FARGO/ファーゴ
Created:Noah Hawley
Based on:Fargo by Joel Coen
Ethan Coen
ネタバレを含みますのでご注意ください。
この記事をまとめていてふと、E6のタイトル「ビュリダンのロバ」って餓死するロバの話だと思って
それからファーゴのタイトルを調べていったらそれぞれ引用元があると今更ながら気づきました。
タイトルもちゃんと考えられているんですね。深いわ。
E1の「人喰いワニのジレンマ」はルイス・キャロルが創作した自己言及のパラドックスだそうです。
ウィキです。
ワニのパラドックス
E2:おんどり王子 "The Rooster Prince"
※このタイトル、日本語版を見つける事ができなかったのですが自分を雄鶏と信じ込んだ王子、といった内容の寓話のようです。
ある日突然裸になり床で餌をついばむようになった王子に賢者が「あなたが服を着てちゃんと食事をしても
心が雄鶏であるならあなたは雄鶏なんです」と言った、というお話です。
殺されたサムはファーゴにあるある組織に属しており、サムを殺した犯人に報復すべく、
ファーゴからナンバーズとレンチがやってくるところから始まります。
このコンビ、すごく好きなんですよ。
ヴァーンの後継にビル・オズワルドが就任。
モリーは今回の事件にレスターが関わっていると言いますが、レスターの同級生だったビルは
レスターにそんな事ができるはずはないと否定します。
それでも食い下がるモリーにヴァーンの妻の口添えもありビルはモリーとレスターに会いに行きます。
ビルが自分を全然疑うどころか妻を殺されたことで同情し、レスターはかわいそうな被害者を演じますが、
モリーはひとり納得がいかない様子です。
レスターの話を信じきったビルはこの事件を強盗殺人と断定します。
警察官は署長の捜査方針に従わないとダメらしいですよ。
しかし納得のいかないモリーはレスターを問い詰めますがレスターはビルの好意を最大限活用し、
ビルに苦情を入れビルはモリーを捜査から外してしまいます。
小さい町だとみんなが知り合いなのでこういう慣れ合いになりがちなんですよね。
そんな中でモリーは小さな町の警察官(一応副署長ですけど)にしておくには勿体ないくらい
冷静さと勘の良さを持ち合わせています。
父親が優秀な警察官だったこともあると思いますが資質もあるんでしょうね。
レスターを問い詰めていく様子を見ると、ついレスター逃げてー!と叫びそうになります。
だってマーティンだし・・・・
それにしてもレスターは自分に暗示をかけているんじゃないかと思うほど被害者になりきっています。
レスターの奥さんは日常的にレスターにひどい事言ってたし衝動的に殺してしまった時も
言っちゃいけない領域を踏み越えていたからレスターに同情できる部分もあるんです。
でもこのあたりからじわじわと内に秘めた狂気のような部分が表面化していて、
多分レスターはもうかなり前から壊れていたのかもしれません。
ビルとモリーが訪ねてたとき、レスターは奥さんの服に顔を埋めて泣いていたのですが、
次の瞬間には保身のためだけに行動していて、その表情には恐ろしさを感じます。
マーティンはすごいですよ、本当に。
一方、マルヴォの雇い主は「ミネソタ州のスーパーマーケット王」マイロスでした。
マイロスは何者かに脅迫されており、マルヴォに犯人を捜させます。
マルヴォは依頼主の電話やメッセージを録音しているようで、この時もレスターから
妻を殺したという電話の録音を聞いています。
もちろん保身のためもあるのでしょうけどそういえばマイロスから彼の著書にサインをもらっていたので
よくシリアルキラーが被害者の持ち物を収集していたりするような感覚なのでしょうか。
E3:泥の道 "A Muddy Road"
※これは禅公案のようです。
調べようと思ったのですが禅公案たくさんありすぎてよくわかりませんでした・・・
レスターはサム・ヘスの保険金のことでサムの奥さんに会いに行きそれをナンバーズとレンチに目撃され、
以後、ナンバーズとレンチにサム殺しの疑いをかけられつきまとわれます。
