・・
と、その想像を体現しているのがモリーなのかと思いました。

ヴァーン亡きあとは唯一彼女だけが優秀な警官であとは無能ばかりで。
彼女もまた、偏見も思惑もいっさいなく、ただひたすら犯人を割り出していきます。


ジェローム・ランディガードとレスター・ナイガード


狂言誘拐はありませんが共通しているのは加害者なのに被害者になりすまそうとします。
でも些細なつまずきをきっかけに悪い方に悪い方に向かっていくんです。
ジェリーは映画の冒頭からお金の問題を抱え狂言誘拐で義父からお金をゲットしようとしているクズな感じですが
レスターは小心者の平凡なサラリーマンのはずが成り行きで妻を殺してしまっているので幾分同情の余地があります。
子どもの頃から同級生にイジメられて妻や弟からもバカにされてるし。
でもどちらも立ち向かう事なく流されたまま、
自分の問題にきちんと向き合わなかった故の結果になっていると思います。

それにしてもマーティンの何と適役な事よ・・・
ブラック・コメディこそマーティンの本領発揮なジャンルですねー、ホントに。
ウィリアム・H・メイシーが演じたランディガードのキャラクターもきちんと踏襲しているようようでした。

カールとゲア(上)ナンバーズとレンチ(下)


カールとゲアはランディガードが妻の誘拐を依頼する相手です。
ゲアがあまりにも無口でカールがブチ切れる場面がありますがレンチの聾唖設定はそこからなのかも。
カールもまた不運な男です。依頼を受けたばかりに結局は命を落とします。
殺される前に手に入れたランディガードの妻の身代金を独り占めしようと雪原に埋めた100万ドル入りのケース、
これがドラマ版で出てきます。


ここからはドラマ版です。

ローン・マルヴォ(ビリー・ボブ・ソーントン )


殺し屋さん。今回、いじめっ子ヘスに鼻を折られたレスターが事故で頭に傷を負ったマルヴォと
病院の待合室で出会ったのが運のツキでした。
人当たりがソフトな分恐ろしいです。にっこり笑って人を斬るを体現していましたよ。
狂気を感じる人でしたが、私はマーティンのレスターもある意味かなり狂気を感じました。

ビリー・ボブ・ソーントンはアンジェリーナ・ジョリーの元ダンナだったんですね。ちょっとびっくり。
アンジーの映画のプロモの時に来日もしてるんですね。2度びっくりです。


2014年のエミー賞はこの方とマーティンがふたりで主演男優にノミネートされていました。
受賞はまさかの(失礼)ベネディクトasシャーロックでしたけど。


ガス・グリムリー(コリン・ハンクス)


ナイガード家で起きた殺人の犯行現場でマルヴォがレスターを残しドロンして
レスターの車で次の仕事に向かう途中、交通違反でマルヴォを停止させながらも
マルヴォに脅かされて見逃してしまう警察官。不器用で善良な一人娘のパパです。

コリン・ハンクスを見たのはバンドオブブラザーズ以来なのですが
良い感じにトシをとっていて、何となく嬉しいです。


ビル・オズワルト(ボブ・オデンカーク )


ヴァーンの死後、署長に就任する死体も直視できない普通のおっさん。
てか、ソウル(ブレイキングバッド)じゃないですか!
有能ではないけど無能でもないと思うんですよ。
彼なりに、レスターは善良という信念?で彼を守ろうとしていたわけだし。
まー、そんな私情の基づいた行動は警察官としてどうよ?なんですけど。


映画もドラマも一番印象的だったのが風景でした。
カメラワークというのでしょうか。
一面真っ白な風景の中にポツンと赤いワンポイントもとても印象に残ります。
ポスターをいろいろ検索していたら結構ありました。
ファンメイドやアーティストの作品も混ざっているかもしれません。
映画版です。

これも。


ドラマ。

これも。

重要アイテムです。


あと、これもね。


あまり感想になりませんでしたが・・・・
再度ドラマを見直し中なので観終わったらあらためてちゃんとドラマの感想を書きたいと思っています。