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海外ドラマや映画の感想いろいろ書いてます。

NT Live Frankenstein その3

2014-04-18 22:04:24 | フランケンシュタイン
ナショナル シアター ライブ「フランケンシュタイン」


引き続き、ヴィクターとクリーチャーの会話です。
長いなあと思いつつ、でも彼らはそれを台本も見ずに舞台の上で演技するのですから、
舞台役者って本当にすごいなーとひたすら感心してしまいます。

このあたりの場面は公式トレーラーや画像などがかなり出回っているので、
粗いですがやや多めに貼れました。
普段、画像を貼りまくってるだけに今回の記事はすごく殺風景だなっと思ってしまいます。




クリーチャーも生きてるんだ、人間なんだという彼に対しヴィクターが言います。
「汚れたクズじゃないか。私はお前の主人なんだから敬意を払うんだ。」
「俺は奴隷じゃない、俺には自由がある。マスターには義務がある。俺を置き去りにした。
もし俺の希望を拒否するなら俺はあなたの敵になる。あなたを破滅させる。あなたの心が壊れるまで手を休めない。」
そう言うと激情にかられるようにクリーチャーは博士に近づくと首をしめようとします。

左JLM博士Ver 右ベネ博士Ver

しかしクリーチャーは動きをとめ博士から遠ざかるとすぐに謝罪をします。
「謝る。俺はちゃんとあなたと話をするつもりだ。過度なお願いはしていないだろう?
俺はすごく醜いからあなたが女性を作ってくれ。もし承諾してくれたら俺は永遠に姿を消す。
南米に行ってそこで俺たちの小さなパラダイスを作る。2度と人間の目には触れない。」と言います。
「驚いたな。短期間ですごく学んでる。」とヴィクターに「誇らしいか?」とクリーチャー。
「誇らしい?違う。」
「なぜだ?」
「お前の理論には不備があるからだ。お前は外国に行き姿を消すと言う。
なのに社会的に受け入れられたいと切望している。国外追放に飽きたら戻らないとも限らない。
そしてもう一度人々の中で暮らしてまた彼らに憎悪されたら?
お前らふたりで暴れたら破壊力も2倍だ。なぜ私がそれを手助けしなければならないんだ。」
「なぜなら俺は孤独だからだ!全ての生き物には伴侶がいてすべての空には鳥がいる。
あなたでさえも結婚するのに。なぜ俺には与えられないんだ。
さっきは俺の知性に驚いたのに今、あなたの心は頑なだ。ひどく腹立たしいだろうけど、俺は愛したいだけなんだ。」
「愛だと?」
「そうだ。」
「お前に愛があたえられると?」
「そうだ。」
「お前が?」
「Good man はそれにふさわしい。」
「お前がGood man?」
「そうなりたい。」
「私は予測できなかった。」
「俺に感情があるかもしれないと?」
「お前は難問だった。定理だ。認めよう。解決すべき難問だ。だがもしお前に感情があって、立ち去るなら。」
「フランケンシュタイン、もし俺に仲間を与えてくれるなら、俺はヨーロッパから永遠に姿を消すよ。
もう殺すこともしないし、俺は立ち去る。」

左ベネクリーチャー 右JLMクリーチャー

ここでヴィクターは考えます。
そして、
「穏やかに暮らすと誓うか?」とヴィクターに、
「Yes!俺を信じてくれ。」と即答のクリーチャー。
「永遠にここを去り2度と戻らないと誓え。絶対にだ。」
「青空に、白い雪に、俺の心で燃え上がる愛の炎に俺は誓う。もし俺の願いを聞き入れてくれるなら、
あなたは俺の姿を見ることはないだろう、この世界が回転している限り。」
「世界が回転してるって知ってるのか?」
「もちろん。」