一方、凍死した男の捜査をしていくうちに防犯カメラが犯人らしき男をとらえていたことを知ります。
そして見逃してしまった男がずっと気になり車を調べると持ち主がレスターだったのでベミジーを訪れモリーに会います。
モリーは防犯カメラの画像をガスに見せ、レスターの車に乗っていた人物とと凍死した男を連れ去った人物が同一だとわかります。
マルヴォはマイロスを脅迫していた人物をすぐに突き止めます。
マイロスの妻のスポーツインストラクターでした。
しかし、マルヴォは彼と結託し聖書に出てくるエジプトの十の災いをなぞらえ、
マイロスのシャワーに豚の血を次に店に大量のコオロギを放ちます。
ちなみに10の災い一覧です。
http://www.lets-bible.com/ten_calamities/
E4:知らぬ存ぜぬ "Eating the Blame"
※これも禅公案の引用みたいです。
で、マイロスが何者かと言うと、1987年に借金から逃れるため妻と子どもを親戚を頼ろうと
ミネソタ州の雪道を車で走らせていた途中ガス欠になり、動きがとれなくなります。
どうにもならなくなったマイロスが外で神に祈っていると大金が入ったケースを見つけます。
これが映画版でカールが埋めた身代金なんです。
モリーはマルヴォが滞在していたモーテルを割り出し、マルヴォがベジミーにいたことを確認します。
ガスはマイロスの家の近くでマルヴォを見つけ、今回は見逃せないと無理やり逮捕してしまいます。
ガスはすぐにモリーを呼び、ダルースに向かおうとしますがビルに止められてしまいます。
神父に扮していたマルヴォはすぐに釈放されますが別れ際にガスに、
「なぜ人は何よりも緑の中で目が利くのか?」という言葉を残して去っていきます。
一方、レスターはナンバーズとレンチに拉致されてしまいます。
サム殺しの自白を迫られたレスターは自分ではないと言いつつ弟のところから持ってきていたスタンガンを使って切り抜け、
途中で会った警察官を殴って無理やり逮捕をさせ逃げ切りますがが、結局すぐに留置場でふたりと再開してしまいます。
そしてガスはモリーからマルヴォの問いかけの答えを教えてもらいます。
森の中で敵を見分けるため・・・だそうです。
E5:愚か者の群れ "The Six Ungraspables"
※これも禅ですね。
ナンバーズとレンチに脅された挙句、化膿していた手をさらに痛めつけられマルヴォの存在を教えてしまいます。
モリーはレスターとマルヴォの関係を捜査に基づいてビルに説明し、ビルもようやくモリーの話を聞き入れます。
留置場にいるレスターに話を聞こうとしますが手の化膿が悪化し朦朧としているレスターは病院に運ばれます。
病院でモリーは医師からレスターの手には散弾が入っていたと聞きます。
信仰深いマイロスは災いの最後が長男の死だと信じ、マルヴォにお金を用意すると言います。
脅迫の裏にマルヴォがいるとは知らないマイロスです。
この時息子がやってきてコオロギの出どころを突き止めるのですが神の罰だと信じきっているマイロスには届きません。
この息子、ダジャレばかり言っていてちょっとバカっぽいのですが実は結構頭が良いんじゃないかと思います。
ここでマイロスがちゃんと息子の話を聞いていれば・・・・
このエピソードの中でガスが隣人から聞いた話がちょっと印象的でした。
あるお金持ちの男が悲惨な世界を嘆き、自分の全財産を寄付しますがそれでも世界は良くならず、
次に臓器を提供しますが、それではひとりしか救えません。最後は自分の全てを提供して死んでしまいます。
世界の問題はひとりでは解決できないというちょっとした教訓でした。
私もたまにひとりであがいて空回りすることがあるんです。
自分が出来る事ってたかがしれているんですけどね。
そういう時はひとりで背負わないで身近な人に相談したり助けてもらったりするようにしています。
3人寄れば文殊の知恵って言うし、意外なところから意外な解決策が出てきたりするもんです。
そういえば「世界中の悩みをひとりで背負ってたあの頃~」という歌があったような気が・・・