「これはかなり困難な作業だ。」
「唯一あなただけができる事だ。あなただけが持っている技術だ。」
「世界中で私だけだしその秘密は誰とも共有しない。見ろ。(山を指して)彼らを見たか?
平凡な人生を生きる平凡な人間たちだ。」
「小さな家!小さな男たち!」(と、興奮するクリーチャー)
「私は違う。」
「あなたはキングだ。科学の王だ。俺に女性を作ってくれ。花嫁を。」
「美しい花嫁にしよう。きれいな瞳と輝くような髪にしなくては。醜くてはだめだ。美しくなくては。」
「Oh Yes!」
「間違いは繰り返さない。前に進むだけだ。」
「もう一度魔法を、マスター。お願いです。」
「女性か・・・私は今まで考えたことがなかったが、違いは何だ?気性か?ユーモア?スキル?」
「知らない。」
「女性は何が得意なんだろう。」
「知らないよ!」

上段、JLM博士 下段、ベネ博士。そういえばベネ博士はしょっちゅうこうやって汗を拭っていました。

ヴィクターは更に独り言のように話し続けます。
「My God.何という挑戦だろう。もし私が汚れのない美しい作品を作ることができたら?
悪魔ではなく、女神だ。」
「女神か。」
「そうだ!もし彼女が見分けのつかないくらい完璧だったら・・・
私は地獄に堕ちるかもしれないがそれでも試みよう。」
「俺の頼みをきいてくれるのか?」
「お前の要求に応えよう。その後で約束通りお前が我々のもとから立ち去るならな。」
「もちろん、あなたが約束を守ったら立ち去るよ。」
そしてヴィクターはクリーチャーに手を差し出します。
「それは何だ?」とクリーチャーに「握手だ。」とヴィクター。
「握手?」
「契約成立のしるしだ。私の手をとりなさい。」

上段、ベネ博士。下段、JLM博士。

クリーチャーはためらいがちにヴィクターの手を取るとヴィクターの身体ごと引き寄せてから握手をします。

「ありがとう!これで夢がかなうよ!家に帰ってすぐに始めてくれ。」
「家で?家でなんかできない。」
「なぜだ?家に何かあるのか?」
「私の父の家でか?だめだ!」
「なら、できるところに行ってくれ。だが俺は見てるからな。」
クリーチャーはそう言うと消えていきます。

場面はフランケンシュタイン家に変わります。

メイドのクラリスがお父さんに届いた弔辞の手紙を渡します。
その時、ヴィクターが部屋にやってきてクラリスを部屋から出します。
「お父さん、これから長い旅に出ます。今日出発します。」
「今日?だがウィリアムはどうするんだ。」
「ウィリアムは来れないですから。イギリスに行かなければ行けなんです。それじゃ。」
突然そんな事を言われて驚くお父さん。研究のために行くと言われても納得しません。
「僕はわかってもらおうと思いません。だけど・・・」ヴィクターの言葉を遮るように、
「理解することはできんし重要な研究も信じられん。」と嘆きます。

結婚式はどうするんだというお父さんに、
「延期します、6年待たせたんです、それが少し延びたからと言って問題はないでしょう」とヴィクター。
「嘆かわしい事だ、お前の母さんが死んだとき・・」
「お母さんを巻き込まないでください!」
ヴィクターの言葉にかまわず話を続けるお父さん。
「エリザベスとの幸せな結婚が妻の最後の望みだったのに。
お前は子供の時は屈託がなく陽だまりのようで私たちは楽しい日々を過ごした。
お前は立派にあると信じていたしそれが私の誇りだった。
気がつけば、お前は不機嫌で憂鬱で私の権力を軽蔑し我々が生きるための法を尊重しない。
お前は私を失望させる。お前が行くと言うのなら私には止められない。
だが、エリザベスにはお前から言いなさい。」そしてエリザベスを呼びにやり、
「私の記憶にある子供はどこに行ってしまったんだ。目を輝かせながらよく笑っていた。
彼はどこにいるんだ、ヴィクター。」
そう言ってお父さんは部屋から出ていきます。

続きます。