続きます。
Created:Noah Hawley
Based on:Fargo by Joel Coen
Ethan Coen
ネタバレを含みますのでご注意ください。
この記事をまとめていてふと、E6のタイトル「ビュリダンのロバ」って餓死するロバの話だと思って
それからファーゴのタイトルを調べていったらそれぞれ引用元があると今更ながら気づきました。
タイトルもちゃんと考えられているんですね。深いわ。
E1の「人喰いワニのジレンマ」はルイス・キャロルが創作した自己言及のパラドックスだそうです。
ウィキです。
ワニのパラドックス
E2:おんどり王子 "The Rooster Prince"
※このタイトル、日本語版を見つける事ができなかったのですが自分を雄鶏と信じ込んだ王子、といった内容の寓話のようです。
ある日突然裸になり床で餌をついばむようになった王子に賢者が「あなたが服を着てちゃんと食事をしても
心が雄鶏であるならあなたは雄鶏なんです」と言った、というお話です。
殺されたサムはファーゴにあるある組織に属しており、サムを殺した犯人に報復すべく、
ファーゴからナンバーズとレンチがやってくるところから始まります。
このコンビ、すごく好きなんですよ。
ヴァーンの後継にビル・オズワルドが就任。
モリーは今回の事件にレスターが関わっていると言いますが、レスターの同級生だったビルは
レスターにそんな事ができるはずはないと否定します。
それでも食い下がるモリーにヴァーンの妻の口添えもありビルはモリーとレスターに会いに行きます。
ビルが自分を全然疑うどころか妻を殺されたことで同情し、レスターはかわいそうな被害者を演じますが、
モリーはひとり納得がいかない様子です。
レスターの話を信じきったビルはこの事件を強盗殺人と断定します。
警察官は署長の捜査方針に従わないとダメらしいですよ。
しかし納得のいかないモリーはレスターを問い詰めますがレスターはビルの好意を最大限活用し、
ビルに苦情を入れビルはモリーを捜査から外してしまいます。
小さい町だとみんなが知り合いなのでこういう慣れ合いになりがちなんですよね。
そんな中でモリーは小さな町の警察官(一応副署長ですけど)にしておくには勿体ないくらい
冷静さと勘の良さを持ち合わせています。
父親が優秀な警察官だったこともあると思いますが資質もあるんでしょうね。
レスターを問い詰めていく様子を見ると、ついレスター逃げてー!と叫びそうになります。
だってマーティンだし・・・・
それにしてもレスターは自分に暗示をかけているんじゃないかと思うほど被害者になりきっています。
レスターの奥さんは日常的にレスターにひどい事言ってたし衝動的に殺してしまった時も
言っちゃいけない領域を踏み越えていたからレスターに同情できる部分もあるんです。
でもこのあたりからじわじわと内に秘めた狂気のような部分が表面化していて、
多分レスターはもうかなり前から壊れていたのかもしれません。
ビルとモリーが訪ねてたとき、レスターは奥さんの服に顔を埋めて泣いていたのですが、
次の瞬間には保身のためだけに行動していて、その表情には恐ろしさを感じます。
マーティンはすごいですよ、本当に。
一方、マルヴォの雇い主は「ミネソタ州のスーパーマーケット王」マイロスでした。
マイロスは何者かに脅迫されており、マルヴォに犯人を捜させます。
マルヴォは依頼主の電話やメッセージを録音しているようで、この時もレスターから
妻を殺したという電話の録音を聞いています。
もちろん保身のためもあるのでしょうけどそういえばマイロスから彼の著書にサインをもらっていたので
よくシリアルキラーが被害者の持ち物を収集していたりするような感覚なのでしょうか。
E3:泥の道 "A Muddy Road"
※これは禅公案のようです。
調べようと思ったのですが禅公案たくさんありすぎてよくわかりませんでした・・・
レスターはサム・ヘスの保険金のことでサムの奥さんに会いに行きそれをナンバーズとレンチに目撃され、
以後、ナンバーズとレンチにサム殺しの疑いをかけられつきまとわれます。
一方、凍死した男の捜査をしていくうちに防犯カメラが犯人らしき男をとらえていたことを知ります。
そして見逃してしまった男がずっと気になり車を調べると持ち主がレスターだったのでベミジーを訪れモリーに会います。
モリーは防犯カメラの画像をガスに見せ、レスターの車に乗っていた人物とと凍死した男を連れ去った人物が同一だとわかります。
マルヴォはマイロスを脅迫していた人物をすぐに突き止めます。
マイロスの妻のスポーツインストラクターでした。
しかし、マルヴォは彼と結託し聖書に出てくるエジプトの十の災いをなぞらえ、
マイロスのシャワーに豚の血を次に店に大量のコオロギを放ちます。
ちなみに10の災い一覧です。
http://www.lets-bible.com/ten_calamities/
E4:知らぬ存ぜぬ "Eating the Blame"
※これも禅公案の引用みたいです。
で、マイロスが何者かと言うと、1987年に借金から逃れるため妻と子どもを親戚を頼ろうと
ミネソタ州の雪道を車で走らせていた途中ガス欠になり、動きがとれなくなります。
どうにもならなくなったマイロスが外で神に祈っていると大金が入ったケースを見つけます。
これが映画版でカールが埋めた身代金なんです。
モリーはマルヴォが滞在していたモーテルを割り出し、マルヴォがベジミーにいたことを確認します。
ガスはマイロスの家の近くでマルヴォを見つけ、今回は見逃せないと無理やり逮捕してしまいます。
ガスはすぐにモリーを呼び、ダルースに向かおうとしますがビルに止められてしまいます。
神父に扮していたマルヴォはすぐに釈放されますが別れ際にガスに、
「なぜ人は何よりも緑の中で目が利くのか?」という言葉を残して去っていきます。
一方、レスターはナンバーズとレンチに拉致されてしまいます。
サム殺しの自白を迫られたレスターは自分ではないと言いつつ弟のところから持ってきていたスタンガンを使って切り抜け、
途中で会った警察官を殴って無理やり逮捕をさせ逃げ切りますがが、結局すぐに留置場でふたりと再開してしまいます。
そしてガスはモリーからマルヴォの問いかけの答えを教えてもらいます。
森の中で敵を見分けるため・・・だそうです。
E5:愚か者の群れ "The Six Ungraspables"
※これも禅ですね。
ナンバーズとレンチに脅された挙句、化膿していた手をさらに痛めつけられマルヴォの存在を教えてしまいます。
モリーはレスターとマルヴォの関係を捜査に基づいてビルに説明し、ビルもようやくモリーの話を聞き入れます。
留置場にいるレスターに話を聞こうとしますが手の化膿が悪化し朦朧としているレスターは病院に運ばれます。
病院でモリーは医師からレスターの手には散弾が入っていたと聞きます。
信仰深いマイロスは災いの最後が長男の死だと信じ、マルヴォにお金を用意すると言います。
脅迫の裏にマルヴォがいるとは知らないマイロスです。
この時息子がやってきてコオロギの出どころを突き止めるのですが神の罰だと信じきっているマイロスには届きません。
この息子、ダジャレばかり言っていてちょっとバカっぽいのですが実は結構頭が良いんじゃないかと思います。
ここでマイロスがちゃんと息子の話を聞いていれば・・・・
このエピソードの中でガスが隣人から聞いた話がちょっと印象的でした。
あるお金持ちの男が悲惨な世界を嘆き、自分の全財産を寄付しますがそれでも世界は良くならず、
次に臓器を提供しますが、それではひとりしか救えません。最後は自分の全てを提供して死んでしまいます。
世界の問題はひとりでは解決できないというちょっとした教訓でした。
私もたまにひとりであがいて空回りすることがあるんです。
自分が出来る事ってたかがしれているんですけどね。
そういう時はひとりで背負わないで身近な人に相談したり助けてもらったりするようにしています。
3人寄れば文殊の知恵って言うし、意外なところから意外な解決策が出てきたりするもんです。
そういえば「世界中の悩みをひとりで背負ってたあの頃~」という歌があったような気が・・・
続きます。